BLINDFOLD

雲乃みい

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第三夜 性少年の受難

49.夜が明けて、ちょっとだけ……んで続く!ってやつ!

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 その夜、ひたすら快感だけを追って何度も抱きあって、気づいたらいつの間にか寝てた。
 次に俺が起きたのはもう昼で、隣に優斗さんはいなかった。
 ヤりすぎてだるくてきつい身体を奮い立たせてリビングに行くと朝食なのか昼食なのかとにかく優斗さんがメシ作ってくれてて、優斗さんはコーヒーを飲んでた。
 おはよう、っていつもと変わらねー笑顔を向けられて、俺もたぶん笑って返せたと思う。
 サンドイッチとスープとサラダと。
 残さずに食って、それから――。
「ごめんね、ゆっくりできなくて」
 申し訳なさそうに優斗さんが言って、俺は笑って首を振った。
 "急用"ができたらしい優斗さんに俺はメシ食ったあと家まで送ってもらった。
「また連絡するね」
「うん」
 なんにも、変わってないみたいな会話。
 運転席の窓開けて、外に立つ俺に優斗さんは笑顔で。
 それは前となんにも変ってない。
 ――ほんとに"急用"なのか、知らねーけど。
「じゃあ、また」
「うん」
 手を振って車が去っていくのを俺はぼーっとして見てた。
 全部見えなくなってから家入った。
 日曜の昼間、家族はどっか行ってんのか誰もいなくて俺は自分の部屋にまっすぐ向かった。
 上着脱いでベッドにダイブ。
 もうめちゃくちゃ疲れてる。
 きのう何回ヤったっけってくらいだから、そりゃ身体中軋んでてもしょーがねーか。
 智紀さんと3回?
 優斗さんとも3回?
 俺ってすげーな。
 うん、すげぇ。
 さすが10代だよな?
 でもって、ぶっちゃけたこと言えば、電話えっち、女の子とならしたことあるし。
 もっとぶっちゃければ、俺の初体験女の子ふたりと3Pだったし。
 べつに、だから昨日のことなんか、たいしたことじゃないし。
 女が男になったってだけだし。
 だから、別に大したことじゃない。
「……あー……ダリぃ」
 後痛いし、身体ミシミシしてるし。
 でっかいため息が出る。
 枕引き寄せて、まくらに抱きついて、ため息。
 ――俺と優斗さんは付き合ってない。
 ――俺と智紀さんも付き合ってない。
 別に今までだって、適当に女の子と遊んでヤってたし。
 だから、別に大したことじゃない。
「……ねむ……」
 ただ――。
「……寝よ」
 ただ――ちょっとだけ。
 ほんとに、ちょっとだけ。
「……くそ」
 ――泣きそうかも、しんない。


―――――
―――
――



「うぜぇ」
 週が明けて火曜日。
 学校が終わって放課後、和と一緒に帰ってたらいきなり頭を叩かれた。
「って! なにすんだよ! バカカズ!!」
「バカはおまえだろーが、きのーからずっと四六時中ため息ばっかりつきやがって。いい加減うぜえんだよ」
「……うっせーな、俺の勝手だろーが!」
「はー、はー、暗いため息ついて、こっちまで憂鬱になんだろ!」
「ケッ、和のバーカバーカ!!」
 ムカついたからっていうか、図星だったから、とりあえず和に蹴りいれた。
 当たり前だけど、「てめぇ」って怒られて、逃げる。
 ウザイって言ってるけど、きっと和なりに心配してんだろうなってのはわかる。
 これ以上なんか言ってこられたら、余計なこと喋っべってしまいそうな気がした。
「じゃーな!」
 だから、そのまま言い逃げして、「おい、捺!」って怒鳴る和を無視して走って帰った。
 土曜日ヤりまくって疲れてた身体も、若いからか火曜日になりゃもう平気。
 ただなんかわかんねーけど、気づいたらため息ばっかついてた。
 平日って意外と時間経つの早いし、もう火曜も終わりだし。
 いつもたいてい優斗さんや智紀さんから連絡がきてたのは水曜とか木曜だった。
 ふたりとも『また』って言ってた、ってことはもう少ししたら連絡が来るかもってことで。
 ――正直、なんかまだいまは二人のどちらも会いたくないっていうか。
 どんな顔して会えばいいんだろってそんなことばっか毎日考えてた。
「あー……やっぱ和んとこ戻ろうかな」
 一人になるとすぐに頭ん中にモヤモヤが蔓延憂鬱さが増す。
 だから今日は和とゲーセンでも寄って帰ろうって思ってたのに。
「ウゼェウゼェうぜぇんだよ、バカ和め」
 ぶつぶつ悪態つきながら、結局ひとりでいたくないから和に連絡取ろうと思ってスマホを取り出した。なんのメッセージ受信してないことにとりあえずホッとする。
 あの二人から連絡がないことに安心するとか――……なんかもう、どんだけ俺ヘタレ?
「……サイアク」
 またぶつぶつつ呟きながら和の電話番号表示させて、発信ボタン押そうとした。
 だけど、その前に――大音量で着信が鳴りだした。
 かけてきてるのは――……。
「……誰だ?」
 知らない、番号だった。
 登録されてない番号からだ。間違いか、それとも誰か番号変えた?
 取るかなやんだけど、しつこく鳴り続けるから仕方なく出る。
「――は……」
 はい、って俺が言う前にバカでかい声が響く。
『俺の電話には2コール以内に出ろッ!』
「……」
 いきなりな俺様発言。
 なんだ、こいつ。
「はぁ?! つーか、テメェ誰なんだよ」
『俺だ』
「は? 俺ってなんだよ、俺俺サギかよ! 俺俺――……って……」
 え。
 "俺"俺……な。
 俺様……?
 なんか聞き覚えのある声と、やたら俺様な態度に、まさか……って思って。
「……え、と。……まさか、松原?」
 違うよな、って感じで半笑いで訊いてみた。
 そしたらあっさりと、
『他に誰がいる』
って、やっぱりな俺様発言。
「え、ええ!? まじで!? つーか、なんで俺の番号!!? つーか、なんだよ、いきなり!!??」
 とにかくびっくりして叫ぶ。
『うっせぇな、黙れ』
 有無を言わせないような低い声。
「……」
 なんなんだよ、こいつ。
 どこまで俺様だよ!って思いながら口閉じた。
『おい、向井』
「……なに」
『お前、金曜の夜予定空けておけ。8時に家に迎え行く』
「はぁ……あ!? え!? なに!?」
『忘れんなよ。忘れたらどうなるかわかってんだろうな。ちゃんとメモっておけよ。じゃーな』
 驚く俺に一気にまくしたてる松原。
 意味がわからないでいるとそう脅されて、そんで――切れた。
 つーか、切られた。
「な、なんだよ、あいつ!?」
 突然かけてきて、金曜日!?
 まじで意味わかんねーんだけど!!!
 どういうことだ!?
 ――でも、ひとつだけわかんのは、ちゃんと予定開けとかなきゃなんかヤバそうだってことだ。
 何なんだよホント。
 疑問ばっかりで意味不明。
 ただ金曜の予定が入ったから……もしあの二人から連絡あったらそれ理由に断ろうか、なんてずるいこと考えた。
 ――……だって、どうすりゃいいのかわかんねーんだから、しかたねーじゃん。
 でっかいため息ついて、とりあえず俺の頭ん中のスケジュール帳に金曜日の予定をインプットした。



 そして、その金曜日。
「おら、乗れ」
 相変わらず俺様な松原がまじで俺んちの家まで迎えに来たんだけど。
 まさかその夜。
 とんでもないことが俺を待ちうけてるなんて、ちっとも気づいてなかった。




第三夜『性少年の受難』終

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