名探偵の条件

ヒロト

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「そして・・・その少年の病室が『206号室』ってことなのか?」

「そこまではネットではわからなかったらしい。でも可能性は・・・十分あるだろうね。」


・・・悲しい話だ。
聞いているだけでも、やりきれない想いがつのる。

しかし・・・僕の理性は次の段階・・・今回の事件と少年の事故の関連性に思考を進めていた。
それに気づき、何となく自分が『非人間的』に思えて少し嫌になった。


しかし、今さら話を進めることを止めるわけにはいかなかった。

「でも、冬弥。その事件と今回の事件を直接つなげるのは・・・無理があるよな。」

「ああ。被害者の年齢の問題だろ。
今回の事件の被害者はまだ高校生ぐらいのはずだ。少年の事故のころには、10歳程度だったことになる。
・・・事故の関係者とは思えないね。

少なくとも、惨殺されるほど恨まれている関係者だったとは考えにくい。
・・・でも」

冬弥が、静かに言葉を続ける。


「たとえ少年の事件とは直接関係ないのだとしても・・・、わざわざ犯人がこの事故に『見立てた』ことには意味がありそうだとは思わないか。」

・・・僕は、小さくうなずいた。


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