お嬢様たちは、過激に世界を回していく。

ラディ

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25・婚約者が平民と結託して婚約破棄と学園追放の為に冤罪裁判仕掛けてきたので、発砲しちゃいました。【全3話】

02銃口。

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銃口じゅうこうを向けられた人間がいきがらないでください。銃が抜かれた時点で今この場でもっと発言権はつげんけんを持つのは私です。皆様もそれをご理解頂きますよう願います」

 私は片方のピストルを水平に観衆かんしゅうの視線をでるように動かして、伝えた。

 観衆かんしゅうは無言の中で首をたてに振り、肯定こうていしめした。

 そしてもう片方の拳銃を平民の娘のひたいに押し付けて言う。

「私は貴女方の間に不貞ふていがあることをとっくに知っておりました。それでも何も言わずに見逃していたと言うのに何故こんな茶番を仕向けたのですか? お答えください」

 言い終わると同時に銃口じゅうこうを更に強く押しつける。

「……う、ううた、た、うたっ……、うたない、で」

「ええ、答えてくださるなら撃ちません、お答えください二度目はないです」

 ぽろぽろと涙を流しながら声が震える平民の娘のひたい沿って銃口じゅうこうすべらし、こめかみにずらす。

「……し、指令で、フィリップス家を、追放すれば、くクーロフォード家の、せっ、勢力せいりょくを、いで、クーロフォード家の婚約、を破棄はきさせる、ためっ、に」

 ん? ? 私はてっきりここで、この平民の娘が抱くデビットへの想いを聞けると思ったのですが……、予想外の答えにやや私はおどろく。

「指令……ですか? 貴女はデビットを愛し合うのに邪魔じゃまな私を追放したかったとかではなく、クーロフォード家の婚約破棄はき目論もくろむ為に何者のかの命令で私をおとしいれようとしたのですか?」

「……! そ! そうです! わた、わたしは全部命令通りにしてただけでっ、命令、通りにデビット・ラブーフを誘惑ゆうわくして、そそのかしただけで、な、なんで、す……っ、すぐに学園も、辞めます、もう二度と、貴女の前には現れませんから、だから、う、撃たないで、だから撃たないで……っ」

 これはおどろきました。
 この平民の娘はデビットにこれっぽっちも情がないのにこの私をここまでおとしめようとは。

 私は右手のピストルをこめかみから銃口じゅうこうほほでるようにすべらせ顎下あごしたから銃口じゅうこうで突き上げるように押しつける。

「なるほど……、気になりますね、一体誰のがねなのでしょうか? お答えください」

 右手のピストルを更に強く突き上げて、彼女の目線を私に合わせる。

「……っ、いや……、い、い……言えませんっ、それだけは、す、すみません、勘弁かんべんしてくださ――」

 左手のピストルで彼女の右の手の甲を撃ち抜く。

「ぎッ! あああああああ‼ ぁぁ……っ、ぐぼっ」

 大きく開かれた口の中に、右手のピストルの銃身じゅうしんを突っ込む。

「はい落ち着いて、叫ばない。リラックスしてください。もう一度聞きますので、落ち着いてお答えください、誰のがねで貴女は私をおとしいれようとしているのですか?」

 口にピストルを頬張ほおばり涙でぐずぐずの彼女は目線で私の問いに答える意思をしめしたので、口からピストルを抜きエラのした辺りに銃口じゅうこうを押しつける。

「……ひっ、…………お…………お……、ひお」

「はい? 聞こえません、はっきりおっしゃってください」

 強く銃口じゅうこうを押しつける。

「ひっ、あ、お、お、あ!   メルバリア国王が王妃、ヴァネッサ・メルバリア様の命令で、私たちは動いています!」

 つい引き金を引いてしまうかと思ったほどの、思わぬ衝撃発言が飛び出した。

 突然この国の王妃というとてつもない大物の登場に観衆かんしゅうも、デビットも、私も、おどろきで声を失う。

 そこからせきを切ったように、彼女はこの国の闇を吐き続けた。

 この国の貴族間のバランスをたもつ為に、まだ貴族たちを組みしやすい学生のうちに、婚約を破棄はきさせたりして貴族のつながりをコントロールする為に王妃は、この学園に平民入学枠までもうけて、そこに自分の手の者を送り込み、策をろうして実行にうつしているだとか。

 この学園には自分の他にも複数の工作員が潜入せんにゅうしており。様々な婚約破棄はき騒ぎに関わっていること。

 今現在最重要である標的はクーロフォード伯爵家のグロリアと爵位をいだばかりのマーク・リングストンの婚約破棄はきであり、それがなかなか上手くいかないことから、クーロフォード家と親交の深い私、フィリップス家の学園追放を目論もくろんだとのこと。

 恐怖におびえて洗いざらいを語りきった。

「なるほど……、おおよそ理解出来ました。つまり私をおとしいれようとしたのは貴女の独断どくだんではなくだと」

「そ、そうなんです、だから、私は、関係なくて……、二度とあなた間の前に現れ、ませんから、助けてください、助けて」

 右手に空いた穴をおさえて痛みをこらえて、泣きじゃくりながら、命乞いのちごいをする。
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