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その日は何かあったら直ぐに連絡することと念を押されつつ、そのまま夕暮れ時に1人で帰されました
もちろんドアノブに何かをかけられる事はなく、いつも通り何もないバイトじゃない日が過ぎて、バイトのある翌日を向かえ、いつもと同じ学校の日課を終えようとした時です。
「ちょっと!シブいイケメンが呼んでくれって、校門で待ってるけど!」
「へ?」
「早くっ!」
言われるがまま足早に校門へと向かうと、遠巻きの人垣を作って店長が堂々と待っていたのです
こちらの思考が追いつかないまま
店長は私を呼びに来た友達に向かって、私にはと言うか、お店でも見せた事のない笑顔で
「悪かったな、ありがとう。これからも仲良くしてやってくれ」
「は…はい!」
それだけで、私の友達もそれ以外の私も知らない人垣をしてる生徒達の心を鷲掴みにしたまま
「じゃ、行くぞ」
と私の頭をポンポンとしたのち、抱え込むようにして校門を後にすると、後方から小さく“キャー!”と乙女のハートの付いた声が聞こえました
側から見れば肩を組んだように見えるそれは、緩めのヘッドロックのまま引っ張られているだけで、当人は相当間抜けだと思いながら、人目が無くなる所まで辿り着くと、店長はすんなりさっぱり頭に廻した腕を離し
「こんなもんだろ」
「は…?」
私の思考は、イケメンが呼んでいるという所から、さっぱり追いついていません
「今日バイトだろ?行くぞ」
「知ってますし、行きますけど、今のは?」
「オマエに彼氏がいるって事をいっぺんに学校中が知れただろ」
「でしょうね…」
そう言われて、明日学校に行きたくないと思ってしまいましたが、言葉には出しませんでした
言いたい事は沢山あり、それを頭の中で整理している間にお店に着いてしまい、結局何も言えずモヤモヤしながらお客の居ないバイト時間を過ごしていると、ふと
「って言うか、犯人は学校の人なんでしょうか…?」
グラスを拭いている店長は手を止める事はしないまま
「どうだかな…」
「え?犯人が居ないかもしれないのに、あんな目立つ事したんですか?」
「居るかもしれないからしたんだろ。リスクは背負うって言ったよな?」
「ですけども…」
「だったら黙って仕事しろ」
それを聞いていたロン毛がコソッと
「あのな、多分それって序の口だと思うぞ?
言ったろ?止めとけって…」
「オマエも黙って仕事しとけ」
「ウィーっす」
そしてそれが序の口だとその日のうちに知れたのは、店を閉めてアパートへと送ってもらう時に、いつもは持っていない小さめのキャリーケースを店長が引いているのにロン毛が気付いた時でした
「アレ?店長どっか行くの?」
「今日からコイツがバイトの時は、コイツのアパートに泊まる」
「は?」
「いっ?」
“は?”は私で“いっ?”はロン毛です
そのままロン毛は
「そうなの?」
「イエ…初耳です」
「だから今言ったろ」
「そう言う事じゃなくて…大丈夫です」
「あのな、オレと付き合うんだよな?なら別に驚く事でもないはずだ」
「ま…まぁ…それもそうかもな…」
「ちょっと待って!今ここでそっち側に行かないでください」
「オレは付き合うって時にめっちゃ止めただろ?でもそれを振り切って店長の挑発に乗ったのはオマエだ…諦めろ」
「勘違いするな。付き合う事が目的じゃないだろ
ストーカーから守る為に仕方なく…だ」
「…ですけども…」
「本当かよ…」
「警察に行くのか?」
「イヤです」
「なら、お願いします…だろ」
「ムカつく…」
「じゃぁ警察に…」
店長は携帯を取り出して片手で器用にボタンを押そうとするので
「わー!分かりました!お願いします!」
今だから言えるけれど、それで携帯を閉じた店長の顔は、何よりもセクシーで、それまで抵抗していたのがバカらしく思える程店長の色気にクラッとさせられたのです
もちろんドアノブに何かをかけられる事はなく、いつも通り何もないバイトじゃない日が過ぎて、バイトのある翌日を向かえ、いつもと同じ学校の日課を終えようとした時です。
「ちょっと!シブいイケメンが呼んでくれって、校門で待ってるけど!」
「へ?」
「早くっ!」
言われるがまま足早に校門へと向かうと、遠巻きの人垣を作って店長が堂々と待っていたのです
こちらの思考が追いつかないまま
店長は私を呼びに来た友達に向かって、私にはと言うか、お店でも見せた事のない笑顔で
「悪かったな、ありがとう。これからも仲良くしてやってくれ」
「は…はい!」
それだけで、私の友達もそれ以外の私も知らない人垣をしてる生徒達の心を鷲掴みにしたまま
「じゃ、行くぞ」
と私の頭をポンポンとしたのち、抱え込むようにして校門を後にすると、後方から小さく“キャー!”と乙女のハートの付いた声が聞こえました
側から見れば肩を組んだように見えるそれは、緩めのヘッドロックのまま引っ張られているだけで、当人は相当間抜けだと思いながら、人目が無くなる所まで辿り着くと、店長はすんなりさっぱり頭に廻した腕を離し
「こんなもんだろ」
「は…?」
私の思考は、イケメンが呼んでいるという所から、さっぱり追いついていません
「今日バイトだろ?行くぞ」
「知ってますし、行きますけど、今のは?」
「オマエに彼氏がいるって事をいっぺんに学校中が知れただろ」
「でしょうね…」
そう言われて、明日学校に行きたくないと思ってしまいましたが、言葉には出しませんでした
言いたい事は沢山あり、それを頭の中で整理している間にお店に着いてしまい、結局何も言えずモヤモヤしながらお客の居ないバイト時間を過ごしていると、ふと
「って言うか、犯人は学校の人なんでしょうか…?」
グラスを拭いている店長は手を止める事はしないまま
「どうだかな…」
「え?犯人が居ないかもしれないのに、あんな目立つ事したんですか?」
「居るかもしれないからしたんだろ。リスクは背負うって言ったよな?」
「ですけども…」
「だったら黙って仕事しろ」
それを聞いていたロン毛がコソッと
「あのな、多分それって序の口だと思うぞ?
言ったろ?止めとけって…」
「オマエも黙って仕事しとけ」
「ウィーっす」
そしてそれが序の口だとその日のうちに知れたのは、店を閉めてアパートへと送ってもらう時に、いつもは持っていない小さめのキャリーケースを店長が引いているのにロン毛が気付いた時でした
「アレ?店長どっか行くの?」
「今日からコイツがバイトの時は、コイツのアパートに泊まる」
「は?」
「いっ?」
“は?”は私で“いっ?”はロン毛です
そのままロン毛は
「そうなの?」
「イエ…初耳です」
「だから今言ったろ」
「そう言う事じゃなくて…大丈夫です」
「あのな、オレと付き合うんだよな?なら別に驚く事でもないはずだ」
「ま…まぁ…それもそうかもな…」
「ちょっと待って!今ここでそっち側に行かないでください」
「オレは付き合うって時にめっちゃ止めただろ?でもそれを振り切って店長の挑発に乗ったのはオマエだ…諦めろ」
「勘違いするな。付き合う事が目的じゃないだろ
ストーカーから守る為に仕方なく…だ」
「…ですけども…」
「本当かよ…」
「警察に行くのか?」
「イヤです」
「なら、お願いします…だろ」
「ムカつく…」
「じゃぁ警察に…」
店長は携帯を取り出して片手で器用にボタンを押そうとするので
「わー!分かりました!お願いします!」
今だから言えるけれど、それで携帯を閉じた店長の顔は、何よりもセクシーで、それまで抵抗していたのがバカらしく思える程店長の色気にクラッとさせられたのです
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