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1話 壁ドン作戦
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時間停止魔法をやっとの思いで会得した次の日、早速アイツと教室に入る前の廊下で遭遇した。
銀色の綺麗な髪と瞳を睨みつけていると、俺の黒色の瞳をアイツの瞳がとらえた。
見た目が黒髪黒目と平凡な組み合わせの俺は、敗北感を味わいながら、横を素通りしようとしたが・・・
「おはようございます。ライ、今日も目の下に隈がありますね。しっかり寝ないと大きくなれませんよ?」
と言い、爽やかな笑顔を向けてノアディアは俺の頬に手を添えてくる。
本当に、コイツは・・・!身長が低いことを気にしている俺に対してわざと嫌味を言ってきたのだろう、それに、隈ができるほど勉強しても無意味だとでも言いたいのだろう。
こっちは徹夜明けでイライラしているのに、喧嘩を売ってくるなんて、命知らずにも程がある。
「へ、へぇ。別に身長が高くなりたいとか思ってないし!?夜眠れない訳じゃないし!?・・・おはよう。」
「眠れないのでしたら、宜しければこのラベンダーのポプリをどうぞ。」
そう言って鞄から何やら可愛らしいポプリを取り出した。さしずめ彼女か女からの贈り物の処分に困って渡してきたといったところだろう。
「・・・ありがとう。」
いらないと言ったところで、どうせ捨てられるだろうしな。多分。まぁ、貰っておくか・・・。
笑顔が引き攣りそうになったところで、ふと、時間停止魔法の効果を試してみたくなった。
良い機会だ。彼女いますアピールで余裕そうなコイツに仕返しでもしてやろうか・・・。
「タイムアウト!」
そう大きく声を出し、魔力を込めた途端、周囲のざわめきは一瞬にして静寂へと変わった。
「成功か・・・!」
目の前にいるコイツ・・・ノアディアの顔に触れてみる。ふむ、微動だにしないな。やはり成功の様だ。
何かしらの欠陥があるといけないからな・・・取り敢えず頭を撫でてみたり、両手をつかんで遊んでみたりした。
反応は全くなく、成功したことが伺えた。
「フフフ・・・これからどうしてくれようか!」
全くのノープランである。
ど、どうしようか・・・そもそもノアディアがされて嫌な事って何なんだろうか・・・?
いや、もっと広範囲で物事を考えてみよう。男が男にされて気分を害すること・・・それは・・・
「壁ドンか・・・!?」
通常、男が男に対してする物では無いし、意中の相手以外にされるのは鳥肌モノである。それが男であり嫌われている俺がやるとしたら、効果は抜群なはずだ・・・!
そうと決まれば行動は早い。ノアディアの体を壁側に移動させ、時間を進める。
「リスタート!」
そして皆の時間は元通りに進んでゆく。
俺はノアディアが動く前に壁ドンをお見舞いしようと、体を傾けたのだが
「へぶっ!?」
勢いが良すぎたせいか、抱きつく形となってしまった。少し顔が痛かったせいか、涙目になりながらノアディアを睨みつける。
どうだ・・・少し失敗したが、これで嫌がらせは完了だ!
「ラ・・イ・・・」
どうやら嫌がらせは成功したらしく、ノアディアは顔を手で覆い、真っ赤になってプルプル震え始めた。恐らく、怒りと嫌悪感が物凄かったのだろう、声を出すこともできないようだった。
・・・何故だ、自分でやっといて何だが、少し傷付くなコレ。
数分経って、ようやく怒りが収まったのか、声を掛けてきた。
「ライ、顔をぶつけたようですが、痛みはありませんか?」
こちらに気を配るとは・・・まだまだ余裕がありそうだな。
「大丈夫。授業始まるし、教室入ろ。」
ぶっきらぼうにそう伝え、抱き着いていた腕をパッと離し、教室の扉を開ける。壁ドン(失敗したが)はあまり効いていなかったが仕方がない、今日の所はこれ位にしておこう。
また明日、今度はどんな嫌がらせをしようかと、一人で考え込む一日となった。
銀色の綺麗な髪と瞳を睨みつけていると、俺の黒色の瞳をアイツの瞳がとらえた。
見た目が黒髪黒目と平凡な組み合わせの俺は、敗北感を味わいながら、横を素通りしようとしたが・・・
「おはようございます。ライ、今日も目の下に隈がありますね。しっかり寝ないと大きくなれませんよ?」
と言い、爽やかな笑顔を向けてノアディアは俺の頬に手を添えてくる。
本当に、コイツは・・・!身長が低いことを気にしている俺に対してわざと嫌味を言ってきたのだろう、それに、隈ができるほど勉強しても無意味だとでも言いたいのだろう。
こっちは徹夜明けでイライラしているのに、喧嘩を売ってくるなんて、命知らずにも程がある。
「へ、へぇ。別に身長が高くなりたいとか思ってないし!?夜眠れない訳じゃないし!?・・・おはよう。」
「眠れないのでしたら、宜しければこのラベンダーのポプリをどうぞ。」
そう言って鞄から何やら可愛らしいポプリを取り出した。さしずめ彼女か女からの贈り物の処分に困って渡してきたといったところだろう。
「・・・ありがとう。」
いらないと言ったところで、どうせ捨てられるだろうしな。多分。まぁ、貰っておくか・・・。
笑顔が引き攣りそうになったところで、ふと、時間停止魔法の効果を試してみたくなった。
良い機会だ。彼女いますアピールで余裕そうなコイツに仕返しでもしてやろうか・・・。
「タイムアウト!」
そう大きく声を出し、魔力を込めた途端、周囲のざわめきは一瞬にして静寂へと変わった。
「成功か・・・!」
目の前にいるコイツ・・・ノアディアの顔に触れてみる。ふむ、微動だにしないな。やはり成功の様だ。
何かしらの欠陥があるといけないからな・・・取り敢えず頭を撫でてみたり、両手をつかんで遊んでみたりした。
反応は全くなく、成功したことが伺えた。
「フフフ・・・これからどうしてくれようか!」
全くのノープランである。
ど、どうしようか・・・そもそもノアディアがされて嫌な事って何なんだろうか・・・?
いや、もっと広範囲で物事を考えてみよう。男が男にされて気分を害すること・・・それは・・・
「壁ドンか・・・!?」
通常、男が男に対してする物では無いし、意中の相手以外にされるのは鳥肌モノである。それが男であり嫌われている俺がやるとしたら、効果は抜群なはずだ・・・!
そうと決まれば行動は早い。ノアディアの体を壁側に移動させ、時間を進める。
「リスタート!」
そして皆の時間は元通りに進んでゆく。
俺はノアディアが動く前に壁ドンをお見舞いしようと、体を傾けたのだが
「へぶっ!?」
勢いが良すぎたせいか、抱きつく形となってしまった。少し顔が痛かったせいか、涙目になりながらノアディアを睨みつける。
どうだ・・・少し失敗したが、これで嫌がらせは完了だ!
「ラ・・イ・・・」
どうやら嫌がらせは成功したらしく、ノアディアは顔を手で覆い、真っ赤になってプルプル震え始めた。恐らく、怒りと嫌悪感が物凄かったのだろう、声を出すこともできないようだった。
・・・何故だ、自分でやっといて何だが、少し傷付くなコレ。
数分経って、ようやく怒りが収まったのか、声を掛けてきた。
「ライ、顔をぶつけたようですが、痛みはありませんか?」
こちらに気を配るとは・・・まだまだ余裕がありそうだな。
「大丈夫。授業始まるし、教室入ろ。」
ぶっきらぼうにそう伝え、抱き着いていた腕をパッと離し、教室の扉を開ける。壁ドン(失敗したが)はあまり効いていなかったが仕方がない、今日の所はこれ位にしておこう。
また明日、今度はどんな嫌がらせをしようかと、一人で考え込む一日となった。
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