いろんな個性を持つ彼らの問題解決方法

やとまる。

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最終話

手を伸ばしても

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 言ってしまった。“過去のこと”を。

 知られてしまえばもう・・・笑えないのに。

『僕たちは、ずっと・・・みくの味方です』

 そう言ってくれた拓たちを裏切ってしまう。

 だって、私にはまだ・・・殺せてない人がいるから。

「あと1人・・・あの子だけなのに・・・」

 その子を殺してしまえば全て終わる。終わってしまう。

友情も、恋も、全てが終わってしまう。

「拓、話聞いてほしい。あの2人には話せないから」

「・・・分かりました」

 拓は静かにうなずいて、近くに腰を下ろす。

「・・・ご、ごめんなさいっ」

「え・・・何で謝るんですか?」

「私にはあと1人殺さなくちゃいけない人がいて」

 拓は何か言葉を探すように、天を仰ぐ。

「僕の、知ってる人ですか?」

「そ、うだよ・・・だからごめんなさいっ・・・どうしても許せっ・・・」

 拓が優しく、強く抱きしめる。

 あったかい・・・安心する。・・・こんなの泣いちゃうじゃん。

「みくは悪くないです」

「っ・・・うんっ・・・」

 拓が帰って1人になってため息をつく。

 誰が殺されるか教えていない。本人の記憶にも無い。

「拓、はる・・・・・・ゆ、なっ・・・ごめんねっ・・・」

 屋上に向かい、静かにドアを開ける。

「っ・・・初めからこうしておけば・・・誰も傷つかなかった・・・」

 段に上がり、そっと足を乗せる。

「これは、間違ってない。きっと・・・」



「みくっ!?」



「っ!!ゆ、な・・・?」

「危ないから戻ってきて・・・っ」

「最後の1人、誰か知りたい?」

「え・・・」

「ゆな・・・あなたのことだよ」

「・・・・・・みくっ」

「大丈夫、あなたの命は取らないから」

 ゆながかけよってくる。それと同時に、

「このつまんない世界に、“さよなら”を告げよう?」

 そう言って、下へと落ちていった。

 楽になるために、みんなの幸せを願って。

────さよなら、みんな。

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