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話を聞かない公爵令嬢と空回り第二皇子
しおりを挟む「ねぇ、リオナ。話があるんだ。」
「はい?…分かりました。」
何かしら?
…あぁ、はじめまして。私はリオネラ・チュリエイト公爵家の長女です。
元日本人です。あ、前世ね。前世。
話があると言って来たのはグラウド・ジューダスト第二皇子。
グラウ様っていつも呼んでるの。婚約者だよ。前世ではありえないが…郷に入っては郷に従えっていうからね。仕方ないよ。
口調が戻ってる?いいのいいの。猫は被ってるし。っていうか、グラウ様のこと大して好きってわけじゃないから婚約破棄したい。最近、子爵家の子とよく居るらしいし、破棄しようかな…。
「あ、あぁ…話って言うのはだな、その…。」
「ハッキリ言ってくださって大丈夫ですわよ。子爵家のご令嬢が好きなのでしょう?噂で聞きましたわ。婚約破棄ですわよね?構いませんよ。父にもそのように伝えておきます。」
「え!?い、いや違う!」
「しかし最近よくお二人で東屋へと行ってらっしゃるのでしょう?」
「それは、だなぁ…。」
「それとも愛妾になさるの?」
「ちが……。」
「あら、正妻ですか?なら尚更私との婚約は破棄ですわね。まさか私が第二夫人だなんて仰らないでしょう?」
「あ、当たり前だ!っていうか、俺の話を聞け!お前のその勝手に人の考えを決めつける癖はいつになったら直るんだ!俺は、今度公爵領に行くことになったから…だな。お前も一緒にどうかと思ったんだ。…なのに何故か婚約破棄の話で…お前は俺が嫌いなのか!?」
「…恋愛感情はありませんわね。申し訳ありませんと思っておりますが、物語の様な恋をしたいですし、グラウ様に特別な感情はございません。」
「そ、うか。」
「子爵家のご令嬢と東屋へ行かれたお話は?」
「アレは…お前がどうしたら嫉妬するか検証したかったから…アイツに協力を求めただけだ。決して好きなんかじゃないぞ!俺はリオナが1番好きなんだからな!」
「…まぁ、嫌いじゃないので婚約破棄はまだ先かしらね。」
はぁ。ま、嫌じゃないからこのままでもいいかしらね?
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