ピーナッツバター

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One Summer day(53)

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~夕方~

「んん…、あれ、ひよしさん…?」

「よっ、目覚めたか。」

僕、疲れきって寝ちゃっていたみたいだ。

さっきまでいたパラソルの下にいた。

服もちゃんとパーカーと海パンを身につけていた。

あたりは人が大分減っていた。

「ひよしさんがここまで運んでくれたの?」

「あぁ、大変だったぞ。服も着せてやったし。急に意識飛ばすからさ」

「ひよしさんのせいじゃん…」

「空の体力がなさすぎんのも問題だけどな」

僕が唇を尖らせるとひよしさんは楽しそうに笑った。

「もう夕方?だいぶ人減ったね」

昼間の賑わいが嘘のように人が減って、海が寂しげに波打っていた。

「そうだな。勿体無いよな」

「勿体無い?なんで?」

「そろそろだな。空、いいときに目覚ましたよ」

ひよしさんがそう言うと、海と空の境界線あたりを指差した。

「わぁ……」

夕日がまさに沈もうとしていた。

オレンジ色が海と砂浜と僕達を照らしている。

「ここのサンセット、絶景なんだよ。これもいつか空に見せたいと思ってたんだ」

「…綺麗だね…」

心からそう思った。

僕はそっとひよしさんの肩に頭を乗せてみた。

ひよしさんも僕の肩に優しく手を回してくれた。

そういえば、付き合い始めたときは海で朝日を一緒に見た。

あれからもう1年経ったんだなぁ。
 
「ひよしさん、今日1日凄い楽しかったよ。エッチな事さえなければだけどね」

「それもよかったくせに」

「…バカ…ッ」

僕は赤くなった顔を隠すようにひよしさんの胸にうずくまった。






END
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