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27 外部犯? 内部犯?
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「・・・さて」
暗くなった部屋の雰囲気を変えるように、冬弥が明るい声で話し出す。
「情報屋からの話はこれで終わり。次は、弘幸の話の続きを頼むよ。」
「・・・OK。まあ、ここからは確認って感じなんだけどね。
まずは、冬弥が『ネットで調べられる範囲の事件か事故』が、この病院であったかを調べた理由からでいいかな。
これは、『見立て殺人』という視点で考えれば、冬弥が『ネットで調べられる範囲』にこだわった理由はすぐにわかったよ。
つまり・・・
『病院外部の人間でも、見立て殺人ができたのかどうか』
それを、冬弥は知りたかったんじゃないかな?」
「正解」
冬弥は短く答えた。このくらいは当てて当然・・・といったそっけなさだ。
「結果的には、少年の事故については『誰でも知ることのできる情報』だったから、この情報からは犯人像は絞れなかった。
でも・・・冬弥はそのことをたいして残念に思ってないだろう?」
「なぜ、そう思う?」
「冬弥には、今回の犯人が『外部犯』か『内部犯』か・・・
最初から、見当がついていたと思うからさ。
違うかい?」
「まあ・・・多分『内部犯』だろうね。」
肩をすくめながら冬弥は答え、そのまま話を続け出した。
「犯行現場に、凶器の鉈(なた)が残されていた。
もし、犯人が『外部犯』なら・・・逃げる時に凶器も持っていくだろう。
凶器を持ち込む時に使った入れ物に、犯行後もう一度凶器を入れて持ち出せばいいだけのことだからね。
たとえ、凶器がホームセンターかどこかで買った『足のつきにくい』モノだとしても・・・『絶対に犯人につながらない』という保障はないんだ。
凶器は犯人にとって『危険な証拠』・・・持ち出せるものなら、きっと持ち出したはずだと思うよ。」
「僕もそう思う。
だから犯人は、凶器を持ち出さなかったんじゃなく、持ち出せなかったんじゃないかな。
おそらく・・・時間のしばりがあって。
時間さえあれば、遠くまで凶器を捨てに行くことができる。そうすれば、今言った『外部犯』の可能性も残せるんだ。
でも・・・犯人はその手を使わなかった。いや、使えなかった。
そんなに長い時間、病院から離れていたら逆に疑われてしまうから・・・。
つまり、犯人は病院の時間にしばられた者・・・『内部犯』・・・」
暗くなった部屋の雰囲気を変えるように、冬弥が明るい声で話し出す。
「情報屋からの話はこれで終わり。次は、弘幸の話の続きを頼むよ。」
「・・・OK。まあ、ここからは確認って感じなんだけどね。
まずは、冬弥が『ネットで調べられる範囲の事件か事故』が、この病院であったかを調べた理由からでいいかな。
これは、『見立て殺人』という視点で考えれば、冬弥が『ネットで調べられる範囲』にこだわった理由はすぐにわかったよ。
つまり・・・
『病院外部の人間でも、見立て殺人ができたのかどうか』
それを、冬弥は知りたかったんじゃないかな?」
「正解」
冬弥は短く答えた。このくらいは当てて当然・・・といったそっけなさだ。
「結果的には、少年の事故については『誰でも知ることのできる情報』だったから、この情報からは犯人像は絞れなかった。
でも・・・冬弥はそのことをたいして残念に思ってないだろう?」
「なぜ、そう思う?」
「冬弥には、今回の犯人が『外部犯』か『内部犯』か・・・
最初から、見当がついていたと思うからさ。
違うかい?」
「まあ・・・多分『内部犯』だろうね。」
肩をすくめながら冬弥は答え、そのまま話を続け出した。
「犯行現場に、凶器の鉈(なた)が残されていた。
もし、犯人が『外部犯』なら・・・逃げる時に凶器も持っていくだろう。
凶器を持ち込む時に使った入れ物に、犯行後もう一度凶器を入れて持ち出せばいいだけのことだからね。
たとえ、凶器がホームセンターかどこかで買った『足のつきにくい』モノだとしても・・・『絶対に犯人につながらない』という保障はないんだ。
凶器は犯人にとって『危険な証拠』・・・持ち出せるものなら、きっと持ち出したはずだと思うよ。」
「僕もそう思う。
だから犯人は、凶器を持ち出さなかったんじゃなく、持ち出せなかったんじゃないかな。
おそらく・・・時間のしばりがあって。
時間さえあれば、遠くまで凶器を捨てに行くことができる。そうすれば、今言った『外部犯』の可能性も残せるんだ。
でも・・・犯人はその手を使わなかった。いや、使えなかった。
そんなに長い時間、病院から離れていたら逆に疑われてしまうから・・・。
つまり、犯人は病院の時間にしばられた者・・・『内部犯』・・・」
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