3 / 7
第3話 貴公子ルーファス、その隠された欲望!
しおりを挟む
夕暮れ時、ルフォン宰相の私邸。
宰相の次男ルーファスは、その童顔に、心の底から迷惑そうな表情を浮かべ、深くため息をついた。アレクサンドラ・ローゼンシュタイン公爵令嬢が、何年かぶりに突然訪ねてきたからだ。
「アレクサンドラさん、いきなり来られても困ります。兄も姉も、両親も留守にしてますので」
「まあ。冷たいのね、ルーファス。昔は、私のドレスの裾をつかんで、スリスリ頬ずりしながら『アレクお姉ちゃーん』だなんて、かわいく呼んでくれたじゃない?」
アレクサンドラは大声でまくしたてながら、無理やり上がり込む。まさか公爵令嬢を門前払いするわけにもいかず、ルーファスは渋々、自室に招き入れた。
「それで、ご用件は何でしょうか? 僕も、論文の執筆で忙しいのですが」
お茶を運んできたメイドが部屋から退出したのを見届けると、ルーファスは素っ気ない口調で、不機嫌に言い放った。アレクサンドラは、大げさに悲しげな表情を作ってみせる。
「あら、ずいぶんと、ひどい態度ね? エドマンドから聞いたわよ。十八歳になったんでしょ。誕生日パーティーにも呼んでくれないから、わざわざプレゼントを持ってきたの。ああ、でも仕方ないわよね。あなたは今、別の『お姉様』に、恋してるんだものね」
ルーファスの顔色が、一瞬で青ざめた。
「……何のことですか?」
「とぼけないでちょうだい。義理とはいえ、姉のリサに欲情してるだなんて、本当に、最っ低のクズね」
「なっ……!」
アレクサンドラの暴言を浴びて、ルーファスはとっさに言い返すこともままならず、悔しそうに唇を噛む。
「やっぱり、そうなのね。帝国魔術学校始まって以来の、天才児? 未来の、宰相閣下? 呆れたものだわ。その正体が、発情期の猿だったなんてね!」
「い、いい加減にして下さい。事実無根の中傷です!」
「あら、違うって言うの? あなたがリサにずーっと夢中なことは、把握済みなのよ。あの子の前では、従順な弟の仮面をかぶりながら、いやらしい目で見て。尊い大聖女様を、心の中で毎日汚してるんでしょう? 恥を知りなさい」
ルーファスは頬を真っ赤に染めながら、動揺を見せた。
「ぼ、僕は……僕は、リサお姉様のことを決して、そんな風には……」
「嘘おっしゃい! だったら、なぜ顔が真っ赤なの? そんなあなたに、もっと残念なお知らせをしてあげる。セドリック皇太子もあなたと同じように、リサを愛してるのよ」
「えっ……?」
「ショックでしょう? 可憐で清純なリサお姉様は、いずれセドリックに奪われるわ。あなたがどれだけ恋い焦がれても、リサはもうすぐこの家を出ていって、宮廷へ入ることになる。あなたが彼女とひとつになれる日なんて、もう永遠に来ないのよ」
「そんな……リサお姉様が殿下と……嫌だ……嫌だ……!」
ルーファスの瞳に、大粒の涙が溢れた。彼の華奢な体が、おびえたウサギのように震える。
「まあ、メソメソ泣いたりして、みっともないわね。まるで、女の子みたい。でも安心して、ルーファス」
アレクサンドラは泣きじゃくるルーファスのそばへ近寄り、優しく語りかけた。
「あなたほどの人材が、もしも女の子だったら、リサみたいな大聖女になれたはずよね。私はあなたのこと、ちゃんと分かってるの」
「え……?」
彼はその言葉に、ハッと顔を上げた。混乱した表情で、アレクサンドラを見つめる。
「誰からも愛される、優しくって、かわいらしい、大聖女・リサお姉様に憧れてるのよね。あなたの悪事は、全部知ってるのよ。リサの服や下着を、隠し持ってるらしいじゃない」
アレクサンドラは、ルーファスの兄エドマンドから事前に引き出しておいた秘密を、サラリと口にする。
「どうしてそれを……」
「何に使ってるか、当てましょうか? そうねえ。あなたとリサって、ちょうど同じくらいの背格好よね。まさかあなた、鏡の前でリサに変装して、うっとりしてるんじゃないの?」
「な、なんでそんなことまで知ってるんですか!」
弱々しく拳を振り上げながら、ルーファスは涙目で抗議した。五分五分と予想してカマをかけた推理が当たったと確認できたアレクサンドラは、満足そうに笑みを浮かべる。
「やっぱり、そうなのね。大丈夫。あなたの秘密を受け入れてあげられるのは、この私だけよ。だって、私だけが、あなたの本当の願いを理解してるんだから」
アレクサンドラは力をこめてルーファスの手首をつかみ、その固めた拳をゆっくりと下に降ろさせた。そして腰を落とすと、目線の高さをルーファスに合わせながら言った。
「ほら、プレゼントよ。開けてみて」
アレクサンドラは持参してきたプレゼント箱を、顎で指し示した。ルーファスは言われるがままに箱を手に取り、リボンを解いて開ける。その中身は、リサが転移してきた時に着ていた、異世界の「学校の制服」にそっくりな衣装だった。
「こ、これって……」
「特別に仕立てさせたのよ。リサお姉様に、なりたいんでしょ? これを着て、私の前でリサになってみせなさい」
「でも、僕、別に女の子になりたかったわけじゃ……」
「あら、そうだったの? でも、その割には、興奮してるじゃない。私には、全て見えてるのよ? リサに、なりたいんでしょう。だったら、自分で着なさい」
「分かりました……」
彼女のしなやかな指先が、ルーファスにそっと触れた。彼の理性はあっという間に崩れ去り、アレクサンドラの悪魔的な手つきになすがままとなっていく。
数十分後、鏡の前に立つルーファスは、アレクサンドラに髪を丁寧にブラッシングされ、しっかりとメイクを施されていた。彼は、夢にまで見た「学校の制服」を着て、リサそっくりな姿へと変身を遂げていた。
「ふふ、見違えたわ。まるで本物の、大聖女様降臨ね。おめでとう、ルーファス」
「僕は……僕は……」
「美しいわ。あなた、これまでのどんな姿よりも、今が一番輝いてる」
アレクサンドラはルーファスの細い腰に手を回し、背後から彼の全身を持ち上げると、お姫様抱っこの体勢を取った。
「あなたは、リサには一生、指一本触れられない。でも、リサになって、この『お姉様』に、愛してもらうことはできるのよ?」
制服を着たままのルーファスをベッドに運び、そっと寝かせると、アレクサンドラは彼を見下ろしながら語りかける。
「ほら、選びなさい。アレクサンドラお姉様の、お人形さんになりますって、言えるかしら? 嫌ならいいけど。言えたら、して欲しいこと、全部してあげる」
「ぼ、僕は、アレクサンドラお姉様の……」
グイッ!
アレクサンドラは、馬にまたがって手綱を握るような体勢で、ルーファスの胸元を飾る制服のリボンを引っ張りながら警告した。
「おバカね、違うでしょ。『僕』じゃないでしょ? 『あたし』って言いなさいよ。かわいい妹になるって、誓いなさい!」
「あたし……アレクサンドラお姉様のお人形さんになります。か、か、かわ……」
グイッ! グイイッ!
「あ、あたし、アレクサンドラお姉様の、かわいい妹になります。一生、なりますぅっ!」
「はい、よく言えました。これであなたは、私のかわいい妹よ。ちゃんと、アレクサンドラお姉様の言うこと聞いてね? 二度と、リサなんかによそ見しないこと」
彼女は強い口調で、ルーファスの意識を上書きしていきながら、彼に顔を近づけていく。
「さあ、もっと愛らしい声で鳴いてごらんなさい、私のルーファスちゃん。あなたの中のリサを、私が徹底的に引き出してあげる」
ルーファスは制服スカートの裾を両手でギュッと握りしめながら、甘くとろけていく。
宰相邸の閑散とした夕闇の中へ、アレクサンドラの高圧的な笑い声と、ルーファスの歓喜の吐息が、吸い込まれるように消えていった。
宰相の次男ルーファスは、その童顔に、心の底から迷惑そうな表情を浮かべ、深くため息をついた。アレクサンドラ・ローゼンシュタイン公爵令嬢が、何年かぶりに突然訪ねてきたからだ。
「アレクサンドラさん、いきなり来られても困ります。兄も姉も、両親も留守にしてますので」
「まあ。冷たいのね、ルーファス。昔は、私のドレスの裾をつかんで、スリスリ頬ずりしながら『アレクお姉ちゃーん』だなんて、かわいく呼んでくれたじゃない?」
アレクサンドラは大声でまくしたてながら、無理やり上がり込む。まさか公爵令嬢を門前払いするわけにもいかず、ルーファスは渋々、自室に招き入れた。
「それで、ご用件は何でしょうか? 僕も、論文の執筆で忙しいのですが」
お茶を運んできたメイドが部屋から退出したのを見届けると、ルーファスは素っ気ない口調で、不機嫌に言い放った。アレクサンドラは、大げさに悲しげな表情を作ってみせる。
「あら、ずいぶんと、ひどい態度ね? エドマンドから聞いたわよ。十八歳になったんでしょ。誕生日パーティーにも呼んでくれないから、わざわざプレゼントを持ってきたの。ああ、でも仕方ないわよね。あなたは今、別の『お姉様』に、恋してるんだものね」
ルーファスの顔色が、一瞬で青ざめた。
「……何のことですか?」
「とぼけないでちょうだい。義理とはいえ、姉のリサに欲情してるだなんて、本当に、最っ低のクズね」
「なっ……!」
アレクサンドラの暴言を浴びて、ルーファスはとっさに言い返すこともままならず、悔しそうに唇を噛む。
「やっぱり、そうなのね。帝国魔術学校始まって以来の、天才児? 未来の、宰相閣下? 呆れたものだわ。その正体が、発情期の猿だったなんてね!」
「い、いい加減にして下さい。事実無根の中傷です!」
「あら、違うって言うの? あなたがリサにずーっと夢中なことは、把握済みなのよ。あの子の前では、従順な弟の仮面をかぶりながら、いやらしい目で見て。尊い大聖女様を、心の中で毎日汚してるんでしょう? 恥を知りなさい」
ルーファスは頬を真っ赤に染めながら、動揺を見せた。
「ぼ、僕は……僕は、リサお姉様のことを決して、そんな風には……」
「嘘おっしゃい! だったら、なぜ顔が真っ赤なの? そんなあなたに、もっと残念なお知らせをしてあげる。セドリック皇太子もあなたと同じように、リサを愛してるのよ」
「えっ……?」
「ショックでしょう? 可憐で清純なリサお姉様は、いずれセドリックに奪われるわ。あなたがどれだけ恋い焦がれても、リサはもうすぐこの家を出ていって、宮廷へ入ることになる。あなたが彼女とひとつになれる日なんて、もう永遠に来ないのよ」
「そんな……リサお姉様が殿下と……嫌だ……嫌だ……!」
ルーファスの瞳に、大粒の涙が溢れた。彼の華奢な体が、おびえたウサギのように震える。
「まあ、メソメソ泣いたりして、みっともないわね。まるで、女の子みたい。でも安心して、ルーファス」
アレクサンドラは泣きじゃくるルーファスのそばへ近寄り、優しく語りかけた。
「あなたほどの人材が、もしも女の子だったら、リサみたいな大聖女になれたはずよね。私はあなたのこと、ちゃんと分かってるの」
「え……?」
彼はその言葉に、ハッと顔を上げた。混乱した表情で、アレクサンドラを見つめる。
「誰からも愛される、優しくって、かわいらしい、大聖女・リサお姉様に憧れてるのよね。あなたの悪事は、全部知ってるのよ。リサの服や下着を、隠し持ってるらしいじゃない」
アレクサンドラは、ルーファスの兄エドマンドから事前に引き出しておいた秘密を、サラリと口にする。
「どうしてそれを……」
「何に使ってるか、当てましょうか? そうねえ。あなたとリサって、ちょうど同じくらいの背格好よね。まさかあなた、鏡の前でリサに変装して、うっとりしてるんじゃないの?」
「な、なんでそんなことまで知ってるんですか!」
弱々しく拳を振り上げながら、ルーファスは涙目で抗議した。五分五分と予想してカマをかけた推理が当たったと確認できたアレクサンドラは、満足そうに笑みを浮かべる。
「やっぱり、そうなのね。大丈夫。あなたの秘密を受け入れてあげられるのは、この私だけよ。だって、私だけが、あなたの本当の願いを理解してるんだから」
アレクサンドラは力をこめてルーファスの手首をつかみ、その固めた拳をゆっくりと下に降ろさせた。そして腰を落とすと、目線の高さをルーファスに合わせながら言った。
「ほら、プレゼントよ。開けてみて」
アレクサンドラは持参してきたプレゼント箱を、顎で指し示した。ルーファスは言われるがままに箱を手に取り、リボンを解いて開ける。その中身は、リサが転移してきた時に着ていた、異世界の「学校の制服」にそっくりな衣装だった。
「こ、これって……」
「特別に仕立てさせたのよ。リサお姉様に、なりたいんでしょ? これを着て、私の前でリサになってみせなさい」
「でも、僕、別に女の子になりたかったわけじゃ……」
「あら、そうだったの? でも、その割には、興奮してるじゃない。私には、全て見えてるのよ? リサに、なりたいんでしょう。だったら、自分で着なさい」
「分かりました……」
彼女のしなやかな指先が、ルーファスにそっと触れた。彼の理性はあっという間に崩れ去り、アレクサンドラの悪魔的な手つきになすがままとなっていく。
数十分後、鏡の前に立つルーファスは、アレクサンドラに髪を丁寧にブラッシングされ、しっかりとメイクを施されていた。彼は、夢にまで見た「学校の制服」を着て、リサそっくりな姿へと変身を遂げていた。
「ふふ、見違えたわ。まるで本物の、大聖女様降臨ね。おめでとう、ルーファス」
「僕は……僕は……」
「美しいわ。あなた、これまでのどんな姿よりも、今が一番輝いてる」
アレクサンドラはルーファスの細い腰に手を回し、背後から彼の全身を持ち上げると、お姫様抱っこの体勢を取った。
「あなたは、リサには一生、指一本触れられない。でも、リサになって、この『お姉様』に、愛してもらうことはできるのよ?」
制服を着たままのルーファスをベッドに運び、そっと寝かせると、アレクサンドラは彼を見下ろしながら語りかける。
「ほら、選びなさい。アレクサンドラお姉様の、お人形さんになりますって、言えるかしら? 嫌ならいいけど。言えたら、して欲しいこと、全部してあげる」
「ぼ、僕は、アレクサンドラお姉様の……」
グイッ!
アレクサンドラは、馬にまたがって手綱を握るような体勢で、ルーファスの胸元を飾る制服のリボンを引っ張りながら警告した。
「おバカね、違うでしょ。『僕』じゃないでしょ? 『あたし』って言いなさいよ。かわいい妹になるって、誓いなさい!」
「あたし……アレクサンドラお姉様のお人形さんになります。か、か、かわ……」
グイッ! グイイッ!
「あ、あたし、アレクサンドラお姉様の、かわいい妹になります。一生、なりますぅっ!」
「はい、よく言えました。これであなたは、私のかわいい妹よ。ちゃんと、アレクサンドラお姉様の言うこと聞いてね? 二度と、リサなんかによそ見しないこと」
彼女は強い口調で、ルーファスの意識を上書きしていきながら、彼に顔を近づけていく。
「さあ、もっと愛らしい声で鳴いてごらんなさい、私のルーファスちゃん。あなたの中のリサを、私が徹底的に引き出してあげる」
ルーファスは制服スカートの裾を両手でギュッと握りしめながら、甘くとろけていく。
宰相邸の閑散とした夕闇の中へ、アレクサンドラの高圧的な笑い声と、ルーファスの歓喜の吐息が、吸い込まれるように消えていった。
10
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
婚約破棄は良いのですが、貴方が自慢げに見せているそれは国家機密ですわよ?
はぐれメタボ
ファンタジー
突然始まった婚約破棄。
その当事者である私は呆れて物も言えなかった。
それだけならまだしも、数日後に誰の耳目げ有るかも分からない場所で元婚約者が取り出したのは国家機密。
あーあ、それは不味いですよ殿下。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
婚約破棄?王子様の婚約者は私ではなく檻の中にいますよ?
荷居人(にいと)
恋愛
「貴様とは婚約破棄だ!」
そうかっこつけ王子に言われたのは私でした。しかし、そう言われるのは想定済み……というより、前世の記憶で知ってましたのですでに婚約者は代えてあります。
「殿下、お言葉ですが、貴方の婚約者は私の妹であって私ではありませんよ?」
「妹……?何を言うかと思えば貴様にいるのは兄ひとりだろう!」
「いいえ?実は父が養女にした妹がいるのです。今は檻の中ですから殿下が知らないのも無理はありません」
「は?」
さあ、初めての感動のご対面の日です。婚約破棄するなら勝手にどうぞ?妹は今日のために頑張ってきましたからね、気持ちが変わるかもしれませんし。
荷居人の婚約破棄シリーズ第八弾!今回もギャグ寄りです。個性な作品を目指して今回も完結向けて頑張ります!
第七弾まで完結済み(番外編は生涯連載中)!荷居人タグで検索!どれも繋がりのない短編集となります。
表紙に特に意味はありません。お疲れの方、猫で癒されてねというだけです。
悪役令嬢、休職致します
碧井 汐桜香
ファンタジー
そのキツい目つきと高飛車な言動から悪役令嬢として中傷されるサーシャ・ツンドール公爵令嬢。王太子殿下の婚約者候補として、他の婚約者候補の妨害をするように父に言われて、実行しているのも一因だろう。
しかし、ある日突然身体が動かなくなり、母のいる領地で療養することに。
作中、主人公が精神を病む描写があります。ご注意ください。
作品内に登場する医療行為や病気、治療などは創作です。作者は医療従事者ではありません。実際の症状や治療に関する判断は、必ず医師など専門家にご相談ください。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
婚約破棄? あ、ハイ。了解です【短編】
キョウキョウ
恋愛
突然、婚約破棄を突きつけられたマーガレットだったが平然と受け入れる。
それに納得いかなかったのは、王子のフィリップ。
もっと、取り乱したような姿を見れると思っていたのに。
そして彼は逆ギレする。なぜ、そんなに落ち着いていられるのか、と。
普通の可愛らしい女ならば、泣いて許しを請うはずじゃないのかと。
マーガレットが平然と受け入れたのは、他に興味があったから。婚約していたのは、親が決めたから。
彼女の興味は、婚約相手よりも魔法技術に向いていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる