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13・貴族の学園でついに平民の私が標的にされたので、全力で相手してみました。【全4話】
04お茶会。
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「……さて、じゃあ次はてめーらの番って感じだな」
と、覆面の怪人は貴族たちの方に向かう。
貴族たちの中には腰が抜けて絶句するだけのものや。
既に泣き出すものや。
私たちに手を出したらどうなるのかわかってるのか! などまだ自分が助かると思っているもの。
金の話で可決しようとするものもいた。
その姿を見て私は、やっぱり貴族ってよえーんじゃん。と、思った。
すると、一人。
最初に私がソバットで畳んだ男の貴族が立ち上がり、ポケットからナイフを抜いた。
「――ッ、危ない‼」
私は咄嗟に覆面の男に対して叫ぶと。
覆面の男は刺されるすんでのところで、ナイフを握る貴族の手を膝で潰して腕をつかみ、肘の裏から踏みつけてへし折り。
大口開けてのたうち回る貴族の顔を何度も思い切り蹴り飛ばして、制圧した。
「あっぶねぇだろ馬鹿が、……ったく、サンキューな、お嬢さん」
と、貴族に悪態を着いた後に私に向けて礼を言った。
その言葉に私の心が波打つ。
おへその辺りがじわりと熱を持つ。
なんだこれ? なんの感情だ?
と、混乱する私をよそに貴族たちが騒ぎ出す。
「き、貴族に対して暴力を働くなど! 貴方は打首よ! それに彼はゴールドマン公爵家に太いコネをもっているのよ‼ あなたが守るクーロフォード家なんて一瞬で――」
「じゃああんたらが証人になってくれよ、コイツが勝手に階段から落ちたってさ」
貴族たちに歩み寄りながら、覆面の怪人は続ける。
「そしたらお礼に、おまらの飼っている犬の頭を潰して殺さないし、その犬の死体をおまえらの兄弟に食わせないし、その兄弟の頭をおまえらの親の頭にどっちも割れるまでぶつけたりはしないし、その全部をおまえらに味合わせたりはしないことにする」
さらに貴族の顔に近づき。
「で? どうすんの? なあ?」
と、聞くと。
「…………、か、か彼は、階段から、お、落ちました……」
貴族は震えて、泣きじゃくりながら、そう答えた。
「その通り、賢いじゃないの」
そう言って、暴力マスクの怪人は去っていった。
その圧倒的な強さと、容赦のなさに私は。
「…………かっこいー……」
と、完全に恋に落ちていた。
さて、私のこの学園におけるデビュー戦が、乱入という形で水入りになってしまったところで私の恋の始まりと、新たな目標を見つけた話はおおよそおしまいである。
その後のことを強いて語るならば、あの怪人が釘を刺したことによって私の喧嘩も全くもって咎められることはなかった。
そして、怪我が回復したところで私は暴力マスクの怪人を探し出すべく噂のグロリア・クーロフォード嬢へ会いに上級生のクラスへと乗り込んだ。
「グロリア・クーロフォード! 私と勝負しなさい! 代理として暴力マスクの怪人を出してもいいわよ!」
と啖呵を切ると、グロリア嬢は。
「ええ⁉ いやですわよ! それに怪人なんて知りません! 怖い話は嫌いなのですわよ!」
と、はぐらかされた上に、グロリア嬢の婚約者であるリングストン公爵家嫡男のマーク・リングストンに。
「ダメだよ、仲良くしてあげてね、喧嘩はダメだよ。これ、公爵家命令」
と、止められてしまい。
グロリア嬢の執事の入れたお茶を勧められてお菓子までご馳走になり、今ではすっかりお茶会メンバーだ。
でも、私は諦めない。
私は必ずまたあの、暴力マスクの怪人に会って。
戦いたい。
あの怪人に私のルチャの全てをぶつけるまで、私は絶対に諦めない。
怪人に褒められるまでは、絶対に。
「必ず見つけてやるからな!」
そう言ってまた、グロリア嬢の執事が出すお茶を飲む。
このお茶がまた美味い。
と、覆面の怪人は貴族たちの方に向かう。
貴族たちの中には腰が抜けて絶句するだけのものや。
既に泣き出すものや。
私たちに手を出したらどうなるのかわかってるのか! などまだ自分が助かると思っているもの。
金の話で可決しようとするものもいた。
その姿を見て私は、やっぱり貴族ってよえーんじゃん。と、思った。
すると、一人。
最初に私がソバットで畳んだ男の貴族が立ち上がり、ポケットからナイフを抜いた。
「――ッ、危ない‼」
私は咄嗟に覆面の男に対して叫ぶと。
覆面の男は刺されるすんでのところで、ナイフを握る貴族の手を膝で潰して腕をつかみ、肘の裏から踏みつけてへし折り。
大口開けてのたうち回る貴族の顔を何度も思い切り蹴り飛ばして、制圧した。
「あっぶねぇだろ馬鹿が、……ったく、サンキューな、お嬢さん」
と、貴族に悪態を着いた後に私に向けて礼を言った。
その言葉に私の心が波打つ。
おへその辺りがじわりと熱を持つ。
なんだこれ? なんの感情だ?
と、混乱する私をよそに貴族たちが騒ぎ出す。
「き、貴族に対して暴力を働くなど! 貴方は打首よ! それに彼はゴールドマン公爵家に太いコネをもっているのよ‼ あなたが守るクーロフォード家なんて一瞬で――」
「じゃああんたらが証人になってくれよ、コイツが勝手に階段から落ちたってさ」
貴族たちに歩み寄りながら、覆面の怪人は続ける。
「そしたらお礼に、おまらの飼っている犬の頭を潰して殺さないし、その犬の死体をおまえらの兄弟に食わせないし、その兄弟の頭をおまえらの親の頭にどっちも割れるまでぶつけたりはしないし、その全部をおまえらに味合わせたりはしないことにする」
さらに貴族の顔に近づき。
「で? どうすんの? なあ?」
と、聞くと。
「…………、か、か彼は、階段から、お、落ちました……」
貴族は震えて、泣きじゃくりながら、そう答えた。
「その通り、賢いじゃないの」
そう言って、暴力マスクの怪人は去っていった。
その圧倒的な強さと、容赦のなさに私は。
「…………かっこいー……」
と、完全に恋に落ちていた。
さて、私のこの学園におけるデビュー戦が、乱入という形で水入りになってしまったところで私の恋の始まりと、新たな目標を見つけた話はおおよそおしまいである。
その後のことを強いて語るならば、あの怪人が釘を刺したことによって私の喧嘩も全くもって咎められることはなかった。
そして、怪我が回復したところで私は暴力マスクの怪人を探し出すべく噂のグロリア・クーロフォード嬢へ会いに上級生のクラスへと乗り込んだ。
「グロリア・クーロフォード! 私と勝負しなさい! 代理として暴力マスクの怪人を出してもいいわよ!」
と啖呵を切ると、グロリア嬢は。
「ええ⁉ いやですわよ! それに怪人なんて知りません! 怖い話は嫌いなのですわよ!」
と、はぐらかされた上に、グロリア嬢の婚約者であるリングストン公爵家嫡男のマーク・リングストンに。
「ダメだよ、仲良くしてあげてね、喧嘩はダメだよ。これ、公爵家命令」
と、止められてしまい。
グロリア嬢の執事の入れたお茶を勧められてお菓子までご馳走になり、今ではすっかりお茶会メンバーだ。
でも、私は諦めない。
私は必ずまたあの、暴力マスクの怪人に会って。
戦いたい。
あの怪人に私のルチャの全てをぶつけるまで、私は絶対に諦めない。
怪人に褒められるまでは、絶対に。
「必ず見つけてやるからな!」
そう言ってまた、グロリア嬢の執事が出すお茶を飲む。
このお茶がまた美味い。
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