497 / 601
【過去編】永遠の夏㉑
しおりを挟む
Side 空
その日は先生が僕を家まで送ってくれた。
次の日は、学校を休んだ。
あまり体調がよくなかったのもあるけど、やっぱり行くのが怖かった。
その日はずっと布団から出なかったけど、夕方頃、スマホが鳴った。
サキヤかと思って見たら、先生からだった。
昨日、番号を教えてもらっていたんだ。
僕は電話に出た。
「…もしもし」
「結城か?」
「はい」
学校に来なかった事を怒られるのかと思い、膝を抱き寄せた。
「あいつら、退学にしたから」
「…え?」
「あの4人組、退学にした。もう学校には来ない。」
「そう、ですか…」
それを聞いて、少し安堵した。
「明日の放課後、ダンス教えてくれないかな?」
先生が言った。
僕は黙ってしまった。まだ学校に行く事に躊躇いがあった。
「俺が結城を守る」
僕の心を読んだように、少しの沈黙のあと、先生が言った。
「俺が絶対にお前を守るから。代わりに、結城は俺にダンスを教えてくれ」
優しかった。
電話口から聞こえる先生の声は、今まで会った誰よりも優しかった。
僕が学校に行く後押しをしてくれているんだとすぐに感じた。
守る、なんて誰かに言われた事がなかった。
涙が1筋、頬を伝うのがわかった。
泣いていたなんて、
涙が目から溢れるまで、自分で気付かなかった。
「…結城?大丈夫か?」
先生の心配そうな声が聞こえた。
「っ、はい。明日、ダンス教えます」
僕は答えた。
明日は学校に行こうと思った。
その日は先生が僕を家まで送ってくれた。
次の日は、学校を休んだ。
あまり体調がよくなかったのもあるけど、やっぱり行くのが怖かった。
その日はずっと布団から出なかったけど、夕方頃、スマホが鳴った。
サキヤかと思って見たら、先生からだった。
昨日、番号を教えてもらっていたんだ。
僕は電話に出た。
「…もしもし」
「結城か?」
「はい」
学校に来なかった事を怒られるのかと思い、膝を抱き寄せた。
「あいつら、退学にしたから」
「…え?」
「あの4人組、退学にした。もう学校には来ない。」
「そう、ですか…」
それを聞いて、少し安堵した。
「明日の放課後、ダンス教えてくれないかな?」
先生が言った。
僕は黙ってしまった。まだ学校に行く事に躊躇いがあった。
「俺が結城を守る」
僕の心を読んだように、少しの沈黙のあと、先生が言った。
「俺が絶対にお前を守るから。代わりに、結城は俺にダンスを教えてくれ」
優しかった。
電話口から聞こえる先生の声は、今まで会った誰よりも優しかった。
僕が学校に行く後押しをしてくれているんだとすぐに感じた。
守る、なんて誰かに言われた事がなかった。
涙が1筋、頬を伝うのがわかった。
泣いていたなんて、
涙が目から溢れるまで、自分で気付かなかった。
「…結城?大丈夫か?」
先生の心配そうな声が聞こえた。
「っ、はい。明日、ダンス教えます」
僕は答えた。
明日は学校に行こうと思った。
1
あなたにおすすめの小説
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる