ライバル視していた隣国の魔術師に、いつの間にか番認定されていた

飯田 いち太郎

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プロローグ

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俺の前世は高校三年生で終わっている。受験が終わり、大学生活に思いを馳せていた所、お店の火災による爆発事故に巻き込まれ、呆気なく人生の幕を閉じることになった。

これからまた学生生活を送り、社会人になり、いつかは幸せな家庭を築いていくのだろうと思っていたが、そんな未来は無かったようだ。

意識は爆発の瞬間で途切れ、もう目を覚ますことはないだろうと思っていたが・・・俺は何故か、見知らぬ天井で目を覚ますこととなる。

ライ・フォール

そう母に呼ばれた瞬間、俺は異世界転生をしたことに気が付いた。

また、最初からやり直せるのなら、今度こそ、幸せな普通の人生を歩みたいと、心から願った。





数年の年月が経ち、俺が5歳となった時に初めて魔法を使ったが、どうやら他人と比べて高い魔力を保有しているらしく、すぐに専門の優秀な教師を宛てがわれた。

教師の教えは丁寧で卒がなく、俺はどんどんと魔法を習得していった。
こんな良い教師を雇えるなんて、どんなお金持ちなんだと父と母に財産について問い詰めた所、母は元貴族らしいが、富はなく、反対に父は商人として活躍しており、今ではかなりの財産を有しているとの事だった。

教師の教え方は俺の性格に合っていたようで、毎日学ぶのが楽しかった。
適度な量の課題を出してくれたり、ジョークを交えて魔法を一緒にしてみたり。たまに魔物退治をしたりと、実践も積ませて貰い、俺は様々な魔法を会得していった。

また、教師は産まれた場所が特殊だったらしく、魔法を自ら作り出す術も教わった。

そうして俺は、お金に関して心配すること無く成長し、魔法も同年代の子供と比較して飛び抜けた成長を遂げていた。





俺のいる国、二ーライ国は、15歳になると魔法学園、剣術学園、国立学園のいずれかに入学しなくてはならないという法律がある。学園で5年間学び、その間に就職先を探し、3年生以降に就職先が決まった場合、すぐに卒業しても良く、卒業式は全員20歳となった時点で行われるというカリキュラムとなっている。

俺は魔法に関してかなりの適正がある為、魔法学園へと入学をし、以来常にトップの成績を維持してきた。

しかし、魔王の産まれた地と名高い魔術大国である隣国から、去年・・・3年生の夏頃より留学してきたノアディア・サディーヌによって、俺の連続1位の座は奪われてしまった。

今まで以上に猛勉強をし、追い抜こうと必死に努力を積み重ねたが、どう足掻いてもトップの座は奪われたままであった。

しかも、アイツの気に食わない所は、2位の成績の俺に対して

「ライはまた2位でしたね。凄いじゃないですか、いつも頑張っていますからね。」

と、こちらの気も知らず褒めちぎった挙句、頭を撫でてくる所だ。

絶対に、絶対にアイツは俺の事を舐めている!!本心はきっと

(2位のお前はいくら頑張っても1位にはなれずじまいだな。今回も残念だったな?)

と、考えているに違いない!!

そういう訳で、俺は最近徹夜で前世の知識を思い出して、時間停止魔法を編み出した。

この世界には無いであろう魔術ではあるが、これを生み出したからといって成績が上がる訳では無い。まぁ、知られたらかなり厄介なことにはなるだろうが・・・。

とにかく、この時間停止魔法を使って、アイツに仕返しをする事に決めた。

さて、どうしてやろうか、これからが楽しみだ。
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