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その21(1)
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のぼせそうな気がして、泡を流し身体を拭いたら、中村さんのパジャマを下着を着けずに被ります
「!」
サラサラのシルクが心地よく、今まで味わった事がない程快適でした
そして、無毛になった方が、絶対快適だったのだと気付いたのです
ゆっくり階段を下りると、美味しそうないい香りがして、おやつの時間を過ぎ、お腹が空いている事に気づきました
「いい匂い…」
「もうすぐ出来る。昼も早くて軽かったから、腹減ったろ」
階段を下りきると
「ちょっと大きいか」
パジャマの事を言っているのだと分かり
「このくらいがちょうどいいです。お尻まで隠れますし…って言うか、すっごい気持ちいいですね!本当に」
「だろ」
シルクのズボンだけの中村さんは、ちょっと得意げな表情を見せてくれました
何もしなくて申し訳ないと思っていたのですが、並んだ料理を見て、何も出来る事はなかったのだと知り
「すごい!美味しそう!コレ、本当に中村さん1人で作ったんですか?」
「あぁ…役に立ちそうなヤツが見当たらなくてな…」
「すみません…」
「悪いと思うなら食うのを手伝ってくれ」
「はい!」
そんな時です
“ビー!”
来客を告げる呼び鈴に、中村さんがモニターボタンを押しました
『クロイヌ便でーっす。小林様にお届け物っす!サインかハンコお願いしまーっす」
「今行かせます。届け物だ。取って来て」
「え?私ですかっ?何?ちょっと…下、何か履いてから…」
「必要ないだろ」
穏やかだった中村さんが、急に口調を強め、空気を一変させました
「そのまま行って来いよ」
「………」
見下すように言われても動かない私を無視するように、キッチンでの作業に戻った中村さんに、これ以上無視されたくなくて、そのまま玄関へと向かったのです
なるべく上半身だけで対応出来るよう、ドアを半分くらい開け、顔を出します
「小林様っすか?」
あまり人に対して何も感じない方なのですが、ニヤリとした笑顔が、ちょっと嫌だなと感じつつも、きっと自分の服装でそう思ってしまっているのだと反省して
「はい…そうですけど…」
「お荷物っす!ハンコかサイン…」
「はい…」
隙間から手を伸ばして、伝票を受け取ろうとしましたが
「中まで運ぶんで!」
とドアを開けようとして来たので
「大丈夫です!」
少しの引っ張り合いの末、力の差で負けそうになった時
「どうした」
私の背後から、クロイヌ便側に援護した中村さんによって、ドアが全て開かれてしまいました
ドアの取っ手と一緒に外へと出され身を屈めていると
「あ…荷物を…中まで運ぼうかと…」
しどろもどろするお兄さんに
「預かるよ。ありがとう」
「っす…受け取りのサインを…」
中村さんはダンボールの箱を持ったまま、アゴで私を指したようで、お兄さんは私におずおずと伝票とボールペンを指し出します
なるべく小さな動作で受け取り、ドアがフルオープンながらも、室内に戻って玄関横の壁を使ってサインを書こうと伝票を見ると
“品名“の欄に“アダルトグッズ・玩具・等々”
と明記されている事に気づいて、ギョッとしました
全ての辻褄が合って先程のお兄さんのドアを引く力が急に怖くなりました
焦って書いた文字はミミズが這ったひらがなの“こばやし”に、要らない点の付いた“こばやい”になってしまい、それを慌ててお兄さんに押し付け、急いでドアを閉めます
リビングのドアに滑り込み、危険が去ったと落ち着くまでしゃがんだままガタガタ震え、動けませんでした
「どうした」
異変に気付いた中村さんの姿がキッチンの奥から現れたら
「怖…かった…」
安堵して涙が流れました
中村さんはゆっくりしゃがみ込み
「やりすぎたか…」
頭を撫でながら落ちつかせてくれます
「何が怖かった」
「宅配の…お兄さん…が…」
「そうか…怖かったか…」
床を見てうんうんと頷く私に
「オレは?怖くはないか」
うんうんと頷いて答えると
「そうか…オレ以外は…怖いか…」
うんうんと頷くと
「オレ以外は…ダメなんだな…?」
うんうんと頷いた私をギュッと抱きしめ
「悪かった。もうしない」
中村さんの胸でうんうんと頷いたら、また涙が流れました
「!」
サラサラのシルクが心地よく、今まで味わった事がない程快適でした
そして、無毛になった方が、絶対快適だったのだと気付いたのです
ゆっくり階段を下りると、美味しそうないい香りがして、おやつの時間を過ぎ、お腹が空いている事に気づきました
「いい匂い…」
「もうすぐ出来る。昼も早くて軽かったから、腹減ったろ」
階段を下りきると
「ちょっと大きいか」
パジャマの事を言っているのだと分かり
「このくらいがちょうどいいです。お尻まで隠れますし…って言うか、すっごい気持ちいいですね!本当に」
「だろ」
シルクのズボンだけの中村さんは、ちょっと得意げな表情を見せてくれました
何もしなくて申し訳ないと思っていたのですが、並んだ料理を見て、何も出来る事はなかったのだと知り
「すごい!美味しそう!コレ、本当に中村さん1人で作ったんですか?」
「あぁ…役に立ちそうなヤツが見当たらなくてな…」
「すみません…」
「悪いと思うなら食うのを手伝ってくれ」
「はい!」
そんな時です
“ビー!”
来客を告げる呼び鈴に、中村さんがモニターボタンを押しました
『クロイヌ便でーっす。小林様にお届け物っす!サインかハンコお願いしまーっす」
「今行かせます。届け物だ。取って来て」
「え?私ですかっ?何?ちょっと…下、何か履いてから…」
「必要ないだろ」
穏やかだった中村さんが、急に口調を強め、空気を一変させました
「そのまま行って来いよ」
「………」
見下すように言われても動かない私を無視するように、キッチンでの作業に戻った中村さんに、これ以上無視されたくなくて、そのまま玄関へと向かったのです
なるべく上半身だけで対応出来るよう、ドアを半分くらい開け、顔を出します
「小林様っすか?」
あまり人に対して何も感じない方なのですが、ニヤリとした笑顔が、ちょっと嫌だなと感じつつも、きっと自分の服装でそう思ってしまっているのだと反省して
「はい…そうですけど…」
「お荷物っす!ハンコかサイン…」
「はい…」
隙間から手を伸ばして、伝票を受け取ろうとしましたが
「中まで運ぶんで!」
とドアを開けようとして来たので
「大丈夫です!」
少しの引っ張り合いの末、力の差で負けそうになった時
「どうした」
私の背後から、クロイヌ便側に援護した中村さんによって、ドアが全て開かれてしまいました
ドアの取っ手と一緒に外へと出され身を屈めていると
「あ…荷物を…中まで運ぼうかと…」
しどろもどろするお兄さんに
「預かるよ。ありがとう」
「っす…受け取りのサインを…」
中村さんはダンボールの箱を持ったまま、アゴで私を指したようで、お兄さんは私におずおずと伝票とボールペンを指し出します
なるべく小さな動作で受け取り、ドアがフルオープンながらも、室内に戻って玄関横の壁を使ってサインを書こうと伝票を見ると
“品名“の欄に“アダルトグッズ・玩具・等々”
と明記されている事に気づいて、ギョッとしました
全ての辻褄が合って先程のお兄さんのドアを引く力が急に怖くなりました
焦って書いた文字はミミズが這ったひらがなの“こばやし”に、要らない点の付いた“こばやい”になってしまい、それを慌ててお兄さんに押し付け、急いでドアを閉めます
リビングのドアに滑り込み、危険が去ったと落ち着くまでしゃがんだままガタガタ震え、動けませんでした
「どうした」
異変に気付いた中村さんの姿がキッチンの奥から現れたら
「怖…かった…」
安堵して涙が流れました
中村さんはゆっくりしゃがみ込み
「やりすぎたか…」
頭を撫でながら落ちつかせてくれます
「何が怖かった」
「宅配の…お兄さん…が…」
「そうか…怖かったか…」
床を見てうんうんと頷く私に
「オレは?怖くはないか」
うんうんと頷いて答えると
「そうか…オレ以外は…怖いか…」
うんうんと頷くと
「オレ以外は…ダメなんだな…?」
うんうんと頷いた私をギュッと抱きしめ
「悪かった。もうしない」
中村さんの胸でうんうんと頷いたら、また涙が流れました
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