名探偵の条件

ヒロト

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36触らぬ神に

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「情報屋さんから、新しい情報が入ったよ。」
「何についての情報?」

「10年前の自殺について・・・少年が自殺した部屋番号がわかったってさ。」
「・・・やっぱり、今回死体があった方の部屋か?」
「ああ。206号室だった。弘幸の読み通りって感じだね」

「でも、いいタイミングで情報が手に入ったよ。おかげで、羽鳥さんに聞く手間が一つ省けた。」
「警察に『見立て殺人』という情報も与えなくて済んだしね。」
「そういうこと。警察が、その可能性に気がついているのかは知らないけど、こっちからわざわざ教えてあげる必要はないからね。」


自分達が、羽鳥刑事から情報をもらっていることは棚に上げて、冷たい会話をする僕達。

(・・・さて、まだまだ色々と情報を仕入れないとね)

「おい、こっちも忙しいんだ。早くしてくれ。
・・・大体、後どれだけ俺は情報提供しなくちゃいけないんだ。」

僕と冬弥が、こそこそと話をしているのが気に入らないのか、羽鳥さんがいらだった声を上げた。


・・・気持ちはわかるが、冬弥をあおっても羽鳥刑事にとって良い結果になるとは思えない。


しかし・・・


「ごめん、あと少しだから我慢してくれないかい。
後は・・・、犯行現場の様子と、関係者のアリバイを聞かせてもらえれば、終わりだよ。」

意外なことに、冬弥が素直に謝った。


・・・おかしい。冬弥らしくない。

ふと気がつくと、冬弥がメモ用紙に何か書いている。

何が書いてあるのかは僕の所からは読めないが・・・冬弥のことだ。
また、ろくでもないことを思いついたのだろう。


(羽鳥刑事・・・『触らぬ神に祟りなし』っていうことわざ、早く覚えた方がいいと思うな。
・・・自分のためにね。)
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