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アダムside
10話 募る気持ち(21話後)
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以前、僕の正体を知らないシェリーに避けられている相談をしたときに、シェリーへの恋心を自覚してしまった。そして、互いに正体が分かり出した今、シェリーに対する恋心はどんどん大きくなっている。
もうここ最近の僕のシェリーへの想いは、好きになったばかりの頃とはレベルが違う。毎日シェリーが可愛すぎるのだ。店で楽しそうに働く彼女を見ていると、自然と心が癒される。
本当に今回ばかりは仮面を付けていて良かったと思う。仕事中に情けない顔をさらけ出してしまわなくて済むからだ。
彼女は正体が分かった今でも、クッキーをプレゼントしてくれる。申し訳なくてこっそり置いていたと後で聞いたが、今でも習慣としてシェリーはクッキーをくれる。
僕はそのお礼として、少しでも彼女に喜んでもらえたらと、彼女がいつも綺麗だと言ってくれる花のミニブーケを作ってプレゼントした。今回は即席ではなく、ちゃんとレースや包装紙を用意して、花屋のものを参考にして用意した。
するとシェリーは頬を赤らめ、それは嬉しそうに笑いながら喜んでくれた。もっと彼女のことが好きになってしまった。
そんな彼女がある日、手芸用の作業台が見つからないと相談してきた。僕は自分の家の家具を色々と使いやすい様に改良したり、作ったりする。だから、もし僕でも作れそうなものなら作ってあげようと思って、彼女に欲しい机のデザインを描いてもらった。
そして、僕は彼女に描いてもらったデザインに目を通した。ざっくり目を通し、作業スペースを一時的に広げられるようにする折り畳みの机に、手芸用品を入れる引き出しを付けている台が欲しいのだと分かった。
また、引き出しのサイズや引き出しの中も色々と凝っているようだ。でも、作り自体はそこそこ単純なため、僕でも作れそうなデザインだった。
――作ったらシェリーは喜んでくれるかな?
こういうところでデキる男だってアピールして、シェリーに少しでも好かれるように努力しないと!
そう思い、製作を引き受け彼女のための作業台を作った。すると、彼女は夢のようだと飛び跳ねて喜んでくれた。
ちょっと一部難しいところもあって大変だったけど、作ること自体も楽しかった。何より、シェリーはとても喜んでくれたし、彼女のために何かできたという時点で満足だった。
それに、シェリーが働いている間に作っていたのに、シェリーはわざわざ自身の休憩中に差し入れを持って来てくれた。僕が惚れさせたいのに、僕の方がもっと彼女に惚れてしまった。
そして作り終えた後、彼女はお金を払うというが僕は要らないと言って、初めて彼女と言い合った。正直言い合いというレベルではないが、結局半分だけ料金をもらった。正直自己満足でしたことだったのに悪いなと思っていたのに、シェリーはさらに手袋と靴下までくれた。
手袋は替え時で今年は買わないといけないと思っていたからすごく助かるし、冬にこの暖かい靴下は最高だ。手袋も靴下も重宝するものだから、本当に嬉しかった。
それに何より、僕はシェリーの編み物や刺繍の完成度に驚いた。既製品並みどころか、既製品の中でもかなり上等な品のレベルだった。彼女はたくさんの才能があるのだなと、僕は改めてシェリーのことを尊敬した。
そんな彼女は、自分では気づいていないようだが結構客にモテる。彼女目当てで来る客もたまにいるくらいだ
彼女目当てで来るのは客だけじゃない。品の材料を配達しに来る若い男のうち数人もシェリーに気があるようだ。特にクリスは僕にとって要注意人物だ。隙あらばシェリーに何かと話しかけている。
シェリーが働き始めて何か月か経つが、もう完璧に喫茶店の看板娘という感じになっている。それほどまでにシェリーがこの店に馴染んでくれたんだと嬉しい気持ちになる。だけど、何だか寂しさも感じてしまう。
思ってはいけないということは分かっている。ただ、僕だけが彼女の魅力を知っているという優越感を奪われるような感覚になってしまうときがあるのだ。
でも、僕は他の男性陣たちとは違い、シェリーと一緒にご飯を食べて出勤したり、一緒に晩御飯を食べて帰ったり、本を交換したり、他愛無い話をしたりして楽しんでいる。それもあり、次第に彼女を奪われていると思う感覚は消えていった。
彼女の魅力を知っている男がたくさんいる中で、彼女に選んでもらうことが大事なのだ。そう考えられるようになった。
本格的に寒い季節になり、メアリーさんの誘いで晩御飯を4人で食べることが増えた。この4人で過ごす時間に至っては、もはや家族みたいな感覚だ。
――この時間がずっと続けばいいな……。
ふと、そう思った。僕はシェリーと一緒に居る時が一番幸せだと感じる。そのたびに、やっぱり僕は彼女のことが好きなんだと自覚させられた。
この関係を崩したくないけど、シェリーは日が経つごとに他の男たちに気に入られ好かれている。中には彼女に告白した人もいたようだ。
一部の人は、たまに発動する彼女の天然発言で告白したことにすら気付かれていないようだが、このままでは、あっという間に知らない男に彼女が取られるかもしれない。
――よし、告白しよう!
僕はそう決心した。
もうここ最近の僕のシェリーへの想いは、好きになったばかりの頃とはレベルが違う。毎日シェリーが可愛すぎるのだ。店で楽しそうに働く彼女を見ていると、自然と心が癒される。
本当に今回ばかりは仮面を付けていて良かったと思う。仕事中に情けない顔をさらけ出してしまわなくて済むからだ。
彼女は正体が分かった今でも、クッキーをプレゼントしてくれる。申し訳なくてこっそり置いていたと後で聞いたが、今でも習慣としてシェリーはクッキーをくれる。
僕はそのお礼として、少しでも彼女に喜んでもらえたらと、彼女がいつも綺麗だと言ってくれる花のミニブーケを作ってプレゼントした。今回は即席ではなく、ちゃんとレースや包装紙を用意して、花屋のものを参考にして用意した。
するとシェリーは頬を赤らめ、それは嬉しそうに笑いながら喜んでくれた。もっと彼女のことが好きになってしまった。
そんな彼女がある日、手芸用の作業台が見つからないと相談してきた。僕は自分の家の家具を色々と使いやすい様に改良したり、作ったりする。だから、もし僕でも作れそうなものなら作ってあげようと思って、彼女に欲しい机のデザインを描いてもらった。
そして、僕は彼女に描いてもらったデザインに目を通した。ざっくり目を通し、作業スペースを一時的に広げられるようにする折り畳みの机に、手芸用品を入れる引き出しを付けている台が欲しいのだと分かった。
また、引き出しのサイズや引き出しの中も色々と凝っているようだ。でも、作り自体はそこそこ単純なため、僕でも作れそうなデザインだった。
――作ったらシェリーは喜んでくれるかな?
こういうところでデキる男だってアピールして、シェリーに少しでも好かれるように努力しないと!
そう思い、製作を引き受け彼女のための作業台を作った。すると、彼女は夢のようだと飛び跳ねて喜んでくれた。
ちょっと一部難しいところもあって大変だったけど、作ること自体も楽しかった。何より、シェリーはとても喜んでくれたし、彼女のために何かできたという時点で満足だった。
それに、シェリーが働いている間に作っていたのに、シェリーはわざわざ自身の休憩中に差し入れを持って来てくれた。僕が惚れさせたいのに、僕の方がもっと彼女に惚れてしまった。
そして作り終えた後、彼女はお金を払うというが僕は要らないと言って、初めて彼女と言い合った。正直言い合いというレベルではないが、結局半分だけ料金をもらった。正直自己満足でしたことだったのに悪いなと思っていたのに、シェリーはさらに手袋と靴下までくれた。
手袋は替え時で今年は買わないといけないと思っていたからすごく助かるし、冬にこの暖かい靴下は最高だ。手袋も靴下も重宝するものだから、本当に嬉しかった。
それに何より、僕はシェリーの編み物や刺繍の完成度に驚いた。既製品並みどころか、既製品の中でもかなり上等な品のレベルだった。彼女はたくさんの才能があるのだなと、僕は改めてシェリーのことを尊敬した。
そんな彼女は、自分では気づいていないようだが結構客にモテる。彼女目当てで来る客もたまにいるくらいだ
彼女目当てで来るのは客だけじゃない。品の材料を配達しに来る若い男のうち数人もシェリーに気があるようだ。特にクリスは僕にとって要注意人物だ。隙あらばシェリーに何かと話しかけている。
シェリーが働き始めて何か月か経つが、もう完璧に喫茶店の看板娘という感じになっている。それほどまでにシェリーがこの店に馴染んでくれたんだと嬉しい気持ちになる。だけど、何だか寂しさも感じてしまう。
思ってはいけないということは分かっている。ただ、僕だけが彼女の魅力を知っているという優越感を奪われるような感覚になってしまうときがあるのだ。
でも、僕は他の男性陣たちとは違い、シェリーと一緒にご飯を食べて出勤したり、一緒に晩御飯を食べて帰ったり、本を交換したり、他愛無い話をしたりして楽しんでいる。それもあり、次第に彼女を奪われていると思う感覚は消えていった。
彼女の魅力を知っている男がたくさんいる中で、彼女に選んでもらうことが大事なのだ。そう考えられるようになった。
本格的に寒い季節になり、メアリーさんの誘いで晩御飯を4人で食べることが増えた。この4人で過ごす時間に至っては、もはや家族みたいな感覚だ。
――この時間がずっと続けばいいな……。
ふと、そう思った。僕はシェリーと一緒に居る時が一番幸せだと感じる。そのたびに、やっぱり僕は彼女のことが好きなんだと自覚させられた。
この関係を崩したくないけど、シェリーは日が経つごとに他の男たちに気に入られ好かれている。中には彼女に告白した人もいたようだ。
一部の人は、たまに発動する彼女の天然発言で告白したことにすら気付かれていないようだが、このままでは、あっという間に知らない男に彼女が取られるかもしれない。
――よし、告白しよう!
僕はそう決心した。
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