水野勝成 居候報恩記

尾方佐羽

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◼️番外編 はぐれやさぐれ藤十郎

ひとりぼっちで帰る家もない

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 尾張とそれをとり巻く国を中心に展開した戦いはもう半年以上続いている。戦いは美濃・加賀・紀伊・和泉・摂津まで拡大し散発的な戦闘が繰り返されたが、決定的な終戦の決め手を欠いて秋を迎えた。
 天正十二年(一五八四)九月、伊勢では家康方の戸木城(へきじょう、三重県津市)の木造具政(こづくりともまさ)は粘り強く籠城を続けている。蟹江城の合戦の後、伊勢を手中にしたい秀吉は蒲生氏郷(がもううじさと)に戸木城の攻撃を命じる。

 その頃、伊勢に待機する水野の陣では決定的なできごとがあった。
 待機している中には、家康直属の隊から戻ってきた藤十郎もいる。しかし戦況が膠着状態になっていることもあったのか、父の惣兵衛忠重は息子を扱いかねて放任したような態度を取っていた。惣兵衛の重臣たちも自然と藤十郎にはよそよそしくなる。
 この雰囲気に藤十郎は気を削がれていた。自身の直属の側衆も居心地悪そうにしていることがなおさらたまらなかった。家康の陣でそれなりに自信も得て戻ってきたのに、待機が続くのでは挽回の機会もない。再び藤十郎は酒と女にふらふらと向いてしまう。夜こっそりと陣を抜け出していく。藤十郎の寝床には側衆が替わりをして、誰ともつかない寝息を立てている。
 ばれないと思っていた。
 ばれるはずはないと。

 そのような夜をいくつか重ねた後、藤十郎は惣兵衛に呼び出された。いやな予感しかしなかったがおとなしく惣兵衛の前に座る。父はむっつりしたまま、しばらく時間が経つ。それから地の底から響くような低い声で言う。
「おぬし、夜なよなこっそり宿所を抜け出しておるな」
 やはりばれとる、と藤十郎は脂汗をかくが、嘘はつけない。
「然り」
「伊勢街道沿いに茶屋町があるが、その辺りか」
 ばれているもばれている。場所まできっちり正確に言い当てられてしまった。
「然り」としか言いようがない。
「おぬし、己の立場を分かっとるんきゃ?」
 ここで「然り」と言えば逆鱗に触れる。藤十郎はうつむいて黙っていた。
「もう、いちいち説教はせん。今後同じようなことがあれば、もうわしの跡はやらぬで、覚えておけ」と惣兵衛は罪の宣告のごとく、藤十郎に告げた。藤十郎はうつむいた体勢からバッと頭を床に付ける。惣兵衛はそれを一瞥して座を立った。

 後で自身の側衆に話を聞く。
 惣兵衛の家臣の一部に藤十郎は跡継ぎとしてふさわしくない、はっきり言えば不適格だと主張する者がおり、藤十郎のこれまでの素行をーー惣兵衛が知らないことまでーー縷々述べたてていたのだ。それだけではなく、陣に戻ってきてからの藤十郎の行動も逐一調べていたというのである。
 この時点でまた、藤十郎は沸騰しそうになっている。藤十郎が茶屋に行くのをこっそり尾行していた家臣の名前も聞いた。

 しばらくして、藤十郎は富永半兵衛という父の家臣を外に呼び出した。
「何かございましたか。実はちょっと所用がありまして、お話は手短にお願いできれば」と富永はつかつかとやってきた。陰に煩わしいという真意があるような気がして、藤十郎は神経を逆撫でされたように感じる。
「貴殿、昨夜、わしのことを尾けておったきゃ?」と藤十郎はカマをかける。
 人の話だけで本当かどうか分からないので、確かめようとしたのだ。すると、富永は一瞬ギクッとした顔をして目線が泳いだ。藤十郎は聞いた話が真実だろうと判断する。
「いや、何の話でしょうか。昨夜どこかへ行かれたのですか」と富永は堂々と分からない風をする。
 藤十郎はため息をつく。
「貴殿らあはそれほどまでにわしを追い出したいのかや?」と今度は静かな口調で聞く。
「いえ、いえ、さようなことは。ただ、お屋形さまはずっとご立腹されとりますで……お屋形さまにじかにお尋ねになった方がよろしいかと」
 また富永ははぐらかすような言い方をする。
 しかし藤十郎は見逃さなかった。
 富永の目だ。
 憎悪のような、
 侮蔑のような、
 排除のような、
 薄ら笑いのような、
 謀っているような、
 気持ちの悪い目を藤十郎は見た。
 その瞬間に彼の理性は飛んでしまった。

 去っていこうとする富永の背中。
 藤十郎は腰の刀を抜き、
 それを目掛けて一気に振り下ろした。

……
……

「それでまた、こちらにトンボ返りということか。しかしな、それはもうわしにゃどうしようもできぬ。惣兵衛の陣から使者が来て、おぬしが来ても追い出せという」
 二十歳の青年はその場に呆然と立ち尽くしている。さすがに家康もそのまま追い返すことはできず、宿所に招き入れる。

 富永半兵衛は藤十郎の一太刀で絶命した。
 宿所が騒然とする中、藤十郎はその場で立ったままでいる。殺気立った空気に誰も近寄ることができない。夕闇が辺りを覆い始めているが太陽の色は濃く一帯を紅く染めている。
 そこに惣兵衛が早足でやってくる。目の前の光景に何があったのか瞬時に悟った。父はわなわなと震えていた。そして怒りを爆発させるように叫んだ。
「ぬしゃ、ぬしゃ、ぬしゃ、ぬしゃ、何ということをしてくれた!出ていけ!出ていけっ!おぬしは奉公構とする。今度その面を見せたら、わしが叩き斬ってやる!今すぐ去ねっ!」

 それで終わりだった。

 奉公構(ほうこうかまい、ほうこうかまえ)というのは勘当、あるいは家への出入禁止以上に厳しい処遇である。他の家にも仕官を禁じるということだ。親子間だけでなく主君と家臣の関係でも発しうるものである。
 いや、親子で出す例の方が稀有だった。
 水野家を追い出されたら藤十郎は家康を頼るだろう。あるいは鑓働きでどこかに使ってもらおうとするだろう。それでは仕出かしたことへの贖罪にはならない。
 奉公構というのはそのような意味である。

 さて、藤十郎の四四歳の従兄弟は眉間にシワを寄せている。
 ありていに言えば、身内の問題に関わっている暇はなかった。真っ最中の小牧・長久手の戦いをどう決着するか、ほうぼうからの情報を集めながら日々考えているのだ。そこにこの話である。

 どうしたものかと家康は考えあぐねていた。

「……家臣を斬るとはまったく、取り返しのつかないことをしたものだで。家臣をたやすく斬るような主君に誰が忠義を尽くすかや。思案すれば分かるはずだで」と家康は渋い顔で言う。

 藤十郎はそれについては余分な口を利かなかった。
「まったくその通りで申し開きのしようもない。しかし、もうあれ以上は堪えきれんかった。家中がみなわしの敵のような気配になっとったがや……もう父は許さんと思うで、水野から放逐されるんは仕方ない。ただ、これからわしはどう身を立てていくか、それを相談したいと思うてこちらに来た。無論、話が済んだら直ちに出ていくで。これ以上三河どのに迷惑はかけられん」

 意外に素直な言葉に家康は少々驚いた。忠重の文ではもっと激しい言葉が殴り書きのように書かれていたのだ。

〈愚息の増上慢と放埒な性分にはかねてより平時も腹に据えかねるところあれども、度々の叱責も険のある目付きで返すばかり。とりわけ戦に出るようになって以降はいかんともしがたく、家中でも跡継ぎとしての器量を危ぶまれたのを逆恨みし、件に至った次第……〉

「そもそも、なぜおぬしは荒れておるのでや」

 家康は腹にある疑問をそのまま藤十郎に投げてみる。投げられた方は「うーむ」と難しい顔をしている。
「……戦うとるときはええ。馬を駆り鑓を手に敵方に突っ込んでいくときは、命のぎりぎりのところに立っているような昂りを覚える。しかし、その後がいかん。あれはいかん、これはいかんと小言を言われるばかり。手柄のことなぞひとつも誉められぬ。何のために自分が戦うのかさっぱり分からんようになる。それでいらつく。いらついた心が収まらぬ。おまけに酒や女を覚えてしもうたで、憂さ晴らしにそちらにふらふらといってしまう。溺れてしまう。それがなおさら家中の耳目をそばだてる。悪い方の堂々巡りだでいかん」

 自分の置かれている状況は分かっているようだ。酒や女がよろしくないことも。その上でいらついている。
 不自由なのだ、と家康は見てとる。

 不自由といえば、家康ほど不自由な人も珍しい。
 母に甘える子ども時代を送ることを許されず、今の藤十郎ぐらいの歳までずっと人質の身分だった。やっと今川から独立し家を興したと思ったら戦続き、織田信長に臣従してまた戦続き、はては身内に不慮の死を与えなければならなかった。
 いずれにしても、いつになったら自由になるのか、とため息をつきたくなるのは家康の方だった。
 それに較べれば、藤十郎は遥かに自由で真っ当だ。父母に大切にされて成長し、身内にも可愛がられた。家康とは大違いである。それなのになぜここまで不自由になるのか。若者ゆえの熱の昂りによるものなのか。

 家康は思案する。

 そこでふっと、信長に褒美を下されると伝えたときの藤十郎の誇らしい顔を家康は思い出した。

「おぬしは、亡き右府さまになりたかったんか」

 藤十郎はびくっとして、家康の顔を見る。
 しばらく、藤十郎は黙ったままでいる。膝に置かれた拳は固く握りしめられている。そして、うつむきながら静かにうなずいた。

「天下人になりたかったわけではないで、あのような男になりたいと童の時分よりずっと願っておった」

 家康にはおおむね合点がいった。
 確かにこの従兄弟は小さい頃から信長に心酔していた。水野家にとっても家康にとっても苦く複雑な思いを抱く人であるが、それでも純粋に憧れていたのか。ただ、その生き方ができるのは限られた者だけだ。

「それがあのような死を迎えることになった。目指す的が無うなった」
「さよう、あの一件でわしは奈落に落とされたような心持ちになり申した。水野にも、三河どのにも酷いことをしたんも知っとりゃあす。それでもわしは憧れを抱いとった。だで……」

 家康は従兄弟の複雑な心情が理解できたようだ。憧れがなくなった行き場のなさと、自分が思うように生きられない鬱憤が重なったのだと。

 家康はしばらく、天井を見上げて口をとがらせていたが、何に応えるでもなく何度もうなずきながら、ようやく口を開いた。
「清洲の近郷にわしが懇意にしとる寺があるで、しばらくそこに隠れとれ。清洲なら返って見つからん。なにしろ奉公構を出されとるで、隠れるしかない。その間にわしと母御で惣兵衛を説いてみよまい。わしのみではまず無理だと思うが、母御が入れば……」
 家康の母・於大は水野家最大のご意見番である。

 藤十郎は口をポカンと開け目を丸くして、家康を見つめている。
 家康はその反応が予想外のものだったので、ついに呆けたかと従兄弟の顔を覗き込んだ。すると藤十郎はまばたきもせず家康の顔を凝視している。そして、問うた。
「従兄弟どのはそれで困らんのかいや」
「困る? ああ、惣兵衛に何を言われるか恐ろしい恐ろしい。だで母御にお出まし願うと……」
 言いかけて家康は途中で止めた。
 なぜなら、藤十郎が涙をぽろぽろこぼして、鼻水を垂れ流して泣いていたからである。
 一言で言えばみっともない。三方原での自分を思い出して身につまされもする。家康は思わず顔をしかめる。

 いかんがや。
 こやつのこういうところがいかん。
 いかんがや。
 武士の矜持だのをどこかにやって、
 バカ正直におのれの心をむき出しにする。
 懐紙は持っとらんのか、懐紙は。
 これではまるで、三方ケ原の……。

 家康はくしゃくしゃに集めた顔をほぐして肩を落とす。そして、懐紙を取り出してだだ漏れの従兄弟にすっと手渡す。それを藤十郎はさっと取りおもむろにチーン、チーンと鼻をかんだ。その様子がまるで幼子のようで家康は一瞬微笑んだ。

 しかし、その笑みは一瞬で凍りついた。

 従兄弟のように素直に泣くことなどできない。家康は凍りついた心を表に出すようなことは決してない。それでずっと生きてきたのだ。
 そのようなことには思い至らない藤十郎は鼻をかんで、涙をふいてスッキリしたようだ。
「いや、済まぬ。従兄弟どのがあまりにも親身に考えとってくれたもんで、思わず感極まってしまうたで。なにゆえそれほどわしのことを案じてくれるんでや」
 家康は目を静かに伏せた。

「身内で殺し合うなど、まこと地獄だで」

 藤十郎はそれを聞いて、黙りこんだ。
 織田信長は、家康に水野信元の暗殺を命じた。そしてその後で家康の正室・瀬名(築山殿)の暗殺、嫡男の信康の切腹を命じたのである。武田と内通したというのがその理由だった。その話を家康は他にこぼすことがない。藤十郎も聞いたことがなかった。
 それだけにどこまでも底のない沼のような、深く重い言葉であった。

 藤十郎は餞別を持たされて家康の陣をあとにした。
 いや、餞別ではない。家康は「出世払い」と言ったのだが、それを藤十郎が借金だと考えているふしはない。そうそう返せるものではないからだ。今後身を立てることがあるのなら、家康に仕えて鑓働きで返すしかない。

 藤十郎に預けられたのは金二百枚ともいわれる。小判のことだろう。貨幣が統一されていなかった頃の話なので現代の価値にあてはめるのは難しいが、数千万円ほどになると思われる。これから清洲の寺に隠れる男にその額はあまりにも多すぎるのだが、家康はこのとき首尾よくいけば藤十郎を一人立ちさせようと考えたのかもしれない。しかし、藤十郎の父の怒りは生半可なものではなかった。水野惣兵衛忠重は息子を決して許すつもりはなかった。家康と於大が寛大にはからってほしいと申し入れたが、ものの見事にはねつけられた。
 それだけではない。
 藤十郎が清洲の寺に隠れているという噂を聞いた惣兵衛は探索を命じ、清洲城下をくまなく回らせた。藤十郎は身の毛が総て立つほど恐れた。捕まったらどうなるのか。探索をかけられて無事に元通りに戻れるとは思えない。

 切腹するぐらいしか。

 父はわしを殺そうというのか。あるいはどこか遠くに消え失せろということか。家康の厚意も、おそらくは於大の伯母の取りなしも父は拒絶したのだ。
 それほどまでにわしが憎いのか。

 藤十郎の心に暗いものが覆い被さった。その心ひとつと金子だけを持って、夜の闇の中、藤十郎は清洲の城下を走り去っていった。
 ひとりぼっちで、帰る家もなく。
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