堕天使の愛

朱璃 翼

文字の大きさ
31 / 69
前編

なにをしても…3

しおりを挟む

 唇と唇が重なり合う。優しく頬を触れる手が、そのままラピエールの手を握り締める。

「んっ…ふっ…んんっ…」

 弱った身体を癒すように流れ込む気と、絡み合う舌と舌。深く長いキスを永遠と思えるほどすれば、リュツィフェールは首筋に舌を這わす。

 胸の高鳴りだけが酷くなり、ラピエールは自分が期待しているのだと気付く。彼が自分を抱くことに、期待しているのだ。

「怖いか?」

 耳元で囁かれた言葉と、チラリと向けられる視線。先程まで男の顔をしていたはずなのに、今度は色っぽくみえることで、高鳴りは酷くなる一方。

「リュフェは、怖くない」

 悪魔は怖かったが、リュツィフェールは怖くないと真っ直ぐに見つめる。

 彼に触れられるだけ、身体は熱を持っていく。早くと訴えるような視線だけをむけていれば、柔らかい笑みを浮かべたあと、服を脱がされた。

 同じように服を脱いだリュツィフェールの身体を見て、すごいと思う。これが性別が定まっているか、定まっていないかの違いなのだろうかと思うほど、自分とは別物だと思えたのだ。

 自分がどれだけ男になりたいと思っていても、これほどの身体にはならない。それは、自分が未成年で中途半端だからだ。

 男と女の中途半端な自分とは違う。リュツィフェールは男なのだと実感した。そんな身体で、喜んでもらえるのだろうか、という不安が過る。

「あっ…んっ…」

 胸を触れてくる手に、身体が変化を起こしていく。自分でもハッキリとわかるほど、ラピエールの身体が変わりだしたのだ。

「ふっ…あぁっ…」

「どんどん胸が膨らみを持っていくな。俺のために、女になってくれるのか?」

 膨らみがなかったはずの胸。それが、リュツィフェールに触れられて膨らんでいく。揉めるほどに膨らめば、快感がラピエールを女へと変えていった。

 与えられる快感は、身体の底から女にしていく。わかっているからこそ、もっとと求める。

 彼のために女になりたい、と思う自分を止められない。主のためになら無理だが、リュツィフェールのためなら女になれる。

「あっ…あぁぁっ…ハァハァ…んっ、あっ…」

 胸にしゃぶりつかれ、ラピエールは胸でこれほど気持ちいいなら、このあとはどうなってしまうのかと息を呑む。

 怖いのではなく、その先すらも期待してしまっているのだ。

 女の部分に触れられると、身体がビクリと反応した。ハッとしたようにリュツィフェールの手が引く。

「リュフェっ」

 躊躇っているのだとわかるから、リュツィフェールの手を取り、自ら触るように触れさせる。

「ラピエール…」

「触れてっ…僕のすべて、リュフェにもらってほしいんだ」

 うるんだ目で見られれば、理性などくそくらえだとリュツィフェールの手が動く。

 溢れんばかりの蜜で潤ったそこを弄れば、弄っただけ喘ぐラピエール。快感に悶える姿は、彼から最後の理性を奪っていく。

「あぁぁっ…いいっ…気持ちいいよっ」

 ただ喘ぐ姿に、男としてのものが反り立っている。口に含み刺激をしながら女の部分に指を入れれば、ラピエールが激しく襲う快感にひたすら喘ぎ続けた。

「だめっ…おかしく、なるっ…リュフェっ…リュフェっ…なん…あっ…でちゃ…あぁぁぁっ!」

 身体をのけ反らせてイったラピエール。本来なら男として出るはずのものは出ず、身体が女になろうとしていることを示す。

 男としての機能を失い始めているのだ。

「ハァ…ハァ…」

 呼吸を整えるラピエールに、リュツィフェールが覆いかぶさり自分のをあてがう。

「ラピエール、怖かったら言えよ」

 襲われたばかりなのだから、むしろ怖がる方が当たり前だと思っている。ここまで受け入れただけでもリュツィフェールには十分すぎるほどだ。

 無理なら、これ以上は急ぐ必要もない。時間をかけてゆっくりと進めばいいことだと思っている。

「んっ…あっ…」

 ゆっくりと入ってくるものに、ラピエールがぎゅっとしがみつく。痛みに耐える姿に、リュツィフェールは和らげるよう気を送る。

 舌を絡めとり、ゆっくりと確実に奥へ進む。

「んんっ…ふあっ…僕の中に…リュフェのが…」

「あぁ…全部入ったよ」

 今ひとつになっているという事実に、なぜか魂が震える。それはどちらかではなく、どちらもが感じていた感覚だった。

 噛みしめるように互いを感じ、強く抱きしめ合う。現実だと感じ取るために。

「ラピエール…動くぞ」

「うんっ…きて」

 早くとラピエールが見上げるのと、快感が襲うのは同時だった。

 力強く打ち付けられるものに、ラピエールがもっととねだる。今までにない快感は、脳が痺れるほどのもので、幸せだと感じるものだった。

「あぁっ…あっ…リュフェ! リュフェ! 気持ちいよ!」

「ラピエールっ、そんな…締め付けるなっ」

 放さないというように締め付けてくるラピエールに、このままだと先にイってしまうとリュツィフェールが食いしばる。

 さすがに、先にというのは自分が許せない。なら、イかせるしかないと激しさを増す。

「あっあぁぁぁっ! リュフェのっ…奥に当たっ…」

「ラピエール!」

 身体の中に注がれる熱いものを感じながら、ラピエールは気を失った。さすがにやりすぎたと慌てるのはリュツィフェールだ。

 気絶までいくとは思っていなかったのだが、どこか幸せそうな表情に笑みが浮かぶ。

「ラピエール…もう、手放さない……」

 お前は自分のものだ、と小さく呟くと、その身体を抱きしめて横になる。

 長い間、心の底に空いていた穴が埋まる感覚、アルトゥスもこうだったのだろうか、と思いながら眠りについた。



.
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています

紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、 ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。 「もう君は、僕の管理下だよ」 退院と同時に退職手続きは完了。 住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。 外出制限、健康管理、過保護な独占欲。 甘くて危険な“保護生活”の中で、 私は少しずつ彼に心を奪われていく――。 元社畜OL×執着気味の溺愛社長 囲い込み同棲ラブストーリー。

遊び人の侯爵嫡男がお茶会で婚約者に言われた意外なひと言

夢見楽土
恋愛
侯爵嫡男のエドワードは、何かと悪ぶる遊び人。勢いで、今後も女遊びをする旨を婚約者に言ってしまいます。それに対する婚約者の反応は意外なもので…… 短く拙いお話ですが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。 このお話は小説家になろう様にも掲載しています。

世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない

二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。 ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。 当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。 だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。 ――君の××××、触らせてもらえないだろうか?

側妃契約は満了しました。

夢草 蝶
恋愛
 婚約者である王太子から、別の女性を正妃にするから、側妃となって自分達の仕事をしろ。  そのような申し出を受け入れてから、五年の時が経ちました。

【短編】淫紋を付けられたただのモブです~なぜか魔王に溺愛されて~

双真満月
恋愛
不憫なメイドと、彼女を溺愛する魔王の話(短編)。 なんちゃってファンタジー、タイトルに反してシリアスです。 ※小説家になろうでも掲載中。 ※一万文字ちょっとの短編、メイド視点と魔王視点両方あり。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

処理中です...