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23死体を移動させる理由
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「冬弥・・・。『この病院で過去に事故か事件があったのか』を知りたかった理由は・・・」
冬弥の目を見ながら話す。
「『死体が移動されていたこと』と『死体の腕が切断されかけていたこと』に関係あるんじゃないかな。」
冬弥は――少しではあるが驚きの表情を見せた。
しかし、すぐに笑みを浮かべると切り返してきた。
「ずいぶん飛躍した意見だね。・・・なぜそう思ったのか、理由を聞かせてもらいたいな。」
『お手並み拝見』・・・という事なんだろうな。
「理由か・・・。
そう思った理由は『その2つの疑問が、僕にとって大きな疑問だから』だよ。
死体を移動させたり、むだな傷を負わせたりするのは、犯人にとって『誰かに目撃される可能性』や『証拠を増やしてしまう可能性』を高める危険な行為だ。
少なくても、なんの意味もなくやることじゃない。」
「・・・だろうね。」
「死体を移動させる理由・・・。
1番多い理由は、おそらく『殺人事件そのものを隠すために、死体を隠す』だと思う。
でも、今回はすでに死体が発見されている。
それに、派手に血をぶちまけた部屋の様子から見ても、犯人に犯行そのものを隠す気があったとは思えない。
・・・ここまではいいかな。」
「ああ。・・・次に進めていいよ。」
「実はね・・・2番目以降の理由には、僕自身あまり納得がいっていないんだ。
死体を移動させる理由をいろいろ考えたんだけど・・・結局のところ
『犯行現場に死体があると犯人にとって都合が悪いから、死体を移動させる』
ということだと思うんだ。」
「前から思ってたけど、弘幸は物事を『うまくまとめて説明する』のがうまいよね。
・・・さすが先生!」
「まだ、臨時・・・なんだけどね。まあ、それはいいや。次に進めるよ。」
冬弥のからかいを、僕は軽くながした。冬弥が少し不満そうな顔をするが、気にせず先を進める。
「『都合が悪いから死体を移動させる』・・・これは、間違っていないと思う。
でも、今回の事件にこの定義が・・・うまく当てはまらないんだ。
入院している患者が殺され、死体はその病室で発見される。・・・病院で事件が起こるとしたら、それがごく『普通の流れ』だ。
しかし、実際には死体は移動させられていた。
つまり、『普通の流れ』では『不都合』な理由が、犯人にはあったということだ。『不都合』だからこそ、死体を移動させたはずなんだ。」
「でも今回の事件において、死体を移動させるリスクに見合うほどの『不都合な理由』・・・僕にはその『理由』がわからなかった。
まして、201号室では死体が見つかってほしくないが、206号室で死体が見つかる分には問題がない・・・。
そんな『理由』が本当にあるのか・・・僕にはわからなかった。」
僕はここで、一呼吸入れた。
「でも、一つだけ『理由』を考え付いた。かなり、苦し紛れだったけどね。」
「・・・なんだい、その『理由』って。」
「その『理由』の確認を冬弥もしたかったんだろ?
だから、わざわざ情報屋さんに『事故や事件があったのか』調べさせた・・・。
違うかい?」
冬弥は・・・楽しげな表情のまま、両手をあげて「降参」のポーズをとった。
「改めて聞くよ。『理由』って何なんだい?」
「・・・『見立て殺人』」
冬弥の目を見ながら話す。
「『死体が移動されていたこと』と『死体の腕が切断されかけていたこと』に関係あるんじゃないかな。」
冬弥は――少しではあるが驚きの表情を見せた。
しかし、すぐに笑みを浮かべると切り返してきた。
「ずいぶん飛躍した意見だね。・・・なぜそう思ったのか、理由を聞かせてもらいたいな。」
『お手並み拝見』・・・という事なんだろうな。
「理由か・・・。
そう思った理由は『その2つの疑問が、僕にとって大きな疑問だから』だよ。
死体を移動させたり、むだな傷を負わせたりするのは、犯人にとって『誰かに目撃される可能性』や『証拠を増やしてしまう可能性』を高める危険な行為だ。
少なくても、なんの意味もなくやることじゃない。」
「・・・だろうね。」
「死体を移動させる理由・・・。
1番多い理由は、おそらく『殺人事件そのものを隠すために、死体を隠す』だと思う。
でも、今回はすでに死体が発見されている。
それに、派手に血をぶちまけた部屋の様子から見ても、犯人に犯行そのものを隠す気があったとは思えない。
・・・ここまではいいかな。」
「ああ。・・・次に進めていいよ。」
「実はね・・・2番目以降の理由には、僕自身あまり納得がいっていないんだ。
死体を移動させる理由をいろいろ考えたんだけど・・・結局のところ
『犯行現場に死体があると犯人にとって都合が悪いから、死体を移動させる』
ということだと思うんだ。」
「前から思ってたけど、弘幸は物事を『うまくまとめて説明する』のがうまいよね。
・・・さすが先生!」
「まだ、臨時・・・なんだけどね。まあ、それはいいや。次に進めるよ。」
冬弥のからかいを、僕は軽くながした。冬弥が少し不満そうな顔をするが、気にせず先を進める。
「『都合が悪いから死体を移動させる』・・・これは、間違っていないと思う。
でも、今回の事件にこの定義が・・・うまく当てはまらないんだ。
入院している患者が殺され、死体はその病室で発見される。・・・病院で事件が起こるとしたら、それがごく『普通の流れ』だ。
しかし、実際には死体は移動させられていた。
つまり、『普通の流れ』では『不都合』な理由が、犯人にはあったということだ。『不都合』だからこそ、死体を移動させたはずなんだ。」
「でも今回の事件において、死体を移動させるリスクに見合うほどの『不都合な理由』・・・僕にはその『理由』がわからなかった。
まして、201号室では死体が見つかってほしくないが、206号室で死体が見つかる分には問題がない・・・。
そんな『理由』が本当にあるのか・・・僕にはわからなかった。」
僕はここで、一呼吸入れた。
「でも、一つだけ『理由』を考え付いた。かなり、苦し紛れだったけどね。」
「・・・なんだい、その『理由』って。」
「その『理由』の確認を冬弥もしたかったんだろ?
だから、わざわざ情報屋さんに『事故や事件があったのか』調べさせた・・・。
違うかい?」
冬弥は・・・楽しげな表情のまま、両手をあげて「降参」のポーズをとった。
「改めて聞くよ。『理由』って何なんだい?」
「・・・『見立て殺人』」
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