堕天使の愛

朱璃 翼

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前編

ストゥルティとルーメン2

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「アルトゥス、どう見える?」

 急になにを言うのかとルーメンが見るから、いいからどう見えるか、と問いかける。自分から見ても男らしいとわかるだけに、ルーメンからもそうだろう。

 わかっていて、問いかけているのだ。

「かっこいい…」

「だろうな。俺でも思う。けどさ、昔のアルは女の子みたいだったんだ」

「えっ」

 あのアルトゥスが、と問いかける姿に、あのアルトゥスが、と返す。驚く姿が面白くて、少し笑えてしまった。

 そこまで驚かなくてもいいと思うのだが、想像がつかなかったのだろう。

「アルはさ、中性的でどちらかというと女の子みたいで、でも話したらあんな感じ。すごい違和感があったよ。その顔がコンプレックスみたいになって、誰よりも男であろうとするんだけど」

 今もそうだろ、と言われれば、妙に納得ができてしまった。どことなく、完璧な男であろうとしているように見えていたのだ。

 原因が幼少期の顔となれば、なにも言えない。自分とは違う意味で同じだったのだろう。

「成人したら、あっというまに男になっちゃったけどね。昔は可愛かったなぁ。言うと怒られるけど」

 だから、絶対に言ったらダメと言われ、わかったと頷く。言ったら、怒られるのはストゥルティだとわかったのだろう。

 成人すれば、ルーメンだって女に変わっていくのだから、今気にすることじゃないと笑いながら言う。

「ルーメンは一人じゃないし、足りない部分はみんなで補えばいいんだ。少し力が足りなくても、俺達が補ってあげる。まぁ、俺はそれほど強くないけど」

 そんなことより、とストゥルティが視線を向ける。この微妙な距離はなんだろうか、と思うほど、なんともいえない距離が二人の間にはあった。

 隙間を見るから、ルーメンも自然と隙間を見る。

「恥ずかしがるようなこと、ないだろ」

「あっ」

 引き寄せられた身体に、顔を真っ赤にして慌てるのはルーメンの方だ。

 あれ、と思い直すストゥルティ。女になりたがっている未成年の天使となれば、感情もこちら側だろうかと思ってしまったのだ。

 だとしたら、やばいことをしたかもしれない。今更のように思ったのだが、ここで開き直るのがストゥルティである。

(うん、真っ赤なルーメンは可愛い)

 本気でいちゃいちゃするのも悪くないかもしれない。などと考えて、頬に手を添えた。

 先程もキスをしたが、嫌がっている素振りはない。なら問題はないだろう。どこか単純な思考で、ストゥルティは唇を重ねた。

 重なり合った唇。隙間から舌を入れれば、ルーメンの舌を絡めとる。拙いながらに応える姿に、ストゥルティは笑みを浮かべた。

「ルーメン、もしかして期待してた?」

 耳元で囁けば、吐息に身体がビクリと反応する。想像以上に感じやすいのかもしれないと思えば、いたずら心が沸きあがっていく。

 背中を指先でなぞっていけば、ビクビクと身体が反応する。必死に声を堪える姿は可愛くて、どこか愛しくも思えてしまう。

 女になりたいと思うなら、自分が女にすればいいのかと丸みを帯びた身体を見る。

「このままだとのぼせるか」

 湯から出ると、そのままルーメンを引き上げた。膝の上に乗せて胸へ手を伸ばせば、されるがままに戸惑う。なにをされるかわかっているが、どうしたらいいのかわからない。

 カチカチに固まった姿に、緊張していると判断したストゥルティが胸の突起を弄る。

「あっ…ストゥルティっ」

「ルティ…みんなそう呼ぶ」

 だからそう呼べと言えば、微かなふくらみを持つ胸を撫でながら、耳へとしゃぶりつく。

「女になっていいんだぜ。俺が可愛がってあげる」

 もっと気持ちよくなりたいだろ、と悪魔の囁きをすれば、あとは自分の元へ堕ちてくるのを待つだけ。ルーメンは必ず堕ちると。

 甘い吐息を漏らすルーメンは、快楽に男としてのものを反り立たせている。こちらを可愛がってもいいが、女になりたいと思っているなら別だよな、と手を伸ばす。

「あっ…あぁっ…」

「ここは蜜を溢れさせるほどに女になってる。俺に抱かれてるときは、女でいいんだよ」

 まだ自分には似合わないと思うなら、とりあえずはこれでいいと囁きかける。自分の前でだけ女になるのなら、できるだろうと吐息交じりに言う。

「んっ…あ…あぁぁっ」

 感じながらも、それでも辛うじて男であろうとする姿に、どれだけ顔を気にしているのかと思うのは一瞬だけ。アルトゥスという前例があるだけに、大きい問題なのだとわかっているのだ。

 それでも本人が女になりたいと思うなら、女として扱えば堕ちるだろう。

「ルーメン、可愛いよ」

 女の部分に指を入れながら、耳元で可愛いと繰り返し囁く。誰がなんと言おうと、自分にとっては可愛いのだと言い聞かせる。

「ふあぁぁっ」

 ぎゅうぎゅうと指を締め付けてくるのを感じながらも、それ以上には決して進むことはない。完全に堕ちてくるのを待っているからだ。

 主張している自分自身を押し付けながら、もうすぐだなと笑う。

 ずっと触れているからわかっている。ルーメンの身体は少しずつだが変化しているということ。時折見てくる視線は、欲しいと訴えているということもわかっていた。

「はぁ…はぁ……ルティっ、俺っ…あ…あぁぁぁっ」

 何度目かわからない絶頂により、ルーメンの身体にはふっくらとした胸と失われた男性としてのもの。少し丸みを帯びていた身体つきは、完全に女としてのふくよかさを持っていた。

「女にっ…」

「なってるぜ。俺の女にな」

 顎を持ち上げてキスをすれば、ここからが本番だと風呂場の床に寝かせる。

 ここでと思う気持ちもあったが、もう我慢できないという気持ちが勝ってしまった。早く中へと擦り付ければ、自ら挿れるように腰を振るルーメン。

 ずっとじらされていたという意味では、こちらも同じ状態だ。

「エロいな」

「んっ、早く欲しいよ」

 潤んだ瞳が見上げてくると、限界に達していたストゥルティの理性がブチリと切れた。ここまで我慢したのだから、もういいだろう。

 そう思えば、いきり立つ自分のものでルーメンを激しく貫いた。




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