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第二部6・責めるべきは疑うことではなく確証を持たないこと。【全6節】
05当たるとしたら二回戦。
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俺は第六試合。
チャコール・ポートマンが第五試合。
当たるとしたら二回戦、生放送のある準々決勝以降には行かせずには済むか。
それに奴の一回戦の相手は優勝候補の魔族ニックス・ガーラ……、俺が何もせずとも初戦敗退も考えられる。
というか厳正な抽選と言っていたわりに、特殊任務攻略隊の面々が潰し合わずに準々決勝以降に進出できるように調整されている。
軍もなんとか、ある程度の介入は出来たということか
「……お兄ちゃん、一撃必殺マジカルマッスルって…………なに?」
「いやマジで聞いてくれよ……あの二つ名的なやつって自己申告しないと勝手に決められるらしくて、ライラちゃんの鉄壁天使ってのも勝手に決められたらしいんだよ。んでライラちゃんは鉄壁天使ってのが気に入ってないらしくて、変なのにされるくらいなら無記名じゃなくてちゃんと決めた方が良いって話になったんだ」
俺は監視しつつチャコール・ポートマンと、その妹の話に聞き耳を立てる。
「僕にはそんなセンスないし正直なんでもいいってのが本音なんだけど、バリィさんが一撃必殺は入れるべきだろって話になって、したらリコーさんが筋肉要素も入れようってなって、ライラちゃんがチャコは魔法も使うってなった結果が」
「一撃必殺マジカルマッスル…………いや、これ以上なく変なのになってない……?」
チャコール・ポートマンの説明に、その妹は戦慄しながら返す。
確かに……つーか俺も、いや俺ら全員それしくじった……。
選手登録用紙に何も書かなきゃ適当に向こうで決めてくれることを知らずに、全員バカ正直に空欄を埋めてしまった……。
特になしとかの類いで提出した。
ミステリ・トゥエルブ、ナナゾ・マスカラス、ウソル・ライアーは軒並み特殊任務攻略隊の隊員である。
全然違う地域から別々に出場してるテイなのになんか仲間みたいに……いやそれ以前にマヌケすぎてちょっと恥ずかしいんだが。
「まあでもライラちゃんと当たるとしたら決勝戦だよ。これならお兄ちゃんでも頑張ればなんとかベスト4に入れるかも」
「いやぁ……なんか僕のブロック今のチャンピオンとライラちゃん以外の優勝候補の方が多くないかい? さんざっぱらライラちゃんと当たるであろうフラグを立てておいたから逆に当たらないってパターン来たと思ったけど……、これはこれで大変だよ」
ポートマン兄妹はトーナメント表を眺めながら、そんなことを洩らす。
ベスト4……? 準決勝まで上がる気なのか?
目的が高すぎる……、それに何か聞いてる感じなんか普通の若者というか……。
俺の勘違いだったか? まあ異質には変わりないが異質なだけのただの兄妹といえば、それが一番しっくりくる。
「それでは現在二連覇中のチャンピオン、シロウ・クロス選手にインタビューを行いたいと思います! シロウ選手、こちらへどうぞ!」
司会進行が壇上にシロウ君を呼ぶと、気だるそうにシロウ君は壇上に上がる。
シロウ・クロス。
俺も所属する第三騎兵団の団長、帝国最強の軍人ジャンポール・アランドル=バスグラムの弟子だ。
去年まで第一帝国魔法学園の学生で今は士官学校で軍に入るべく訓練や勉強に励んでいるが、シロウ君は既に完成している。
第三騎兵団名物【暴れ過ぎる捕虜】と呼ばれる、旧公国への侵攻から二十年間暴れすぎて軍の管理下から抜けられないブライ・スワロウという男とも最近はほとんど互角に戦えるようになった。
ちなみに第三騎兵団でブライ・スワロウとまともにやり合えるのは、ジャンポール団長くらいなものだ。俺は五十対一でも病院送りにされたことがある。単純に怪物だ。
さらに母親は魔動結社デイドリームにて最新鋭装備を開発して軍備強化を行ってくれている、あのセツナ・クロス氏。そもそもこの競技でも使われる『纒着結界装置』もシロウ君の母上が開発したものだ。
チャコール・ポートマンが第五試合。
当たるとしたら二回戦、生放送のある準々決勝以降には行かせずには済むか。
それに奴の一回戦の相手は優勝候補の魔族ニックス・ガーラ……、俺が何もせずとも初戦敗退も考えられる。
というか厳正な抽選と言っていたわりに、特殊任務攻略隊の面々が潰し合わずに準々決勝以降に進出できるように調整されている。
軍もなんとか、ある程度の介入は出来たということか
「……お兄ちゃん、一撃必殺マジカルマッスルって…………なに?」
「いやマジで聞いてくれよ……あの二つ名的なやつって自己申告しないと勝手に決められるらしくて、ライラちゃんの鉄壁天使ってのも勝手に決められたらしいんだよ。んでライラちゃんは鉄壁天使ってのが気に入ってないらしくて、変なのにされるくらいなら無記名じゃなくてちゃんと決めた方が良いって話になったんだ」
俺は監視しつつチャコール・ポートマンと、その妹の話に聞き耳を立てる。
「僕にはそんなセンスないし正直なんでもいいってのが本音なんだけど、バリィさんが一撃必殺は入れるべきだろって話になって、したらリコーさんが筋肉要素も入れようってなって、ライラちゃんがチャコは魔法も使うってなった結果が」
「一撃必殺マジカルマッスル…………いや、これ以上なく変なのになってない……?」
チャコール・ポートマンの説明に、その妹は戦慄しながら返す。
確かに……つーか俺も、いや俺ら全員それしくじった……。
選手登録用紙に何も書かなきゃ適当に向こうで決めてくれることを知らずに、全員バカ正直に空欄を埋めてしまった……。
特になしとかの類いで提出した。
ミステリ・トゥエルブ、ナナゾ・マスカラス、ウソル・ライアーは軒並み特殊任務攻略隊の隊員である。
全然違う地域から別々に出場してるテイなのになんか仲間みたいに……いやそれ以前にマヌケすぎてちょっと恥ずかしいんだが。
「まあでもライラちゃんと当たるとしたら決勝戦だよ。これならお兄ちゃんでも頑張ればなんとかベスト4に入れるかも」
「いやぁ……なんか僕のブロック今のチャンピオンとライラちゃん以外の優勝候補の方が多くないかい? さんざっぱらライラちゃんと当たるであろうフラグを立てておいたから逆に当たらないってパターン来たと思ったけど……、これはこれで大変だよ」
ポートマン兄妹はトーナメント表を眺めながら、そんなことを洩らす。
ベスト4……? 準決勝まで上がる気なのか?
目的が高すぎる……、それに何か聞いてる感じなんか普通の若者というか……。
俺の勘違いだったか? まあ異質には変わりないが異質なだけのただの兄妹といえば、それが一番しっくりくる。
「それでは現在二連覇中のチャンピオン、シロウ・クロス選手にインタビューを行いたいと思います! シロウ選手、こちらへどうぞ!」
司会進行が壇上にシロウ君を呼ぶと、気だるそうにシロウ君は壇上に上がる。
シロウ・クロス。
俺も所属する第三騎兵団の団長、帝国最強の軍人ジャンポール・アランドル=バスグラムの弟子だ。
去年まで第一帝国魔法学園の学生で今は士官学校で軍に入るべく訓練や勉強に励んでいるが、シロウ君は既に完成している。
第三騎兵団名物【暴れ過ぎる捕虜】と呼ばれる、旧公国への侵攻から二十年間暴れすぎて軍の管理下から抜けられないブライ・スワロウという男とも最近はほとんど互角に戦えるようになった。
ちなみに第三騎兵団でブライ・スワロウとまともにやり合えるのは、ジャンポール団長くらいなものだ。俺は五十対一でも病院送りにされたことがある。単純に怪物だ。
さらに母親は魔動結社デイドリームにて最新鋭装備を開発して軍備強化を行ってくれている、あのセツナ・クロス氏。そもそもこの競技でも使われる『纒着結界装置』もシロウ君の母上が開発したものだ。
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