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今日はグーラが午後から休みだ。
ヨウは浮き立つ心を抑えられずにいた。
王は朝から忙しい。触れ合うどころか会話を交わす暇すらないことも多い。
夜も遅いため、ゆっくり過ごせる時間は貴重だ。
ここに来たばかりの頃は、自分の時間を犠牲にしてまでヨウの元へやってくるグーラに遠慮して訪いを拒むことも多かった。しかしヨウの謙虚な振る舞いは、彼に悲しい表情をさせるだけだった。
忙しい合間を縫ってヨウに会えることが政務へのやりがいにも繋がると説得され、それ以来拒むことはしなくなった。
束の間の逢瀬では精一杯のもてなしで彼の身も心も癒やしてあげたいと思う。
もっとも、夜一緒に過ごす場合は余計に疲れさせてしまうようなことに縺れ込むことが多いのだが。
「グーラが来るまでに予習と復習を済ませなきゃ」
自室の机に教材を並べ、ヨウは表情を曇らせる。
ナイフで切り取ったように過去の学習内容を失ってしまった史学と剣術に関しては、まだ感覚を掴み直せていない。教本をめくっても記憶が戻らず、木剣すら上手く扱えない過去の自分に戻ってしまったかのようだ。
しかし読んだ内容が頭に入ってこないわけではない。
歴史なら、また教科書をめくればいい。優秀な老師の解説がないのは残念だが、今後も授業が続くことを思えば忘れたままではいられない。
空いた時間には積極的に剣術や体術の練習を行うようにつとめる。
師であるグリンにはなかなか会えないが、過去の自分は教わったことをメモしていた。それを見ながら構えを取ったり、素振りをして感覚を取り戻そうと努力している。
勉強はやった分だけ数字に反映される、実りやすい行為だ。あとはヨウの頑張り次第といったところだろう。
過去の授業ノートを見返しながら歴史書をめくり続け、従者がお茶を淹れに来たことにも気づかず没頭していた。集中力が切れて、冷めたお茶を飲んだところで一区切りとする。
「あとは魔法かな」
昨日のティルクスの授業では、水と風を起こす魔法を習った。
指先に水滴を出現させる水属性魔法はあっさり習得できたが、体の周りに風を起こして蝋燭の火を消す訓練は上手く行かなかった。
ヨウが起こせたのはそよ風程度で、一メートルほどしか離れていないオレンジ色の火を揺らすことしかできず終い。それでもティルクスからは筋が良いと褒められ、鍛錬を続けていればいつかできるようになると励まされた。
部屋の真ん中、なにもない場所に立ち、離れたテーブルの上の紙に向けて風を送るイメージをする。
「……あ、れ」
昨日は確かに感じた手応えが、今日はなにも掴めない。
何度も何度も、体を巡る魔力に集中しながら手をかざし、風を起こそうとしてみる。
しかしヨウの周囲に変化はなく、紙どころか服の裾も、髪先すら揺れることはなかった。
「か、風魔法は……まだまだだったし。水と火は、もっとできるはず」
自らを励ますかのような独り言をつぶやいて、ヨウはテーブルの上のティーカップを勢いよく傾け飲み干した。
お茶の味は今はどうでもいい。空になったこの器に数滴、大気中の水分を凝縮させて落とせばいい。
頭では分かっている。それなのに魔法は発動しなかった。
指先がぶるぶる震えるくらい手に力を込めても何も起きず、カップの底は飲み干された茶色い液体がほんの僅か残っているのが見て取れるのみ。
「……」
泣きそうに震える瞼を一度だけぎゅっと閉じて、白紙のメモ紙を手のひらに乗せる。
ヨウが念じればこの紙は、ヨウの起こした火で燃える。
ティルクスとの授業で初めて実践できた思い出深い魔法で、何度も何度も練習したものだ。グーラにも褒めてもらえた、子どもでもできる簡単な魔法。
「どうして……どうして……!」
睨みつけた真っ白い紙はいつまでたっても炎に巻かれることはなく、灰にもならない。
握った拳の中でくしゃりと折れ曲がる紙の感覚が、これほど悲しく感じられたことはなかった。
午前の執務を終え、グーラは足早に自室へと向かっていた。
レンブレーに文句を言わせない程度に仕事を片付け、昼食をヨウと共に自室でとると近侍に言いつけ、その返答にヨウの様子を聞いた。
今朝一番に顔を見たときは変わりなかったはずのヨウは、現在やや元気をなくしているようだという。そんな報告を受けてはいてもたってもいられず、気持ちばかり急いて足を早めさせた。
「ヨウ!」
「……あ、グーラ。おかえりなさい」
勢い余って叩き開けたドアに驚いたヨウが、グーラの顔を見てふんわりと微笑む。
聞いていたほど憔悴しているようには見えないが、たしかに元気がなさそうだった。
どこか儚さを感じるヨウの笑みは見るものを不安にさせる。
この世界にやってきたばかりの頃の彼に似ている。
近頃は随分と年相応の弾けるような明るい表情を浮かべるようになってきていただけに、その変化はグーラの心中を波立たせた。
「ヨウ、具合が悪そうだと聞いたが」
「え?」
きょとんと薄茶の眼を瞬かせるヨウの頭から足先まで視線を走らせる。外見に変わったところは見られない。
頬に手を添え、軽く引き寄せて額を合わせた。
熱も無いようだ。一瞬顔色が悪く見えたが、気の所為だっただろうか。
ごく近い位置で見つめたためか、ヨウの頬にはじわじわと赤みが差してきた。黒いまつ毛の生え揃った瞼がそっと下り、ゆっくりと持ち上がる。
これまでどこに隠されていたのかと思うほどに色気を漂わせた恋人の艶仕草に、グーラは無意識に息を呑んだ。
頬を包んでいた手にヨウの少し冷たい手のひらが重ねられる。
「大丈夫、なんともないよ。心配してくれてありがとう」
「なら……いいが」
「それより、お仕事で疲れてるでしょ? ゆっくりしてよう。お昼はもう食べた?」
「いや、だが手配してある。一緒に食べよう」
「うん! グーラと一緒のお昼久しぶり。嬉しいな」
雲間から太陽が覗くように朗らかに笑ったヨウに、グーラはほっと息を吐き出した。
先程漂った妖しい気配は今や微塵も感じられない。あのまま見つめ合っていれば、お互いに昼食もまだなのに、この場に押し倒してしまいそうな衝動が肚の底に渦巻いただろう。
他ならぬグーラの手で花開いたヨウの色香は、時折こうして雄を誘引しようとしてくるから気が抜けない。
誘ったのはそっちだと難癖をつけてヨウを襲ってしまうことは簡単だ。
しかしグーラはヨウの体だけが欲しいのではない。
この場所が安全で、安心できる場所だと教え込み、不安や痛みを与えぬよう手中に収め続ける。
そうしてやっとグーラ自身の渇きが癒えるのだ。
とはいえ我慢がつらいときもある。
異性だけでなく同性相手にも百戦錬磨と揶揄された王たる自分が、まるで初心な十代の若者のように恋人の婀娜な仕草に涎を垂らしそうになる日が来るとは、人生とはわからないものだ。
長椅子に二人で座ってぽつぽつと今日の政務のことなど話していると、侍従たちが昼食を運んできた。
王族へ供される料理はいつ何時でも手の込んだ凝ったものを出されがちだが、ヨウと共にする朝昼食はかなり簡素だ。ヨウが異国のテーブルマナーにまだ不慣れなことを厨房が把握しているためである。
「あのね、グーラ」
パンに野菜や肉を挟んだ食事を口に運んでいると、ヨウが控えめにグーラの顔を覗き込んだ。
「どうした?」
「……今日はもう、お仕事ないんだよね」
「あぁ、すべて終わらせてきた。余程急ぎの案件でない限り呼び出しもない」
「そっか。じゃあ、夜までずっと一緒にいられる……?」
パンを持っていない手がグーラの服の裾を遠慮がちに摘んだ。
グーラは百戦錬磨の男である。
愛しい恋人が何を望んでいるのか、瞬時に理解できる。
しかしいくら経験が多くとも、技巧もなにもない、控えめで恥じらいを隠せないヨウからのお誘いはどうしようもなく可愛らしく嬉しくて、顔を覆って天を仰ぐことは止めることができなかった。
「もちろんだ。夜までといわず明日の朝までゆっくりしよう。一緒に、な」
「あ、朝まではちょっと……僕の体力が……」
「そうと決まれば風呂だな。湯の手配を」
部屋の外に控えている侍従に声を掛けに行くグーラの手に食事はすでになく、ヨウは急かされながらもハムサンドを腹に詰め込んだ。
恥ずかしがり屋の恋人は、一緒に入浴することを滅多に許してくれない。
今日もヨウはグーラだけを浴室に送り込み、入れ替わりに風呂場へ駆け込んでしまった。そうして自分だけで「準備」も済ませてしまう。
たまには一緒に入って、湯船の中で象牙に似た透明感のあるきめ細かい肌を洗ってやったり、触れ合いながら支度を手伝ってやったりしたいのだが、グーラの不埒な企みはヨウには筒抜けらしく毎回拒絶される。細身で気弱そうに見える恋人は、意外に頑固でガードが固い。
「お待たせ、しました」
「……おいで」
長椅子で腕を広げているグーラのそばにヨウが立つ。
どうせ脱ぐことになるのに、しっかり寝間着を着込んで出てくる恋人がもどかしいほどに愛おしい。
腰を掴んで強引に膝の上に引き上げると、ヨウは一瞬躊躇ってから力を抜き、体を預けてきた。それを遠慮なく抱き寄せ、口づけを交わす。
「んっ……」
唇を甘噛みして開かせ、口腔内を蹂躙する。
ヨウの息が上がっているうちに服の裾から手を這わせ、肌の質感を味わう。
官能を呼び起こす意図を持ったグーラの触れ方にヨウは未だ慣れないようで、恥ずかしそうに身を捩った。
その仕草がどれほど艶めかしいか、本人に教えてやることはない。
ヨウの細腕がグーラの逞しい肩を掴み、首に回る。くったりと力の抜けた体を抱き上げ、奥の寝台へ足を向けた。
日の高いうちから彼の柔肌を堪能できる機会は少ない。
しかし今日はいつになく積極的に、ヨウの方からグーラを求めてくれた。
「グーラ、お願い……はやく……」
「かわいいな、ヨウ」
グーラの手によって衣類を脱がされたヨウが、一糸まとわぬ姿で抱きついてくる。
膝を擦り合わせ恥ずかしそうにしつつも、ヨウの中心は期待に早くも涙を零し始めていた。そこを握ってゆるく扱き上げてやると、手を止められる。
「そこ、じゃなくて、こっち……」
ヨウの手がグーラを導いたのはさらに奥、薄い臀部に隠された秘所。
しっとりと汗ばむそこはすでに濡れそぼり、グーラの指の侵入を容易に受け入れた。むしろ犯されることを待っていたかのように蠢き、貪欲に吸い付いてくる。
「ヨウ、今日はやけに積極的だな?」
「……っ、ん……はやく、グーラと繋がりたくて……だめ?」
「嬉しいよ。期待に応えなくてはな」
腰に巻いていただけの布を取り去り、すでに臨戦態勢の雄を取り出すとヨウの瞳が揺れた。畏怖と期待が入り混じった視線に、欲情を煽られる。
綻んだ後孔はグーラの指をすでに四本飲み込んでいる。
奥から溢れてくる香油に加えてベッドに備え付けられている香油瓶のものも足しながら、慎重に事を進めていく。
「そろそろいいか?」
「ぅんっ……はやく、おねがい……っ」
十分に解れた蕾は紅く色づいて健気に花開き、物欲しげにひくついていた。
焦れったそうに身をくねらせ、急かすようなことまで口走るヨウをキスで宥めながら、ゆっくりと腰を進める。
グーラの陽物を受け入れられるのが不思議なほど慎ましいそこが、つるりとした亀頭の先端を嬉しそうに食んでいく。半ば飲み込まれるようにして、グーラの長大な性器が埋まった。
「あぁっ、ぐーら、グーラだ……中に、感じる……」
「っヨウ、あまり可愛いことをしないでくれ」
平たい下腹を撫でて恍惚の表情を浮かべるヨウの凄まじいまでの色香に、グーラは年甲斐もなく持っていかれそうになったのを必死で耐える。
彼は狙ってやっているのではない。それが余計に蠱惑的だ。
しかしいつも以上に積極的すぎる恋人の様子が、僅かに残った理性としてグーラの衝動を抑える。
前髪をそっと除けてやり、濡れて光る薄茶の瞳を覗き込んだ。
「なにかあったのか?」
「え……」
「積極的に求めてくれることは嬉しいが、今朝はいつも通りだっただろう。つらいことや悲しいことがあったのではないか?」
「……」
刹那、ヨウの表情がくしゃりと泣きそうに歪んだ気がした。
しかし次の瞬間にはグーラを真っ直ぐ見上げ、いつもと変わらない笑みを向けられる。
「うぅん、なにもないよ……グーラと一緒にいられるのが嬉しかっただけ」
「本当か?」
「ほんと、だよ……んっ、それより、動いて……」
やはり何かある。グーラは確信した。
ただ、グーラを求めるヨウの気持ちも本物だろう。
なにか不安があるのか。
ヨウは異世界からある日突然この地にやってきた。常識も言語もなにもかも違う場所に適応しようと必死に藻掻いて、近頃やっと少し落ち着いただけなのだ。
彼の憂いを取り除きたい。心穏やかに過ごしてほしい。
その上で、共に生きてほしい。
グーラは万感の想いを込めてヨウの髪を梳き、口づけを交わした。
同時に腰を揺らめかせ、絡みついてくる媚肉を堪能する。
「あ、あっ……グーラぁっ」
「気持ちいいな、ヨウ」
「ん、んっ……ふ、んぅ……」
口唇を塞がれてくぐもった喘ぎ声しか出せないヨウを包み込むように抱き、グーラはひたすら恋人が快感を得られるように腰を突き上げた。
細身のヨウはグーラの懐にすっぽりと収まってしまう。
小柄ななりで精一杯体を開き、受け入れようとしてくれる健気な姿は愛情と共に少しの背徳感をも抱かせる。
「あぁっ、あっ……や、そこ、やぁっ」
「嫌ではないだろう?」
「ふ、ぁ……きもちぃ……気持ちいぃっ、あ、だめ、イく……っ!」
「俺も、……くっ」
全身を震わせ達したヨウの雄芯は、触られていないのに白濁した液を少量零していた。肉筒が激しく蠕動し、中のものを痙攣しながら締め付ける。
ヨウを抱き締めたまま最奥で吐精し、体積の減ったものをずるりと引き抜いた。
グーラ自身はまだ足りない。それどころか、恋人の乱れた姿を見て下腹に再び熱が籠もる感覚があったが、無理をさせるのは本意ではない。
ヨウは行為の後は疲れて眠ってしまうことが多い。
後始末をするために寝台を出ようとしたグーラを、細い指が引き止めた。
「ぐーら……」
「ん。どうしたヨウ」
「行かないで……」
控えめに腕を引かれてすぐさまベッドに逆戻りする。
シーツの上に寝転ぶと、まだ呼吸も整っていないヨウがぴったりと身を寄せてきた。
抱き寄せてやると、少し早い鼓動がとくとくと伝わってくる。
「早く後始末をしないと、体に障る」
「……」
「ヨウ? すぐに戻るから、待っていてくれないか」
少し伸びた黒髪をさらさらと撫でながら様子を伺うと、ヨウは黙ったままさらに体を密着させた。
「グーラ……僕、まだ……」
鍛え上げた兵士のようなグーラの肉体にヨウの肢体が絡みつき、太腿の辺りに隠しようのない昂りの気配が押し当てられる。
彼らしからぬ直截な誘い方に、グーラは目を見開いた。
「いいのか? 疲れているのではないのか」
「疲れてなんかない……それより、もっとグーラを感じていたいんだ」
「嬉しいことを言ってくれる」
前髪をかきあげて額に口づけ、その隙に予備の香油瓶を手に取る。
手のひらにたっぷり出した華やかな香りの潤滑油をヨウの尻のあわいに塗りつけると、すでに閉じかけている蕾がくぷくぷと精液混じりの油を吐き出していた。それを掬い取って中へ押し込み、内壁に塗りつけるように指を動かす。
「朝まではつらいのではなかったか?」
「ん……途中で寝ちゃうかもしれないけど、気にしないでしてていいから」
「無理をさせるつもりはない。だが、できるだけ起きていてくれると嬉しいし、愉しい」
「うん、がんばる」
「挿れるぞ」
「きて……ぁ、あっ……」
再び侵入を果たしたヨウの中は熱くぬかるんでいて、グーラを歓迎していた。
自分を物のように扱えと言ったヨウの言葉が少し引っかかったが、素直に甘えてくれる恋人の期待に応えるべく努力するうち、違和感は彼方へと消えてしまった。
ヨウは浮き立つ心を抑えられずにいた。
王は朝から忙しい。触れ合うどころか会話を交わす暇すらないことも多い。
夜も遅いため、ゆっくり過ごせる時間は貴重だ。
ここに来たばかりの頃は、自分の時間を犠牲にしてまでヨウの元へやってくるグーラに遠慮して訪いを拒むことも多かった。しかしヨウの謙虚な振る舞いは、彼に悲しい表情をさせるだけだった。
忙しい合間を縫ってヨウに会えることが政務へのやりがいにも繋がると説得され、それ以来拒むことはしなくなった。
束の間の逢瀬では精一杯のもてなしで彼の身も心も癒やしてあげたいと思う。
もっとも、夜一緒に過ごす場合は余計に疲れさせてしまうようなことに縺れ込むことが多いのだが。
「グーラが来るまでに予習と復習を済ませなきゃ」
自室の机に教材を並べ、ヨウは表情を曇らせる。
ナイフで切り取ったように過去の学習内容を失ってしまった史学と剣術に関しては、まだ感覚を掴み直せていない。教本をめくっても記憶が戻らず、木剣すら上手く扱えない過去の自分に戻ってしまったかのようだ。
しかし読んだ内容が頭に入ってこないわけではない。
歴史なら、また教科書をめくればいい。優秀な老師の解説がないのは残念だが、今後も授業が続くことを思えば忘れたままではいられない。
空いた時間には積極的に剣術や体術の練習を行うようにつとめる。
師であるグリンにはなかなか会えないが、過去の自分は教わったことをメモしていた。それを見ながら構えを取ったり、素振りをして感覚を取り戻そうと努力している。
勉強はやった分だけ数字に反映される、実りやすい行為だ。あとはヨウの頑張り次第といったところだろう。
過去の授業ノートを見返しながら歴史書をめくり続け、従者がお茶を淹れに来たことにも気づかず没頭していた。集中力が切れて、冷めたお茶を飲んだところで一区切りとする。
「あとは魔法かな」
昨日のティルクスの授業では、水と風を起こす魔法を習った。
指先に水滴を出現させる水属性魔法はあっさり習得できたが、体の周りに風を起こして蝋燭の火を消す訓練は上手く行かなかった。
ヨウが起こせたのはそよ風程度で、一メートルほどしか離れていないオレンジ色の火を揺らすことしかできず終い。それでもティルクスからは筋が良いと褒められ、鍛錬を続けていればいつかできるようになると励まされた。
部屋の真ん中、なにもない場所に立ち、離れたテーブルの上の紙に向けて風を送るイメージをする。
「……あ、れ」
昨日は確かに感じた手応えが、今日はなにも掴めない。
何度も何度も、体を巡る魔力に集中しながら手をかざし、風を起こそうとしてみる。
しかしヨウの周囲に変化はなく、紙どころか服の裾も、髪先すら揺れることはなかった。
「か、風魔法は……まだまだだったし。水と火は、もっとできるはず」
自らを励ますかのような独り言をつぶやいて、ヨウはテーブルの上のティーカップを勢いよく傾け飲み干した。
お茶の味は今はどうでもいい。空になったこの器に数滴、大気中の水分を凝縮させて落とせばいい。
頭では分かっている。それなのに魔法は発動しなかった。
指先がぶるぶる震えるくらい手に力を込めても何も起きず、カップの底は飲み干された茶色い液体がほんの僅か残っているのが見て取れるのみ。
「……」
泣きそうに震える瞼を一度だけぎゅっと閉じて、白紙のメモ紙を手のひらに乗せる。
ヨウが念じればこの紙は、ヨウの起こした火で燃える。
ティルクスとの授業で初めて実践できた思い出深い魔法で、何度も何度も練習したものだ。グーラにも褒めてもらえた、子どもでもできる簡単な魔法。
「どうして……どうして……!」
睨みつけた真っ白い紙はいつまでたっても炎に巻かれることはなく、灰にもならない。
握った拳の中でくしゃりと折れ曲がる紙の感覚が、これほど悲しく感じられたことはなかった。
午前の執務を終え、グーラは足早に自室へと向かっていた。
レンブレーに文句を言わせない程度に仕事を片付け、昼食をヨウと共に自室でとると近侍に言いつけ、その返答にヨウの様子を聞いた。
今朝一番に顔を見たときは変わりなかったはずのヨウは、現在やや元気をなくしているようだという。そんな報告を受けてはいてもたってもいられず、気持ちばかり急いて足を早めさせた。
「ヨウ!」
「……あ、グーラ。おかえりなさい」
勢い余って叩き開けたドアに驚いたヨウが、グーラの顔を見てふんわりと微笑む。
聞いていたほど憔悴しているようには見えないが、たしかに元気がなさそうだった。
どこか儚さを感じるヨウの笑みは見るものを不安にさせる。
この世界にやってきたばかりの頃の彼に似ている。
近頃は随分と年相応の弾けるような明るい表情を浮かべるようになってきていただけに、その変化はグーラの心中を波立たせた。
「ヨウ、具合が悪そうだと聞いたが」
「え?」
きょとんと薄茶の眼を瞬かせるヨウの頭から足先まで視線を走らせる。外見に変わったところは見られない。
頬に手を添え、軽く引き寄せて額を合わせた。
熱も無いようだ。一瞬顔色が悪く見えたが、気の所為だっただろうか。
ごく近い位置で見つめたためか、ヨウの頬にはじわじわと赤みが差してきた。黒いまつ毛の生え揃った瞼がそっと下り、ゆっくりと持ち上がる。
これまでどこに隠されていたのかと思うほどに色気を漂わせた恋人の艶仕草に、グーラは無意識に息を呑んだ。
頬を包んでいた手にヨウの少し冷たい手のひらが重ねられる。
「大丈夫、なんともないよ。心配してくれてありがとう」
「なら……いいが」
「それより、お仕事で疲れてるでしょ? ゆっくりしてよう。お昼はもう食べた?」
「いや、だが手配してある。一緒に食べよう」
「うん! グーラと一緒のお昼久しぶり。嬉しいな」
雲間から太陽が覗くように朗らかに笑ったヨウに、グーラはほっと息を吐き出した。
先程漂った妖しい気配は今や微塵も感じられない。あのまま見つめ合っていれば、お互いに昼食もまだなのに、この場に押し倒してしまいそうな衝動が肚の底に渦巻いただろう。
他ならぬグーラの手で花開いたヨウの色香は、時折こうして雄を誘引しようとしてくるから気が抜けない。
誘ったのはそっちだと難癖をつけてヨウを襲ってしまうことは簡単だ。
しかしグーラはヨウの体だけが欲しいのではない。
この場所が安全で、安心できる場所だと教え込み、不安や痛みを与えぬよう手中に収め続ける。
そうしてやっとグーラ自身の渇きが癒えるのだ。
とはいえ我慢がつらいときもある。
異性だけでなく同性相手にも百戦錬磨と揶揄された王たる自分が、まるで初心な十代の若者のように恋人の婀娜な仕草に涎を垂らしそうになる日が来るとは、人生とはわからないものだ。
長椅子に二人で座ってぽつぽつと今日の政務のことなど話していると、侍従たちが昼食を運んできた。
王族へ供される料理はいつ何時でも手の込んだ凝ったものを出されがちだが、ヨウと共にする朝昼食はかなり簡素だ。ヨウが異国のテーブルマナーにまだ不慣れなことを厨房が把握しているためである。
「あのね、グーラ」
パンに野菜や肉を挟んだ食事を口に運んでいると、ヨウが控えめにグーラの顔を覗き込んだ。
「どうした?」
「……今日はもう、お仕事ないんだよね」
「あぁ、すべて終わらせてきた。余程急ぎの案件でない限り呼び出しもない」
「そっか。じゃあ、夜までずっと一緒にいられる……?」
パンを持っていない手がグーラの服の裾を遠慮がちに摘んだ。
グーラは百戦錬磨の男である。
愛しい恋人が何を望んでいるのか、瞬時に理解できる。
しかしいくら経験が多くとも、技巧もなにもない、控えめで恥じらいを隠せないヨウからのお誘いはどうしようもなく可愛らしく嬉しくて、顔を覆って天を仰ぐことは止めることができなかった。
「もちろんだ。夜までといわず明日の朝までゆっくりしよう。一緒に、な」
「あ、朝まではちょっと……僕の体力が……」
「そうと決まれば風呂だな。湯の手配を」
部屋の外に控えている侍従に声を掛けに行くグーラの手に食事はすでになく、ヨウは急かされながらもハムサンドを腹に詰め込んだ。
恥ずかしがり屋の恋人は、一緒に入浴することを滅多に許してくれない。
今日もヨウはグーラだけを浴室に送り込み、入れ替わりに風呂場へ駆け込んでしまった。そうして自分だけで「準備」も済ませてしまう。
たまには一緒に入って、湯船の中で象牙に似た透明感のあるきめ細かい肌を洗ってやったり、触れ合いながら支度を手伝ってやったりしたいのだが、グーラの不埒な企みはヨウには筒抜けらしく毎回拒絶される。細身で気弱そうに見える恋人は、意外に頑固でガードが固い。
「お待たせ、しました」
「……おいで」
長椅子で腕を広げているグーラのそばにヨウが立つ。
どうせ脱ぐことになるのに、しっかり寝間着を着込んで出てくる恋人がもどかしいほどに愛おしい。
腰を掴んで強引に膝の上に引き上げると、ヨウは一瞬躊躇ってから力を抜き、体を預けてきた。それを遠慮なく抱き寄せ、口づけを交わす。
「んっ……」
唇を甘噛みして開かせ、口腔内を蹂躙する。
ヨウの息が上がっているうちに服の裾から手を這わせ、肌の質感を味わう。
官能を呼び起こす意図を持ったグーラの触れ方にヨウは未だ慣れないようで、恥ずかしそうに身を捩った。
その仕草がどれほど艶めかしいか、本人に教えてやることはない。
ヨウの細腕がグーラの逞しい肩を掴み、首に回る。くったりと力の抜けた体を抱き上げ、奥の寝台へ足を向けた。
日の高いうちから彼の柔肌を堪能できる機会は少ない。
しかし今日はいつになく積極的に、ヨウの方からグーラを求めてくれた。
「グーラ、お願い……はやく……」
「かわいいな、ヨウ」
グーラの手によって衣類を脱がされたヨウが、一糸まとわぬ姿で抱きついてくる。
膝を擦り合わせ恥ずかしそうにしつつも、ヨウの中心は期待に早くも涙を零し始めていた。そこを握ってゆるく扱き上げてやると、手を止められる。
「そこ、じゃなくて、こっち……」
ヨウの手がグーラを導いたのはさらに奥、薄い臀部に隠された秘所。
しっとりと汗ばむそこはすでに濡れそぼり、グーラの指の侵入を容易に受け入れた。むしろ犯されることを待っていたかのように蠢き、貪欲に吸い付いてくる。
「ヨウ、今日はやけに積極的だな?」
「……っ、ん……はやく、グーラと繋がりたくて……だめ?」
「嬉しいよ。期待に応えなくてはな」
腰に巻いていただけの布を取り去り、すでに臨戦態勢の雄を取り出すとヨウの瞳が揺れた。畏怖と期待が入り混じった視線に、欲情を煽られる。
綻んだ後孔はグーラの指をすでに四本飲み込んでいる。
奥から溢れてくる香油に加えてベッドに備え付けられている香油瓶のものも足しながら、慎重に事を進めていく。
「そろそろいいか?」
「ぅんっ……はやく、おねがい……っ」
十分に解れた蕾は紅く色づいて健気に花開き、物欲しげにひくついていた。
焦れったそうに身をくねらせ、急かすようなことまで口走るヨウをキスで宥めながら、ゆっくりと腰を進める。
グーラの陽物を受け入れられるのが不思議なほど慎ましいそこが、つるりとした亀頭の先端を嬉しそうに食んでいく。半ば飲み込まれるようにして、グーラの長大な性器が埋まった。
「あぁっ、ぐーら、グーラだ……中に、感じる……」
「っヨウ、あまり可愛いことをしないでくれ」
平たい下腹を撫でて恍惚の表情を浮かべるヨウの凄まじいまでの色香に、グーラは年甲斐もなく持っていかれそうになったのを必死で耐える。
彼は狙ってやっているのではない。それが余計に蠱惑的だ。
しかしいつも以上に積極的すぎる恋人の様子が、僅かに残った理性としてグーラの衝動を抑える。
前髪をそっと除けてやり、濡れて光る薄茶の瞳を覗き込んだ。
「なにかあったのか?」
「え……」
「積極的に求めてくれることは嬉しいが、今朝はいつも通りだっただろう。つらいことや悲しいことがあったのではないか?」
「……」
刹那、ヨウの表情がくしゃりと泣きそうに歪んだ気がした。
しかし次の瞬間にはグーラを真っ直ぐ見上げ、いつもと変わらない笑みを向けられる。
「うぅん、なにもないよ……グーラと一緒にいられるのが嬉しかっただけ」
「本当か?」
「ほんと、だよ……んっ、それより、動いて……」
やはり何かある。グーラは確信した。
ただ、グーラを求めるヨウの気持ちも本物だろう。
なにか不安があるのか。
ヨウは異世界からある日突然この地にやってきた。常識も言語もなにもかも違う場所に適応しようと必死に藻掻いて、近頃やっと少し落ち着いただけなのだ。
彼の憂いを取り除きたい。心穏やかに過ごしてほしい。
その上で、共に生きてほしい。
グーラは万感の想いを込めてヨウの髪を梳き、口づけを交わした。
同時に腰を揺らめかせ、絡みついてくる媚肉を堪能する。
「あ、あっ……グーラぁっ」
「気持ちいいな、ヨウ」
「ん、んっ……ふ、んぅ……」
口唇を塞がれてくぐもった喘ぎ声しか出せないヨウを包み込むように抱き、グーラはひたすら恋人が快感を得られるように腰を突き上げた。
細身のヨウはグーラの懐にすっぽりと収まってしまう。
小柄ななりで精一杯体を開き、受け入れようとしてくれる健気な姿は愛情と共に少しの背徳感をも抱かせる。
「あぁっ、あっ……や、そこ、やぁっ」
「嫌ではないだろう?」
「ふ、ぁ……きもちぃ……気持ちいぃっ、あ、だめ、イく……っ!」
「俺も、……くっ」
全身を震わせ達したヨウの雄芯は、触られていないのに白濁した液を少量零していた。肉筒が激しく蠕動し、中のものを痙攣しながら締め付ける。
ヨウを抱き締めたまま最奥で吐精し、体積の減ったものをずるりと引き抜いた。
グーラ自身はまだ足りない。それどころか、恋人の乱れた姿を見て下腹に再び熱が籠もる感覚があったが、無理をさせるのは本意ではない。
ヨウは行為の後は疲れて眠ってしまうことが多い。
後始末をするために寝台を出ようとしたグーラを、細い指が引き止めた。
「ぐーら……」
「ん。どうしたヨウ」
「行かないで……」
控えめに腕を引かれてすぐさまベッドに逆戻りする。
シーツの上に寝転ぶと、まだ呼吸も整っていないヨウがぴったりと身を寄せてきた。
抱き寄せてやると、少し早い鼓動がとくとくと伝わってくる。
「早く後始末をしないと、体に障る」
「……」
「ヨウ? すぐに戻るから、待っていてくれないか」
少し伸びた黒髪をさらさらと撫でながら様子を伺うと、ヨウは黙ったままさらに体を密着させた。
「グーラ……僕、まだ……」
鍛え上げた兵士のようなグーラの肉体にヨウの肢体が絡みつき、太腿の辺りに隠しようのない昂りの気配が押し当てられる。
彼らしからぬ直截な誘い方に、グーラは目を見開いた。
「いいのか? 疲れているのではないのか」
「疲れてなんかない……それより、もっとグーラを感じていたいんだ」
「嬉しいことを言ってくれる」
前髪をかきあげて額に口づけ、その隙に予備の香油瓶を手に取る。
手のひらにたっぷり出した華やかな香りの潤滑油をヨウの尻のあわいに塗りつけると、すでに閉じかけている蕾がくぷくぷと精液混じりの油を吐き出していた。それを掬い取って中へ押し込み、内壁に塗りつけるように指を動かす。
「朝まではつらいのではなかったか?」
「ん……途中で寝ちゃうかもしれないけど、気にしないでしてていいから」
「無理をさせるつもりはない。だが、できるだけ起きていてくれると嬉しいし、愉しい」
「うん、がんばる」
「挿れるぞ」
「きて……ぁ、あっ……」
再び侵入を果たしたヨウの中は熱くぬかるんでいて、グーラを歓迎していた。
自分を物のように扱えと言ったヨウの言葉が少し引っかかったが、素直に甘えてくれる恋人の期待に応えるべく努力するうち、違和感は彼方へと消えてしまった。
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