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第一部16・そういう生き方しかできない奴はそういう死に方をする。【全10節】

10五秒も生きてらんねえよ。

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 そのまま厳しく連撃を放つが、ギリギリで捌いてきやがる。

 でも、舐めんな。

 咄嗟のことだからと初撃を受ける選択したのが失敗だ、俺の連撃から簡単に抜けられると思うなよ。

 当初は戸惑っていたようだがジャンポールも、俺の連撃が煩わしいようでなんとか援護の隙を作ろうと動くが、主導権は完全にこちら側にある。
 援護が通らないように、ジャンポールや他の兵士で斜線を切る位置に誘導しながら斬り続ける。

 このままこいつは抑えて削り切って畳む。

 その隙に、メリッサが『無効化』を落とせば――――。

「おぼぉぉあばぁぁばぁぁあおぉおおろおぉぉえ……⁉」

 

 あ、やべ、毒が効きすぎた。
 いや別に吐血だとか頭痛だとか身体が重いだとかはどうでもいい。

 流れを止めちまった。

 これはまずい、この居着きは、この隙は。

 もちろんこれを見逃すほど、このジャンポールは甘かねえ。

 見蕩れるほど見事な刃筋を通して、剣を振り抜く。

 奇跡的、いや奇跡だった。
 俺の身体はその綺麗すぎる首を狙った刃筋を、思考を一切介さない肉体の反射だけで、皮一枚の所で躱した。

 首の皮一枚残すんじゃなくて首の皮一枚斬らすだけで首は守れたが。

 

 斬り飛ばされ、血しぶきと共に舞う俺の両腕がやたらゆっくりに見える。死に際特有のあれだ、頭回らねえし名前わかんねえけど、あれだ。

 それと比例しない速度で、ジャンポールの突きが迫る。

 疑似加速を使っている。

 だが、この死に際特有のあれで、見えているぞ。

「ぅぅぐあら、ぎゃぁんんんんッッッ‼」

 俺は渾身の踏み込みで、突きで耳を斬り飛ばしながら剣に沿うように。

 ジャンポールの喉元に、

 身体が重かったが腕を斬り飛ばされて軽くなった。
 歯が砕けてギザギザになってたから良く肉に食い込む。

「――ッ! ぐ……っ、……! ‼」

 ジャンポールは慌てて俺に膝蹴りを入れたり、腹を突き刺して来るが、俺は離さない。

 このまま頸動脈を食いちぎる。

「ぐぶぶぶばべびびばぶぉぉぼぉぶぶば」

 首に噛み付きながら気合いの雄叫びをあげると、歯の隙間から吐血が噴き出す。

 もう、目も霞んでほとんど見えねえ、音も歪んでる。
 痛くも痒くもねえ。

 多分、俺は死ぬ。
 でも楽しくて、止められねえ!

「……あ、が……っ、が…………っ!」

 俺を剥がす為の抵抗に力が強さが無くなり、こんな馬鹿な攻撃方法で死にかけていることにようやく気づいたジャンポールは『転移結晶』を使って。

 俺諸共、拠点へと跳んだ。

 半ば混乱状態だったのだろう、死にかけどころかくたばり損ないの俺をあの場に残すことを、嫌がった。

 ばーか。
 もう五秒も生きてらんねえよ。

 俺は最後の最期で最高の喧嘩が出来たことを、首の肉と一緒に噛み締めながキラキラと視界が黒くなるのを感じながら命を落と







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