4 / 6
4.side生徒会長
しおりを挟む
「会長さん、こんにちは」
「ああ」
「俺もいいの?」
「……別に。いつも椿沢と一緒にいるだろう」
「そうだけど。……でもサンキュ」
「……」
そう言うと渚は副会長の椿沢や書記たちのところに戻っていった。
渚と喋れたことに舞い上がりそうで顔が緩みそうになるが今は必死で耐える。
今ここに居るのは俺と渚だけじゃないからな。
「これ全部寄付なのー?」
会計の伊野の声に俺はみんなを見て頷いた。
「そうだ。勉強と仕事ばかりで運動がおろそかになってるからな。体力作りも必要だと父が贈ってくれたんだ」
ここ――生徒会室の隣の部屋には昨日までなかった器具がいくつも置かれていた。
エアロバイクやベンチセットなどのトレーニグ器具にマッサージチェアもある。
それにあと――ロデオマシーン。
「確かに身体が鈍っているのはあるな。お前らの場合」
「そうでもないですけどね。それよりなぜ風紀までいるんです」
「この一部はうちの三宮の提供もあるからな」
「……貴方の場合魂胆見え見えですけどね」
「なんだと?」
「うるさいぞ」
副会長と風紀委員長が言い争うような気配だったから即座に遮る。
前から副会長と風紀委員長は性格が合わないのか顔を合わせればケンカ腰な感じだった。
それにしても――本当に勢ぞろいだ。
俺の目当ては渚だけで、ロデオに乗っている姿も渚にだけ見せたかった。
のだが……結局挨拶以上の話を渚と交わすこともできず、情けないことに俺から声をかけることもできなかった。
そこでどうすれば渚に見てもらえるかを考えた結果トレーニングルームを作りそこにロデオマシーンを設置すればいいのではないかと思い至ったわけだ。
だが渚と二人っきりになれるとも限らないし、どうせ副会長たちも一緒にいるのだろうし。
俺は練習の成果を早く渚に見せたかったのもあって、トレーニングルームのお披露目の際にロデオマシーンに乗ることに決めた。
和佐からは最後まで反対されたが。
そしていまここには生徒会メンバーだけでなく風紀委員長と副委員長である和佐が集まっていた。
「これ自由に使っていいんだよねー」
「ああ」
「ムキムキになっちゃったらどーしよー!」
双子書記は目を輝かせ室内を見渡している。
「……どれも最新のだ。とくにアレは――」
さりげなく、さりげなくロデオマシーンのもとに歩み寄る。
正直に言えばいまだかつてなく俺は緊張していた。
渚以外のメンバーは眼中にないし、やつらも俺の行動など気にも留めないだろう。
俺の意識はすべて渚だ。
渚に醜態は見せられない。
和佐の部屋でロデオに乗ったあの日から早2週間。
毎日続けた特訓の成果をみせるんだ。
「このロデオマシーンは最新のものだ。……乗ってみるかな」
さりげなさを装い、
「みんなも好きに使ってみればいい」
と促しつつロデオに跨った。
ちらり見れば渚は俺の方を見ている。
グッと心の中でガッツポーズをし、俺はロデオのスイッチを押した。
押す瞬間、このロデオが和佐の部屋にあったのとは違うということに気づきながら。
ボタンの種類が多いな――と思いながら。
ウィィィィ―――ンと静かな振動のあと、適当に押したボタンとともに、ロデオは動きだしたのだった。
***
「ああ」
「俺もいいの?」
「……別に。いつも椿沢と一緒にいるだろう」
「そうだけど。……でもサンキュ」
「……」
そう言うと渚は副会長の椿沢や書記たちのところに戻っていった。
渚と喋れたことに舞い上がりそうで顔が緩みそうになるが今は必死で耐える。
今ここに居るのは俺と渚だけじゃないからな。
「これ全部寄付なのー?」
会計の伊野の声に俺はみんなを見て頷いた。
「そうだ。勉強と仕事ばかりで運動がおろそかになってるからな。体力作りも必要だと父が贈ってくれたんだ」
ここ――生徒会室の隣の部屋には昨日までなかった器具がいくつも置かれていた。
エアロバイクやベンチセットなどのトレーニグ器具にマッサージチェアもある。
それにあと――ロデオマシーン。
「確かに身体が鈍っているのはあるな。お前らの場合」
「そうでもないですけどね。それよりなぜ風紀までいるんです」
「この一部はうちの三宮の提供もあるからな」
「……貴方の場合魂胆見え見えですけどね」
「なんだと?」
「うるさいぞ」
副会長と風紀委員長が言い争うような気配だったから即座に遮る。
前から副会長と風紀委員長は性格が合わないのか顔を合わせればケンカ腰な感じだった。
それにしても――本当に勢ぞろいだ。
俺の目当ては渚だけで、ロデオに乗っている姿も渚にだけ見せたかった。
のだが……結局挨拶以上の話を渚と交わすこともできず、情けないことに俺から声をかけることもできなかった。
そこでどうすれば渚に見てもらえるかを考えた結果トレーニングルームを作りそこにロデオマシーンを設置すればいいのではないかと思い至ったわけだ。
だが渚と二人っきりになれるとも限らないし、どうせ副会長たちも一緒にいるのだろうし。
俺は練習の成果を早く渚に見せたかったのもあって、トレーニングルームのお披露目の際にロデオマシーンに乗ることに決めた。
和佐からは最後まで反対されたが。
そしていまここには生徒会メンバーだけでなく風紀委員長と副委員長である和佐が集まっていた。
「これ自由に使っていいんだよねー」
「ああ」
「ムキムキになっちゃったらどーしよー!」
双子書記は目を輝かせ室内を見渡している。
「……どれも最新のだ。とくにアレは――」
さりげなく、さりげなくロデオマシーンのもとに歩み寄る。
正直に言えばいまだかつてなく俺は緊張していた。
渚以外のメンバーは眼中にないし、やつらも俺の行動など気にも留めないだろう。
俺の意識はすべて渚だ。
渚に醜態は見せられない。
和佐の部屋でロデオに乗ったあの日から早2週間。
毎日続けた特訓の成果をみせるんだ。
「このロデオマシーンは最新のものだ。……乗ってみるかな」
さりげなさを装い、
「みんなも好きに使ってみればいい」
と促しつつロデオに跨った。
ちらり見れば渚は俺の方を見ている。
グッと心の中でガッツポーズをし、俺はロデオのスイッチを押した。
押す瞬間、このロデオが和佐の部屋にあったのとは違うということに気づきながら。
ボタンの種類が多いな――と思いながら。
ウィィィィ―――ンと静かな振動のあと、適当に押したボタンとともに、ロデオは動きだしたのだった。
***
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
悪役令息に転生した俺は推しの為に舞台から退場する
スノウマン(ユッキー)
BL
前世の記憶を思い出したアレクシスは悪役令息に転生したことに気づく。このままでは推しである義弟ノアが世界を救った後も幸せになれない未来を迎えてしまう。それを回避する為に、俺は舞台から退場することを選んだ。全てを燃やし尽くす事で。
そんな俺の行動によってノアが俺に執着することになるとも知らずに。
執着
紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる