名探偵の条件

ヒロト

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22自分の考え

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「実はね、昨晩のうちに情報屋さんに電話しておいたんだよ。『高見沢病院で、何か事故や事件が起きた記録がないか調べてくれ』ってね。」

「・・・何でまた『病院自体を調べよう』なんて思ったんだ?だいたい、ネットからじゃたいした事は調べられないだろ?」

「確かにね。でも、今回僕はネットで調べられる範囲・・・つまり、普通の人が知っていても不思議じゃない範囲で、何か事故か事件があったのかを知りたかったんだよ。」


(冬弥のねらいが・・・わからない・・・)


でも、「わからない」とそのまま口に出すのは悔しく思えた。


・・・思えば、僕は昨日から冬弥に驚かされてばかりだ。
しかし、冬弥の言うことは、「言われてみれば『なるほど』と思えること」が多い。


・・・ということは、ただ単に僕が普段から『考えていない』だけじゃないのか。


――自分でも考えないと――


・・・そうだ、考えろ。


自分が現場で見た物や感じたことを、もう一回思い返してみよう。

自分でも現場で「おかしいな」と感じたことがあったじゃないか。

「おかしいな」で思考を止めているから、僕は何もわかっていないんじゃないのか。

今、冬弥が話した内容だって、筋を通してしっかり考えれば理解できるはずだ。


そうだ・・考えろ。筋道立てて考えるんだ・・・


・・・かなり長い間、僕は考え込んでいたと思う。それでも、冬弥は何も言わず、僕が何か話し出すのを静かに待っていた。

そう。まるで、難しい問題に取り組む教え子を見守っている教師のように・・・


「自分の『想像』に、現場の状況や遺留品などの証拠品、それに心の自然な動きを当てはめていく。
そして『想像』と『当てはめたもの』にずれがあったら、そのずれの理由を考えていく」

・・・冬弥の言っていたことだ。


最初は考えもまとまらず、いろいろな考えがバラバラに浮かんでは消えていった。
しかし、そんな作業を繰り返していくうちに、僕の考えは一つの形にまとまってきた。

もちろん 、・・・この考えが冬弥の期待しているものなのかはわからない。

あやふやなところも多いし、わからないこともまだまだ多い。

でも、これが『自分の考え』なのだ。

考えが浅いのだとしても・・・たとえ間違っているのだとしても・・・『自分の考え』さえあれば、冬弥とだって対等に話すことができる。

何も考えず、簡単に「わからない」なんて答えて問題から逃げているようなら・・・いずれは、冬弥と話す資格さえ失ってしまうだろう。
そんな気がしていた。


――僕は冬弥に『自分の考え』を話すことにした。
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