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17 メイド力の証明
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アールとベリーによる案内と仕事の説明が終わって間もなく、シドが帰ってきた。
「シド様! お帰りなさい~!」
アールがそう言って、リビングにやって来たシドに真っ先に駆け寄った。ベリーもそんなアールを追いかける。
その姿を見て、私は机の上に用意しておいた紙を手に取り、シドの元へと歩み寄った。
「シド、始末書の作成が終わりました。確認お願いします」
「へえ、見てみるか」
私が差し出した始末書を、シドがひらりと手に取る。そして、澄ました顔で紙に視線を落とした。
「内容よし、原因よし、謝罪よし、反省よし、再発防止の気持ちも入れてるな」
一つ一つ確認するように独り言ちるシドの反応に、少し緊張してしまう。だけど、その緊張はそう長くは続かなかった。
「ふーん、意外とやるじゃん。ちゃんと書けてる。押印したら、そのまま出すよ」
「良かった!」
シドの言葉に、ホッと胸を撫で下ろす。そんな私を見つめるシドは顔色一つ変えず、言葉を続けた。
「アールとベリーから仕事の説明は聞いたか?」
「はい。一通り教えていただきました」
「そうか。それなら早いね」
シドはそう告げながら、アールとベリーに視線を落とし、褒めるように二人の頭を撫でた。二人とも嬉しそうに目を細めている。その姿は、まさに天使そのものだ。
だが、シドは二人を撫でる手を止めると、突然どこかに歩き出した。かと思えば、すぐにいくつかの服を手に取り戻ってきた。
「はい」
「うわぁ!」
シドが持って来た服を突然押し付けてきたため、私は慌ててそれらを受け止める。
「こ、これは!?」
「洗っといて。そうだ。あと、これとこれと、あーこれも」
そう言うと、シドはソファに置いていたブランケットらしきものも、私の持つ服の山に積み上げた。
そして、満足げにしたり顔をすると、さらなる任務を告げた。
「それが終わったら、食事の用意もしろよ」
「食事の用意もですか!?」
「当然だろ。もちろん、俺の分だけじゃない。アールとベリーの分もだ」
「は、はい。承知しま――」
「あとさ……」
――まだあるの……!?
そんな突っ込みを心で入れながら、平静を装って指示を待つ。すると、シドは今日一番の笑顔で続きを口にした。
「俺、風呂入るの好きなんだよね。俺が入るとき、ちょうど良いお湯の温度になるように準備しといて」
「なっ……!」
絶対王政のワガママ王君のような発言に、思わず驚きの声が漏れる。
そんな私の声が耳に届いたのだろう。彼は片眉を上げ私の顔を見ると、途端に挑発の言葉をかけてきた。
「できないの? できないなら別にいいよ。期限が来たとき、あんたの首を切ったらいいだけだから」
その言葉に、私の心はゾワリと震えた。それだけは困る。絶対に嫌だからだ。
だけど、震えた理由は嫌悪や恐怖からだけでは無かった。
「できます」
「え?」
「できます! 洗濯も食事の準備もお風呂の準備もぜんぶできます! 私のメイド力を証明してみせます!」
メイドとしての実力を舐められた。そのことに対する怒りで震えたのだ。
確かにブランクはあるけれど、曲がりなりにも下積みから鍛えられてきたのだ。
――絶対にやってみせる!
そんな強い決意でシドを見上げると、少し驚いた様子の彼と目が合った。直後、彼はすかさず私に声をかけてきた。
「本当にできるの?」
「はい」
「下手に嘘つかれた方が面倒だから、変に見栄張ってるとかならやめてよね」
まだ言うのかと、カチンとくる。だから、私はそんな彼にはっきりと宣言した。
「嘘でも見栄でもないです。必ずシドを満足させてあげます!」
そう言うと、彼は少し目を見張った。だが、すぐに余裕ありげに口角を吊り上げた。
「へー、そこまで言うなら期待しようかな。じゃ、頑張って。俺にちゃんとあんたの働きぶりを証明してよね」
「はい!」
「んじゃ、俺、ちょっと出かけてくるから」
その言葉に私は目を点にした。
「今からですか?」
「そうだけど。俺、忙しいから」
そう言うと、彼は受け取った始末書をひらひらと揺らしながら、ベリーを連れて玄関の扉から出て行った。
大量の洗濯物を抱えた私は、彼のあまりの切り替えの早さにかける言葉もなく、そんな彼らの背を見送るしかできなかった。
すると、唖然としたまま玄関の扉を見つめている私に、アールが声をかけてきた。
「オーロラさん!」
声につられて目線を下げると、満面の笑みを浮かべたアールと目が合った。
「今日はぼくがお留守番なんです。頑張りましょうね!」
「ええ、あなたが居たら心強いわ。一緒に頑張りましょう!」
なんて純粋で可愛らしい子なんだろう。そんな癒しの笑顔につられて笑みを返し、私はアールとさっそく任された作業に取り掛かった。
◇◇◇
洗濯といっても薄手のものが多く、乾燥まではあっという間に終わった。
幸いなことにお城にあるような設備が整ったキッチンが用意されていたため、食事はとりあえずポトフやサラダなど簡単なものを作った。
別に凝ったものを作れと言われていないから、問題ないだろう。
メインはチキンステーキだが、熱々の方が美味しいだろうと思い、皮面をフライパンで焼いて、あとは帰って来てからオーブンで焼く準備までを整えた。
お風呂も好きな湯加減が分からないため、とりあえず熱々のお湯を用意して、水で温度調節ができるように段取りした。
「オーロラさん、完璧ですね!」
「アールが手伝ってくれたお陰よ。ありがとう」
「ふふっ! 帰ってきたらベリーに自慢するです!」
なんて会話をしていると、ちょうどシドとベリーが帰ってきた。そこですかさずチキンをオーブンにセットし、私は彼の元へと赴いた。
「お帰りなさいませ。ジャケットは脱がれますか?」
「あ、ああ……」
少し戸惑いを見せながらも、シドは手早くジャケットを脱いだ。私はそれを受け取り、用意したハンガーにかけていると、シドが話しかけてきた。
「ぜんぶ準備できてるのか?」
「はい。アールから聞きましたが、お食事からですよね? 用意ができたら、ダイニングにいらしてください」
そう返すと、シドは素直に「分かった」と告げ、一度自室に入った。しかし、すぐにダイニングへと出てきたため、ジャケットを置き場に戻した私は、急いでキッチンに向かった。
「アール、これをテーブルに運んでくれる?」
「任せてください!」
元気よく返事をしたアールは、サラダボウルを両手に持ち、よいしょよいしょと歩き出した。その隙に、私はチキンをオーブンから取り出して、お皿に移したものをテーブルに運んだ。
その後、ポトフとパンも運び、今日のディナーがすべてテーブルに配置された。
「うわ~! 美味しそうです!」
シドとアールとベリーの三人が席に着いたところで、アールが嬉しそうな声を出した。
その姿を机の近くに立って見守っていた私は、クスリと笑みを零す。だが、いつまで経っても三人は一向に食べる気配を見せない。
――どうしたのかしら?
何か苦手なものがあったの……?
そう思っていると、シドがおもむろに口を開いた。
「いつまで突っ立ってんの?」
「え?」
いつでも給仕ができるようにと思い立っていたため、言葉の理解が一拍遅れた。すると、シドはそんな私にさらなる言葉を重ねた。
「だーかーらー、いつまで突っ立ってんのって聞いてるんだよ。いい加減待ちくたびれた。早く座ってよ」
「わ、私はメイドなので給仕のために――」
「はあ? ご飯くらい一緒に食べてもいいじゃん。そういう人間のマナーとか気にしないし、むしろ食べるのジーっと見られる方が嫌だ」
彼のその言葉に、日本人の私の心は確かに……と共鳴する。だけど、ヒストリッド帝国の私の心は、本当にいいんだろうか……と抵抗感を覚える。
なんてそうこうしていると、いつの間にか目の前に大きな壁が立ち塞がっていた。
「シド……?」
そそり立つ壁を見上げれば、天使らしからぬ深紅の瞳と目が合った。
「ほら、早く座って」
シドはそう声をかけるなり、私の手を掴んだ。そして、その手を引っ張ると空いている席に行き、手のかかる子どものように私を椅子に座らせた。
「オーロラも一緒に食べよう。作った本人でしょ?」
私が席に座ると、正面のベリーがそんな声をかけたきた。それに賛同するように、私の隣に座るアールも頷く。
すると、私の対角線上の席に戻ったシドが、二人の反応を見て口を開いた。
「二人もこう言ってるだろ。毒味も兼ねて、これからは一緒に食べろ」
「どく――」
毒なんて入れてない! そう返しそうになったが、私は彼らの表情を見て、その言葉をスッと心に収めた。
彼らの表情――それは、一緒に食卓を囲むトリガー兄さんや、ガレスさんの表情を彷彿とさせるものだったのだ。
――シドの言い方は、きっとわざとだ……。
私が食べるように仕向けるための言い方だったのだと気付き、不覚にも私の瞳を涙のベールが覆う。
そのため、私はなんとかその涙を誤魔化そうと、食事を始めた三人と同じようにカトラリーを手に取った。
「シド様! お帰りなさい~!」
アールがそう言って、リビングにやって来たシドに真っ先に駆け寄った。ベリーもそんなアールを追いかける。
その姿を見て、私は机の上に用意しておいた紙を手に取り、シドの元へと歩み寄った。
「シド、始末書の作成が終わりました。確認お願いします」
「へえ、見てみるか」
私が差し出した始末書を、シドがひらりと手に取る。そして、澄ました顔で紙に視線を落とした。
「内容よし、原因よし、謝罪よし、反省よし、再発防止の気持ちも入れてるな」
一つ一つ確認するように独り言ちるシドの反応に、少し緊張してしまう。だけど、その緊張はそう長くは続かなかった。
「ふーん、意外とやるじゃん。ちゃんと書けてる。押印したら、そのまま出すよ」
「良かった!」
シドの言葉に、ホッと胸を撫で下ろす。そんな私を見つめるシドは顔色一つ変えず、言葉を続けた。
「アールとベリーから仕事の説明は聞いたか?」
「はい。一通り教えていただきました」
「そうか。それなら早いね」
シドはそう告げながら、アールとベリーに視線を落とし、褒めるように二人の頭を撫でた。二人とも嬉しそうに目を細めている。その姿は、まさに天使そのものだ。
だが、シドは二人を撫でる手を止めると、突然どこかに歩き出した。かと思えば、すぐにいくつかの服を手に取り戻ってきた。
「はい」
「うわぁ!」
シドが持って来た服を突然押し付けてきたため、私は慌ててそれらを受け止める。
「こ、これは!?」
「洗っといて。そうだ。あと、これとこれと、あーこれも」
そう言うと、シドはソファに置いていたブランケットらしきものも、私の持つ服の山に積み上げた。
そして、満足げにしたり顔をすると、さらなる任務を告げた。
「それが終わったら、食事の用意もしろよ」
「食事の用意もですか!?」
「当然だろ。もちろん、俺の分だけじゃない。アールとベリーの分もだ」
「は、はい。承知しま――」
「あとさ……」
――まだあるの……!?
そんな突っ込みを心で入れながら、平静を装って指示を待つ。すると、シドは今日一番の笑顔で続きを口にした。
「俺、風呂入るの好きなんだよね。俺が入るとき、ちょうど良いお湯の温度になるように準備しといて」
「なっ……!」
絶対王政のワガママ王君のような発言に、思わず驚きの声が漏れる。
そんな私の声が耳に届いたのだろう。彼は片眉を上げ私の顔を見ると、途端に挑発の言葉をかけてきた。
「できないの? できないなら別にいいよ。期限が来たとき、あんたの首を切ったらいいだけだから」
その言葉に、私の心はゾワリと震えた。それだけは困る。絶対に嫌だからだ。
だけど、震えた理由は嫌悪や恐怖からだけでは無かった。
「できます」
「え?」
「できます! 洗濯も食事の準備もお風呂の準備もぜんぶできます! 私のメイド力を証明してみせます!」
メイドとしての実力を舐められた。そのことに対する怒りで震えたのだ。
確かにブランクはあるけれど、曲がりなりにも下積みから鍛えられてきたのだ。
――絶対にやってみせる!
そんな強い決意でシドを見上げると、少し驚いた様子の彼と目が合った。直後、彼はすかさず私に声をかけてきた。
「本当にできるの?」
「はい」
「下手に嘘つかれた方が面倒だから、変に見栄張ってるとかならやめてよね」
まだ言うのかと、カチンとくる。だから、私はそんな彼にはっきりと宣言した。
「嘘でも見栄でもないです。必ずシドを満足させてあげます!」
そう言うと、彼は少し目を見張った。だが、すぐに余裕ありげに口角を吊り上げた。
「へー、そこまで言うなら期待しようかな。じゃ、頑張って。俺にちゃんとあんたの働きぶりを証明してよね」
「はい!」
「んじゃ、俺、ちょっと出かけてくるから」
その言葉に私は目を点にした。
「今からですか?」
「そうだけど。俺、忙しいから」
そう言うと、彼は受け取った始末書をひらひらと揺らしながら、ベリーを連れて玄関の扉から出て行った。
大量の洗濯物を抱えた私は、彼のあまりの切り替えの早さにかける言葉もなく、そんな彼らの背を見送るしかできなかった。
すると、唖然としたまま玄関の扉を見つめている私に、アールが声をかけてきた。
「オーロラさん!」
声につられて目線を下げると、満面の笑みを浮かべたアールと目が合った。
「今日はぼくがお留守番なんです。頑張りましょうね!」
「ええ、あなたが居たら心強いわ。一緒に頑張りましょう!」
なんて純粋で可愛らしい子なんだろう。そんな癒しの笑顔につられて笑みを返し、私はアールとさっそく任された作業に取り掛かった。
◇◇◇
洗濯といっても薄手のものが多く、乾燥まではあっという間に終わった。
幸いなことにお城にあるような設備が整ったキッチンが用意されていたため、食事はとりあえずポトフやサラダなど簡単なものを作った。
別に凝ったものを作れと言われていないから、問題ないだろう。
メインはチキンステーキだが、熱々の方が美味しいだろうと思い、皮面をフライパンで焼いて、あとは帰って来てからオーブンで焼く準備までを整えた。
お風呂も好きな湯加減が分からないため、とりあえず熱々のお湯を用意して、水で温度調節ができるように段取りした。
「オーロラさん、完璧ですね!」
「アールが手伝ってくれたお陰よ。ありがとう」
「ふふっ! 帰ってきたらベリーに自慢するです!」
なんて会話をしていると、ちょうどシドとベリーが帰ってきた。そこですかさずチキンをオーブンにセットし、私は彼の元へと赴いた。
「お帰りなさいませ。ジャケットは脱がれますか?」
「あ、ああ……」
少し戸惑いを見せながらも、シドは手早くジャケットを脱いだ。私はそれを受け取り、用意したハンガーにかけていると、シドが話しかけてきた。
「ぜんぶ準備できてるのか?」
「はい。アールから聞きましたが、お食事からですよね? 用意ができたら、ダイニングにいらしてください」
そう返すと、シドは素直に「分かった」と告げ、一度自室に入った。しかし、すぐにダイニングへと出てきたため、ジャケットを置き場に戻した私は、急いでキッチンに向かった。
「アール、これをテーブルに運んでくれる?」
「任せてください!」
元気よく返事をしたアールは、サラダボウルを両手に持ち、よいしょよいしょと歩き出した。その隙に、私はチキンをオーブンから取り出して、お皿に移したものをテーブルに運んだ。
その後、ポトフとパンも運び、今日のディナーがすべてテーブルに配置された。
「うわ~! 美味しそうです!」
シドとアールとベリーの三人が席に着いたところで、アールが嬉しそうな声を出した。
その姿を机の近くに立って見守っていた私は、クスリと笑みを零す。だが、いつまで経っても三人は一向に食べる気配を見せない。
――どうしたのかしら?
何か苦手なものがあったの……?
そう思っていると、シドがおもむろに口を開いた。
「いつまで突っ立ってんの?」
「え?」
いつでも給仕ができるようにと思い立っていたため、言葉の理解が一拍遅れた。すると、シドはそんな私にさらなる言葉を重ねた。
「だーかーらー、いつまで突っ立ってんのって聞いてるんだよ。いい加減待ちくたびれた。早く座ってよ」
「わ、私はメイドなので給仕のために――」
「はあ? ご飯くらい一緒に食べてもいいじゃん。そういう人間のマナーとか気にしないし、むしろ食べるのジーっと見られる方が嫌だ」
彼のその言葉に、日本人の私の心は確かに……と共鳴する。だけど、ヒストリッド帝国の私の心は、本当にいいんだろうか……と抵抗感を覚える。
なんてそうこうしていると、いつの間にか目の前に大きな壁が立ち塞がっていた。
「シド……?」
そそり立つ壁を見上げれば、天使らしからぬ深紅の瞳と目が合った。
「ほら、早く座って」
シドはそう声をかけるなり、私の手を掴んだ。そして、その手を引っ張ると空いている席に行き、手のかかる子どものように私を椅子に座らせた。
「オーロラも一緒に食べよう。作った本人でしょ?」
私が席に座ると、正面のベリーがそんな声をかけたきた。それに賛同するように、私の隣に座るアールも頷く。
すると、私の対角線上の席に戻ったシドが、二人の反応を見て口を開いた。
「二人もこう言ってるだろ。毒味も兼ねて、これからは一緒に食べろ」
「どく――」
毒なんて入れてない! そう返しそうになったが、私は彼らの表情を見て、その言葉をスッと心に収めた。
彼らの表情――それは、一緒に食卓を囲むトリガー兄さんや、ガレスさんの表情を彷彿とさせるものだったのだ。
――シドの言い方は、きっとわざとだ……。
私が食べるように仕向けるための言い方だったのだと気付き、不覚にも私の瞳を涙のベールが覆う。
そのため、私はなんとかその涙を誤魔化そうと、食事を始めた三人と同じようにカトラリーを手に取った。
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