BLINDFOLD

雲乃みい

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第三夜 性少年の受難

21.カオスな満員電車。え、マジで!?

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「お前、興奮してるのか? 電車だぞ」
 ようやく聞き取れるくらいの小声で喋ってる。
 でも俺にはばっちり聞こえてるんですけど!
 つーか、興奮って!?
「だ……だって、総介さんが触るから」
 抗議するように真っ赤になった顔でインテリ眼鏡を達也が睨んでるけど。
 ……俺から見てもわかる。
 そりゃ逆効果だろ。
 案の定インテリ眼鏡はエロそうな笑いを浮かべてる。
 いやいや、それよりどこ触ってんだよ!
「しょうがないだろ? お前が触ってほしそうにしてるんだから」
「そんな!」
「それに俺も触りたいからな」
「……っ」
 ……あ、甘い。らぶらぶカップル……甘すぎる。
 男同士でもこんなに甘いんだな。
 なんて変に感心してる場合じゃ……なかった。
「……あっ」
 ……あの。
「はっ……、あっ、だめ……」
 俺は少しふたりに背を向けてる感じ。
 俺の右側に達也がちょっとくっついてる感じなんだけど……。
 びくん、びくんって身体が震えてる。
「だめ? こんなに硬くしてるじゃないか」
「……っあ、だって」
 だ、だから……お前ら何やってるんだよ!!
 明らかにインテリ眼鏡が達也のアレを触ってるらしい雰囲気。
 ありえねーだろ!
 電車だぞ!
 ほかの乗客気づいてなくっても俺めちゃくちゃ気づいてますけど!?
「かわいい、達也」
「っん、やだ、総介さんっ、あっ」
 ヤダはこっちだっつーの!
 くっそ!
 達也の押さえてはいるけど甘ったるい声と伝わってくる身体の震えに――俺まで妙な気分になってくる。
 しかも相手の男は……インテリ眼鏡は優斗さんと同じ匂いだし。
 昨日と今朝とさんざんヤりまくったから……だから、香水の匂いと、達也の喘ぎに、どうしようもなく思い出してしまう。
 下半身が疼いて熱を帯びるのを感じて、慌ててふたりから顔を背けた。
「あ……っあ!」
「達也、声を押さえろ」
「……っん」
 ああ、まじで最悪! どこか移動したい!
 ふたりのエロい空気にあてられて、俺は唇を噛みしめながらできるだけさりげなく少しづつふたりに背を向けていった。
 そしてカーブに差し掛かった電車が大きく揺れて、それを利用してふたりに背を向けるのに成功した。
 んだけど――。
「っ、す、すみません!」
 となりにいた男にぶつかってしまった。
 その男もインテリ系の眼鏡男。でも年齢は達也と同じくらいで若かった。
 軽く頭を下げて、いちゃいちゃカップルから意識を逸らそうとした俺の耳に、いきなり囁きが落ちてきた。
「羨ましい?」
「――……は?」
 顔を上げる。
 インテリ眼鏡の若い男はぞっとするような冷たい目で笑ってた。
「君の後ろのカップル、愉しんでるみたいだね? 君も、シたくなった?」
 くすくす笑う男の言う言葉に、頭ん中が真っ白になった。
 な……なんだ?
 こいつ、なに言って――。
「……ッ!」
 身体が硬直する。
 俺の股間に触れてきた……その男の手。
「こんなに硬くして。君、変態だね? かわいいなぁ」
 視姦するようにそいつは俺をじっと見つめてきた。
 気持ちわりー!!
 何だコイツ!!
 ち、痴漢!?
 慌てて逃げようとしたけどそいつの手が腰に回ってきて、やたらと強い力で身動きとれなくされる。
 それと同時にそいつのもう片方の俺の息子に触る手がズボンのベルトにかかった。
「ふざけ……!」
「俺に触られて勃起させているの周りに知られたらどう思うかな? きっと痴漢だなんて言われても信じてもらえないよ? きっと俺と君だってそのカップルと同じようにいちゃついてるゲイのカップルだと思われるだけだしね?」
 薄気味悪い笑みを浮かべたそいつの言葉に思考と動きが止まってしまう。
 その隙にそいつは慣れた手つきでベルトを緩めて俺のズボンの中に手を突っ込んできた。
 素肌を這うそいつの手は冷たくて鳥肌がたって、悪寒が走る。
 腰をひいて、そいつの手を押しとめるように掴む。
 だけど一瞬早く、その手はパンツの中まで侵入してきて。
「……っ」
 指先で息子を触れられる。
「やめ、ろ!」
 小声で男を睨んで、振り切ろうとした。
「……く」
 ぎゅ、と息子を握られて次の瞬間には素早く上下に扱かれて――刺激に頭が真っ白になってしまう。
 パニクる俺に顔を近づけてくる男。
「濡れてるよ? 先からどんどん溢れてきてるのはなにかな?」
 耳元で囁きながらそいつの手が先端から滲みだしてる先走りを息子にまとわりつかせるようにして撫でまわす。
「……んっ……そ、総介さんっ」
 逃げたいのに、満員電車のせいでそれもできない。
 その上、俺の背中に触れる達也の背中が小刻みに痙攣してる。
 気持ち良さそうな小さな喘ぎが肌越しに伝わってきて、俺の気持ちにかまわずに息子はどんどん反応してた。
「君、男とスるの初めてってわけじゃないだろう? だったら別にいいんじゃない。楽しめば」
 見透かすように、ふっとインテリ痴漢は唇を歪めて息子を弄る。
 男と――っていう言葉に、なんで、って焦って、そして怖くて、でも気持ちよくてわけわからなくなってきた。
 亀頭や竿の部分を、強弱をつけながら扱かれて目の前が霞んでく。
 気持ち悪い!
 なのに、
「……ふ、んっ」
 後ろにいる達也と同じように甘い声が出そうになってしまう。
「は、……離せっ」
「身体は正直にイイって言ってるよ?」
 痴漢のくせに、満員電車の中だっていうのに、そいつは大胆に強く俺の息子を扱きあげる。
 ぬるぬると俺の体液で滑りがよくなってて、ごつごつしたそいつの手が上下するたびに熱が生まれて、また先走りが溢れて。
 ぎゅっと、唇を噛みしめた。
 そうしないとヤバくて――怖い。
「もっと気持ちよくしてあげようか?」
 冷たい目が俺を見下ろして笑う。
 俺を拘束する腰に回っていた手がTシャツの中に滑り込んで、そしてズボンの中に下りていった。
「……や、め!」
 あ、ありえねー!
 こいつマジでなんなんだよ!
 心の中で叫ぶけど、喉に張り付いて声になってでてこない。
 明らかに主導権は痴漢が握ってて、余裕の表情のそいつに恐怖と不安で脚が竦んで動けなくなってしまってる。
「……ンッ」
 前を弄り続けたまま、後ろにも滑り込んだその手が、指が後孔に辿りついてゆっくりなぞる。
 気持ち悪い!
 気持ち悪いーつーの!!!
「……く……、んっ」
 それなのに、歯を食いしばった俺の口から漏れてしまうのは――。
「……簡単に指、入ったね? もう一本入りそうかな?」
 楽しそうな男の声。
 最悪なそいつに……きっと周りからみたらしがみついているように見えてしまってるかもしれない。
「……ふ……っあ……、ヤめ……ろっ」
 情けないくらいにか細い声。
 くちゅくちゅわざと音をたてるように息子を扱かれながら、俺の後孔には男の指が埋まってる。
悪夢でも見てんじゃないかっていう状況。
 非現実すぎて、信じられない。
 だけど、現実だって、わかるのは自分からもれる熱い呼吸のせいだ。
「ンッ……あっ」
 グリグリと男の指が奥に突き刺さって這いまわる。
 なんでだよっ!
 気持ち悪いのに、刺激が身体中を走り抜けていく。
「君、敏感なんだね? ああ、淫乱だからしょうがないのかな。俺の指食いちぎられそうなんだけど」
「……う、っせえ……ンっ」
 耐えきれずにそいつの胸に頭を押し付ける。
 目を閉じてなにかほかのことを考えようとするけど、もう頭ん中は快感で埋め尽くされてる。
「っあ、総介さんっ。もう……っ!」
「……ッ」
 こ、このバカップルのせいだ!
 だってだって!
 こいつの甘い喘ぎと、倉前の優斗さんと同じ香水の匂いに、昨夜と今朝のことをどうしても思い出してしまう。
 優斗さんの手が俺の息子を扱いて、俺の後をほぐして……。
 そんな記憶をなぞるように痴漢の手が動くから、だから……っ。
「イケよ、達也」
 後ろで優しく囁く声が聞こえてきて、次の瞬間ビクビクと達也の腰が震えるのが伝わってきた。
「向こうはイったみたいだね? じゃあ、君もイク?」
 薄く笑う男が手の動きを速めてくる。
「……ヤ……だ!」
 優斗さんのことを思い出してたのが一気に現実に引き戻される。
 いま俺を触ってるのは見ず知らずの男。
 変態ヤローにイかされるなんて死んでもイヤだ。
「それに俺、次の駅で降りなきゃならないし」
 だけど俺の言うことなんか気にするはずもない。
 そいつの言葉で電車内にもうすぐ駅につくアナウンスが流れてることに気づいた。
 そして一気に扱く手の動きがさらに速くしてきた。
 ヤだ!
 イヤだ!
 まじで無理無理無理!!!
「く……っ、あっ」
 反応するなよ!! 馬鹿息子ッ!!
 必死で念じるけど、勝手に身体が震えてくる。
 気持ち悪いのに、気持ちよくて吐射感が湧き上がってくる。
 ギンギンに硬く張りつめた俺の息子から精液を絞り出そうと、摩擦を続ける手。
 尿道をくすぐる指の動きに熱い息がこぼれて、堪らなくなる。
「もう少しかな」
 笑う男の声。
 勝手に昇りつめようとしてる俺の身体。
 頭ん中はもうグチャグチャで、まわりは知らない人たちばっかりのこの状況なのに、知らない男相手なのに、限界が迫ってた。
「イキそう?」
 そいつの声に、必死で頭を振る。
「イキなよ」
 嘲笑うようにそいつはそれまで後孔に埋めたまま動かしていなかった指を、まるで俺の感じる場所を知っているかのように突き上げてきて。
「……ひっ……、や、……ッあ!!」
 緩く握りしめて上下されてる息子と、激しく擦りあげられる後孔。
 俺はそいつの胸元をきつく握りしめ歯を食いしばって――。
 ゴツゴツした指が執拗に前立腺を抉る感触に――。
「ンッ……ンンン!!!!」
 耐えきれずに俺は白濁を吐き出した。
 ……変態痴漢ヤローの手の中に。
「熱いのがたくさん出てるね。君、ほんと可愛いね」
 ずるっと後から引き抜かれる二本の指。
 そして全部吐き出した俺の息子からそいつの手が離れて、そいつは俺にその手を見せてくる。
 掌にべっとりとついた欲の証。
 ぺろりとそれを舐めるそいつに、吐き気が込み上げてきた。
 むかむかして目を逸らすと、そいつはまた俺のズボンに手を入れて、その白濁をズボンやTシャツに擦りつけるようにしてふき取っていた。
「なかなか楽しかったよ。じゃあね」
 いつのまにか電車はプラットホームに滑り込んで停車していて、一気に乗客が降りていく。
 痴漢ヤローも、あのバカップルも流れるようにホームに消えていって。
 俺はただ呆然と立ち尽くしてた。



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