93 / 132
25・婚約者が平民と結託して婚約破棄と学園追放の為に冤罪裁判仕掛けてきたので、発砲しちゃいました。【全3話】
01それ故の意地でした。
しおりを挟む
私、クリスティーナ・フィリップスはフィリップス伯爵家のいわゆる伯爵令嬢でございます。
貴族集う学園に通う、一般的な貴族令嬢です。
私には例に漏れず、婚約者がいます。
ラブーフ侯爵家嫡男である、デビット・ラブーフです。
私はどうにも彼の好みにそぐわないようで、あまり好意的には思われていないようでした。
それでも私は彼を愛するように務めて参りました。
例え無視をされても、例え罵倒されても、例え平民の娘にうつつを抜かされても。
私は耐えてきました。
愛情……といえば聞こえは良いでしょうが、これは単なる意地のようなものでした。
貴族の娘として生まれ、貴族としての誇りを持つ私はこれしきのことで家を耐えさせる訳には行かない。
なんて、これもまた単なる言い訳でしかない。
私はどこかでいつかデビットと理解し合えると信じていたのでしょう。
それ故の意地でした。
しかし、デビットは平民の娘と結託して私に学業不正や平民差別などの冤罪をでっち上げて、観衆を集めて糾弾を始めたのだった。
「クリスティーナ! 貴様の卑劣な行いの証拠は全て揃っているのだ! 婚約は破棄させてもらう!」
「……酷いです、クリスティーナ様はどうしてこんなことを……」
茶番。
もうここまで、こんな茶番で私を陥れようとするところまで、私と彼は終わりきっていたのか。
くだらなすぎる。
というか一時の劣情で本気でこの婚約を破棄するつもりなのでしょうか?
まだこのフィリップス家を利用するために婚姻はした上でその平民の娘を妾として囲っておく方が理解が出来ます。
それをしないというところが決定的な愚かさと、本気具合を感じた。
次々に私の不正の証拠や証言とやらを恥ずかしげもなく突きつけていく。
こんな茶番で婚約破棄とはデビット自体が己の愚かさを晒すだけだと思ったのですが、どうも観衆の反応が良すぎる。
観衆を含めて、準備に抜かりは無かったようでした。
想像以上の四面楚歌です。
「この冷徹女が! 許されんぞ、この悪行の数々! 追放だ!」
デビットはやんややんや騒ぎ立て、平民の娘は観衆を煽り、私に対する罵声が飛び交う。
不思議と怒りはなかった。
失望とか失意、すぐに呆れや諦め。
身体と頭と心からあらゆる熱が冷めて、私はこれ以上なく冷静になる。
ああ、めんどくさい。
一度全員に冷静になってもらいましょう。
私は勢いよくスカートを捲りあげ。
両の太ももに付けていたホルスターから二丁のピストル抜く。
そしてそのまま頭上に向けて発砲をした。
火薬の破裂音が響くと、観衆もデビットと平民の娘も黙り一瞬にして静寂が生まれる。
薬莢が床を跳ねる音だけが響く。
目を丸くして、口を開き、言葉を失うデビットに銃口を向けて私は言う。
「茶番です。もうやめなさいデビット」
誰よりも冷静な今の私の引き金は、何よりも軽い。
次にどんな言葉が来ても私は撃ってしまうかもしれません。
「ほ、本性を現したな! 脅しになどには屈し――」
言い終わる前に、私に向けたられた指を撃ち抜いてしまう。
弾けた指が宙を舞い、床に音もなく落ちる。
「わあああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁああ――――――――ッ⁉」
デビットは絶叫して手を抱き抱えるように転げるようにのたうち回る。
ああうるさい、頭を撃ち抜けば良かった。
次に私はまだじんわりと硝煙が滲む銃口を、平民の娘に向けながら少し近づく。
「な……な、なんで、け拳銃なんか……」
怯えきって腰を抜かしへたり込む、平民の娘から、至極当然の疑問がくる。
私の家、フィリップス家は鉱山を所有するクーロフォード伯爵家との交流があり、共同で金属加工の技術を研究して様々な製品の開発や量産を行っている。
このピストルはその試作品だ。
まだこの国ではかなり珍しいものなのだが、なかなかこの平民の娘は博識なようだ。
まあ、答えてやる義理も褒めてやる気もない。
「ぁぁ…………ッ、ぐぅぉ……、誰かあっ‼ その女を捕らえろ‼」
なんて考えているとデビットがうるさいので今度は脚を撃つ。
少し叫んたが声が出ないほどに痛いようで黙った。
貴族集う学園に通う、一般的な貴族令嬢です。
私には例に漏れず、婚約者がいます。
ラブーフ侯爵家嫡男である、デビット・ラブーフです。
私はどうにも彼の好みにそぐわないようで、あまり好意的には思われていないようでした。
それでも私は彼を愛するように務めて参りました。
例え無視をされても、例え罵倒されても、例え平民の娘にうつつを抜かされても。
私は耐えてきました。
愛情……といえば聞こえは良いでしょうが、これは単なる意地のようなものでした。
貴族の娘として生まれ、貴族としての誇りを持つ私はこれしきのことで家を耐えさせる訳には行かない。
なんて、これもまた単なる言い訳でしかない。
私はどこかでいつかデビットと理解し合えると信じていたのでしょう。
それ故の意地でした。
しかし、デビットは平民の娘と結託して私に学業不正や平民差別などの冤罪をでっち上げて、観衆を集めて糾弾を始めたのだった。
「クリスティーナ! 貴様の卑劣な行いの証拠は全て揃っているのだ! 婚約は破棄させてもらう!」
「……酷いです、クリスティーナ様はどうしてこんなことを……」
茶番。
もうここまで、こんな茶番で私を陥れようとするところまで、私と彼は終わりきっていたのか。
くだらなすぎる。
というか一時の劣情で本気でこの婚約を破棄するつもりなのでしょうか?
まだこのフィリップス家を利用するために婚姻はした上でその平民の娘を妾として囲っておく方が理解が出来ます。
それをしないというところが決定的な愚かさと、本気具合を感じた。
次々に私の不正の証拠や証言とやらを恥ずかしげもなく突きつけていく。
こんな茶番で婚約破棄とはデビット自体が己の愚かさを晒すだけだと思ったのですが、どうも観衆の反応が良すぎる。
観衆を含めて、準備に抜かりは無かったようでした。
想像以上の四面楚歌です。
「この冷徹女が! 許されんぞ、この悪行の数々! 追放だ!」
デビットはやんややんや騒ぎ立て、平民の娘は観衆を煽り、私に対する罵声が飛び交う。
不思議と怒りはなかった。
失望とか失意、すぐに呆れや諦め。
身体と頭と心からあらゆる熱が冷めて、私はこれ以上なく冷静になる。
ああ、めんどくさい。
一度全員に冷静になってもらいましょう。
私は勢いよくスカートを捲りあげ。
両の太ももに付けていたホルスターから二丁のピストル抜く。
そしてそのまま頭上に向けて発砲をした。
火薬の破裂音が響くと、観衆もデビットと平民の娘も黙り一瞬にして静寂が生まれる。
薬莢が床を跳ねる音だけが響く。
目を丸くして、口を開き、言葉を失うデビットに銃口を向けて私は言う。
「茶番です。もうやめなさいデビット」
誰よりも冷静な今の私の引き金は、何よりも軽い。
次にどんな言葉が来ても私は撃ってしまうかもしれません。
「ほ、本性を現したな! 脅しになどには屈し――」
言い終わる前に、私に向けたられた指を撃ち抜いてしまう。
弾けた指が宙を舞い、床に音もなく落ちる。
「わあああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁああ――――――――ッ⁉」
デビットは絶叫して手を抱き抱えるように転げるようにのたうち回る。
ああうるさい、頭を撃ち抜けば良かった。
次に私はまだじんわりと硝煙が滲む銃口を、平民の娘に向けながら少し近づく。
「な……な、なんで、け拳銃なんか……」
怯えきって腰を抜かしへたり込む、平民の娘から、至極当然の疑問がくる。
私の家、フィリップス家は鉱山を所有するクーロフォード伯爵家との交流があり、共同で金属加工の技術を研究して様々な製品の開発や量産を行っている。
このピストルはその試作品だ。
まだこの国ではかなり珍しいものなのだが、なかなかこの平民の娘は博識なようだ。
まあ、答えてやる義理も褒めてやる気もない。
「ぁぁ…………ッ、ぐぅぉ……、誰かあっ‼ その女を捕らえろ‼」
なんて考えているとデビットがうるさいので今度は脚を撃つ。
少し叫んたが声が出ないほどに痛いようで黙った。
0
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
まず、後宮に入れませんっ! ~悪役令嬢として他の国に嫁がされましたが、何故か荷物から勇者の剣が出てきたので、魔王を倒しに行くことになりました
菱沼あゆ
ファンタジー
妹の婚約者を狙う悪女だと罵られ、国を追い出された王女フェリシア。
残忍で好色だと評判のトレラント王のもとに嫁ぐことになるが。
何故か、輿入れの荷物の中には、勇者の剣が入っていた。
後宮にも入れず、魔王を倒しに行くことになったフェリシアは――。
(小説家になろうでも掲載しています)
【完結】婚約破棄、その後の話を誰も知らない
あめとおと
恋愛
奇跡によって病を癒す存在――聖女。
王国は長年、その力にすべてを委ねてきた。
だがある日、
誰の目にも明らかな「失敗」が起きる。
奇跡は、止まった。
城は動揺し、事実を隠し、
責任を聖女ひとりに押しつけようとする。
民は疑い、祈りは静かに現実へと向かっていった。
一方、かつて「悪役」として追放された令嬢は、
奇跡が失われる“その日”に備え、
治癒に頼らない世界を着々と整えていた。
聖女は象徴となり、城は主導権を失う。
奇跡に縋った者たちは、
何も奪われず、ただ立場を失った。
選ばれなかった者が、世界を救っただけの話。
――これは、
聖女でも、英雄でもない
「悪役令嬢」が勝ち残る物語。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
喪女なのに狼さんたちに溺愛されています
和泉
恋愛
もふもふの狼がイケメンなんて反則です!
聖女召喚の儀で異世界に呼ばれたのはOL・大学生・高校生の3人。
ズボンを履いていた大学生のヒナは男だと勘違いされ、説明もないまま城を追い出された。
森で怪我をした子供の狼と出会ったヒナは狼族の国へ。私は喪女なのに狼族の王太子、No.1ホストのような武官、真面目な文官が近づいてくるのはなぜ?
ヒナとつがいになりたい狼達の恋愛の行方は?聖女の力で国同士の争いは無くすことができるのか。
王女様は聖女様?おてんば姫の大冒険~ペットのドラゴンが迷子なので冒険者になって探しに行きます!~
しましまにゃんこ
ファンタジー
アリシア王国の第3王女ティアラ姫には誰にも言えない秘密があった。
それは自分が全属性の魔力を持ち、最強のチート能力を持っていた「建国の賢者アリシア」の生まれ変わりであること!
8才の誕生日を境に前世の記憶を取り戻したものの、500年後に転生したことを知って慌てる。なぜなら死の直前、パートナーのドラゴンに必ず生まれ変わって会いにいくと約束したから。
どこにいてもきっとわかる!と豪語したものの、肝心のドラゴンの気配を感じることができない。全属性の魔力は受け継いだものの、かつての力に比べて圧倒的に弱くなっていたのだ!
「500年……長い。いや、でも、ドラゴンだし。きっと生きてる、よね?待ってて。約束通りきっと会いにいくから!」
かつての力を取り戻しつつ、チートな魔法で大活躍!愛する家族と優しい婚約者候補、可愛い獣人たちに囲まれた穏やかで平和な日々。
しかし、かつての母国が各国に向けて宣戦布告したことにより、少しずつ世界の平和が脅かされていく。
「今度こそ、私が世界を救って見せる!」
失われたドラゴンと世界の破滅を防ぐため、ティアラ姫の冒険の旅が今、始まる!
剣と魔法が織りなすファンタジーの世界で、アリシア王国第3王女として生まれ変わったかつての賢者が巻き起こす、愛と成長と冒険の物語です。
イケメン王子たちとの甘い恋の行方もお見逃しなく。
小説家になろう、カクヨムさま他サイトでも投稿しています。
追放後に拾った猫が実は竜王で、溺愛プロポーズが止まらない
タマ マコト
ファンタジー
追放された元聖女候補リラは、雨の森で血まみれの白銀の猫を拾い、辺境の村で慎ましく生き始める。
猫と過ごす穏やかな日々の中で、彼女の治癒魔法が“弱いはずなのに妙に強い”という違和感が生まれる。
満月の夜、その猫が蒼い瞳を持つ青年へと変化し、自らを竜王アゼルと名乗る。
彼はリラの魔力が“人間では測れない”ほど竜と相性が良いこと、追放は誤解と嫉妬の産物だったことを告げる。
アゼルの優しさと村の温かさに触れ、リラは初めて「ここにいていい」と思える場所を見つけていく。
【完結】辺境伯の溺愛が重すぎます~追放された薬師見習いは、領主様に囲われています~
深山きらら
恋愛
王都の薬師ギルドで見習いとして働いていたアディは、先輩の陰謀により濡れ衣を着せられ追放される。絶望の中、辺境の森で魔獣に襲われた彼女を救ったのは、「氷の辺境伯」と呼ばれるルーファスだった。彼女の才能を見抜いたルーファスは、アディを専属薬師として雇用する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる