BLINDFOLD

雲乃みい

文字の大きさ
46 / 124
第三夜 性少年の受難

49.夜が明けて、ちょっとだけ……んで続く!ってやつ!

しおりを挟む
 その夜、ひたすら快感だけを追って何度も抱きあって、気づいたらいつの間にか寝てた。
 次に俺が起きたのはもう昼で、隣に優斗さんはいなかった。
 ヤりすぎてだるくてきつい身体を奮い立たせてリビングに行くと朝食なのか昼食なのかとにかく優斗さんがメシ作ってくれてて、優斗さんはコーヒーを飲んでた。
 おはよう、っていつもと変わらねー笑顔を向けられて、俺もたぶん笑って返せたと思う。
 サンドイッチとスープとサラダと。
 残さずに食って、それから――。
「ごめんね、ゆっくりできなくて」
 申し訳なさそうに優斗さんが言って、俺は笑って首を振った。
 "急用"ができたらしい優斗さんに俺はメシ食ったあと家まで送ってもらった。
「また連絡するね」
「うん」
 なんにも、変わってないみたいな会話。
 運転席の窓開けて、外に立つ俺に優斗さんは笑顔で。
 それは前となんにも変ってない。
 ――ほんとに"急用"なのか、知らねーけど。
「じゃあ、また」
「うん」
 手を振って車が去っていくのを俺はぼーっとして見てた。
 全部見えなくなってから家入った。
 日曜の昼間、家族はどっか行ってんのか誰もいなくて俺は自分の部屋にまっすぐ向かった。
 上着脱いでベッドにダイブ。
 もうめちゃくちゃ疲れてる。
 きのう何回ヤったっけってくらいだから、そりゃ身体中軋んでてもしょーがねーか。
 智紀さんと3回?
 優斗さんとも3回?
 俺ってすげーな。
 うん、すげぇ。
 さすが10代だよな?
 でもって、ぶっちゃけたこと言えば、電話えっち、女の子とならしたことあるし。
 もっとぶっちゃければ、俺の初体験女の子ふたりと3Pだったし。
 べつに、だから昨日のことなんか、たいしたことじゃないし。
 女が男になったってだけだし。
 だから、別に大したことじゃない。
「……あー……ダリぃ」
 後痛いし、身体ミシミシしてるし。
 でっかいため息が出る。
 枕引き寄せて、まくらに抱きついて、ため息。
 ――俺と優斗さんは付き合ってない。
 ――俺と智紀さんも付き合ってない。
 別に今までだって、適当に女の子と遊んでヤってたし。
 だから、別に大したことじゃない。
「……ねむ……」
 ただ――。
「……寝よ」
 ただ――ちょっとだけ。
 ほんとに、ちょっとだけ。
「……くそ」
 ――泣きそうかも、しんない。


―――――
―――
――



「うぜぇ」
 週が明けて火曜日。
 学校が終わって放課後、和と一緒に帰ってたらいきなり頭を叩かれた。
「って! なにすんだよ! バカカズ!!」
「バカはおまえだろーが、きのーからずっと四六時中ため息ばっかりつきやがって。いい加減うぜえんだよ」
「……うっせーな、俺の勝手だろーが!」
「はー、はー、暗いため息ついて、こっちまで憂鬱になんだろ!」
「ケッ、和のバーカバーカ!!」
 ムカついたからっていうか、図星だったから、とりあえず和に蹴りいれた。
 当たり前だけど、「てめぇ」って怒られて、逃げる。
 ウザイって言ってるけど、きっと和なりに心配してんだろうなってのはわかる。
 これ以上なんか言ってこられたら、余計なこと喋っべってしまいそうな気がした。
「じゃーな!」
 だから、そのまま言い逃げして、「おい、捺!」って怒鳴る和を無視して走って帰った。
 土曜日ヤりまくって疲れてた身体も、若いからか火曜日になりゃもう平気。
 ただなんかわかんねーけど、気づいたらため息ばっかついてた。
 平日って意外と時間経つの早いし、もう火曜も終わりだし。
 いつもたいてい優斗さんや智紀さんから連絡がきてたのは水曜とか木曜だった。
 ふたりとも『また』って言ってた、ってことはもう少ししたら連絡が来るかもってことで。
 ――正直、なんかまだいまは二人のどちらも会いたくないっていうか。
 どんな顔して会えばいいんだろってそんなことばっか毎日考えてた。
「あー……やっぱ和んとこ戻ろうかな」
 一人になるとすぐに頭ん中にモヤモヤが蔓延憂鬱さが増す。
 だから今日は和とゲーセンでも寄って帰ろうって思ってたのに。
「ウゼェウゼェうぜぇんだよ、バカ和め」
 ぶつぶつ悪態つきながら、結局ひとりでいたくないから和に連絡取ろうと思ってスマホを取り出した。なんのメッセージ受信してないことにとりあえずホッとする。
 あの二人から連絡がないことに安心するとか――……なんかもう、どんだけ俺ヘタレ?
「……サイアク」
 またぶつぶつつ呟きながら和の電話番号表示させて、発信ボタン押そうとした。
 だけど、その前に――大音量で着信が鳴りだした。
 かけてきてるのは――……。
「……誰だ?」
 知らない、番号だった。
 登録されてない番号からだ。間違いか、それとも誰か番号変えた?
 取るかなやんだけど、しつこく鳴り続けるから仕方なく出る。
「――は……」
 はい、って俺が言う前にバカでかい声が響く。
『俺の電話には2コール以内に出ろッ!』
「……」
 いきなりな俺様発言。
 なんだ、こいつ。
「はぁ?! つーか、テメェ誰なんだよ」
『俺だ』
「は? 俺ってなんだよ、俺俺サギかよ! 俺俺――……って……」
 え。
 "俺"俺……な。
 俺様……?
 なんか聞き覚えのある声と、やたら俺様な態度に、まさか……って思って。
「……え、と。……まさか、松原?」
 違うよな、って感じで半笑いで訊いてみた。
 そしたらあっさりと、
『他に誰がいる』
って、やっぱりな俺様発言。
「え、ええ!? まじで!? つーか、なんで俺の番号!!? つーか、なんだよ、いきなり!!??」
 とにかくびっくりして叫ぶ。
『うっせぇな、黙れ』
 有無を言わせないような低い声。
「……」
 なんなんだよ、こいつ。
 どこまで俺様だよ!って思いながら口閉じた。
『おい、向井』
「……なに」
『お前、金曜の夜予定空けておけ。8時に家に迎え行く』
「はぁ……あ!? え!? なに!?」
『忘れんなよ。忘れたらどうなるかわかってんだろうな。ちゃんとメモっておけよ。じゃーな』
 驚く俺に一気にまくしたてる松原。
 意味がわからないでいるとそう脅されて、そんで――切れた。
 つーか、切られた。
「な、なんだよ、あいつ!?」
 突然かけてきて、金曜日!?
 まじで意味わかんねーんだけど!!!
 どういうことだ!?
 ――でも、ひとつだけわかんのは、ちゃんと予定開けとかなきゃなんかヤバそうだってことだ。
 何なんだよホント。
 疑問ばっかりで意味不明。
 ただ金曜の予定が入ったから……もしあの二人から連絡あったらそれ理由に断ろうか、なんてずるいこと考えた。
 ――……だって、どうすりゃいいのかわかんねーんだから、しかたねーじゃん。
 でっかいため息ついて、とりあえず俺の頭ん中のスケジュール帳に金曜日の予定をインプットした。



 そして、その金曜日。
「おら、乗れ」
 相変わらず俺様な松原がまじで俺んちの家まで迎えに来たんだけど。
 まさかその夜。
 とんでもないことが俺を待ちうけてるなんて、ちっとも気づいてなかった。




第三夜『性少年の受難』終

しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
 漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。  漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。  陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。  漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。  漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。  養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。  陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。  漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。  仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。  沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。  日本の漁師の多くがこの形態なのだ。  沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。  遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。  内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。  漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。  出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。  休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。  個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。  漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。  専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。  資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。  漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。  食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。  地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。  この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。  もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。  翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。  この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

熱のせい

yoyo
BL
体調不良で漏らしてしまう、サラリーマンカップルの話です。

チョコのように蕩ける露出狂と5歳児

ミクリ21
BL
露出狂と5歳児の話。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

処理中です...