蜜味の毒ーミツアジノドクー【R18】

RiTa

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コンビニで軽食を買いアパートへ帰ると、やはりドアノブにビニールが掛けてありました。

店長がビニールを取りそのまま部屋へ入ると

「オレを気にせずいつも通り過ごして寝て、明日も気にせず学校に行け」

そんなような事を言われ、店長がビールの缶を開けたのが合図のように、ドアノブのビニールは店長の手元に放置されたまま、それぞれがそれぞれの食事をしました。

それ以降会話らしい会話は無く、ナッツを摘みながらビールを飲んでいる店長をそのままに、言われた通りいつも通りにお風呂に入ると、いつも以上に大きく息を吐いていました。

ここでやっとリラックス出来たのだと思います。

お風呂でひたすら考えたのは
〈鍵をどうしよう〉
でしたが、髪や身体を洗い終える頃には
〈合鍵を渡した方が良いだろう〉
という結論に至っていました。

部屋に戻って直ぐに、クローゼットの奥にある棚から合鍵を出し

「コレ、合鍵です」

「ああ、預かる。オレはソファーを借りるから」

「はい。お風呂、入ったらお湯抜いてください」

「了解」

意外かもしれませんが、お互い全く色気がありませんでした。

普段からそれが普通な私のせいなのかもしれませんが、いつも色気を纏っているはずの店長が全くの色気ゼロ

ベットに入る前に

「そう言えば、この間受け取ったのもまだあるなら、渡してくれ」

そう言って、その日ドアノブに掛けてあったビニール袋を持ち上げたので、言われるまま問題のこの間のビニール袋をそのまま渡しました。

「コレで全部か?」

「はい」

「じゃ、風呂借りるから」

そう言って、ビニール袋はそのままに、ビールとおつまみのナッツを持って、こちらの電気を消し、お風呂のあるダイニングの方へと行ってしまいました。

私はと言えば、いつもよりぐっすりと眠れて翌日はスッキリと目覚め
いつの間にか店長がソファーで寝たのだとその時に気付きながらも、いつも通りキャンパスへと向かいました。

〈緊張はしたものの、危険は無いし、ドアノブ問題を抱えている今はむしろ安心だ〉

それが自転車を漕いでいる時に出した結論です

キャンパス内で友達に会うまでは…

「ちょっと!昨日のイケメンの話聞いてないけど!」

「あー。おはよう」

「おはよういらない」

「あのシブいイケメンは誰なのっ?」

「店長」

「彼氏なんでしょ?」

「んー…まぁ…」

「なにソレ。普通あんな彼氏いたらもっと嬉しそうにしない?自慢していいくらいなんだけど」

「そんな感じでもないんだよ…」

「ナニ?もしかして二股?不倫っ?」

「ええっ?それは…多分…違うと…思う」

「多分って何!」

〈多分結婚はしてないと思うんだけど…〉

「遊ばれてない?大丈夫?」

〈ある意味遊ばれているのかもしれない…〉

「心配なんだけど…」

「大丈夫だよ」



お昼の時なんて

「本当大丈夫なの?なんかレベルが違う感じするんだよね」

〈だよねー!自分は第1印象から感じているよー〉

「すっごいモテるだろうし、遊んできたっぽいよね」

〈うん。そうだと思うよ〉

「しかもバーテンって彼氏にしちゃダメな3Bでしょ?」

「バンドマン・美容師・バーテンってヤバくない?」

〈うん。店長はその仲間にもダメだと言われてるよ〉

「本当気を付けてね」

「大丈夫。ホラ、私色気ないから!」

「だからでしょ!色気がある女なら本命だろうし…」

「ちょっと!」

「あ!違うの!そう言う意味じゃなくて…」

「大丈夫。自分が1番分かってるから…ハハハ…」

幸せでない恋愛をしている女なんだと認識されたのは明白で

〈コレがリスクか…〉

と思いましたが、ドアノブ問題が解決するまでの我慢だと多くを語る事はしませんでした。

その日はバイトが無いので帰宅すると

「はぁぁぁ~疲れた…」

大きく息を吐き、心の声を漏らしていました

部屋を見渡すと、何時もと変わらず、ただソファーに置かれた畳まれたタオルケットだけがほんわりと店長の気配を残していたのです。

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