6 / 51
お出かけ
しおりを挟む
しばらくして、俺はルナに案内されながら街に出た。
おじいちゃんがこっちの通貨(紙幣はなくてコインだけらしい)をいくらか渡してくれて、「ルナと一緒に服でも買って来なさい。ルナ、午後はそんなに忙しくなさそうだから、リク君を案内してあげなさい。ただし、一人行動はしない事。」と言っていた。
こっちの世界で一文無しの俺にとっては本当に有難かった。
本当、ルナのおじいちゃんいい人だ。外見だけで怖いと思ってしまった事を猛省した。
「ルナ、おじいちゃんが言ってた、1人行動しないようにってどういう事なの?」
方向音痴とかなのかな?と思い、ルナと並んで歩きながら聞いた。
「あ、なんか僕が1人で歩くと危ないからって1人で街に行かせてくれないんだよね。平気なのに。」
ルナは唇を尖らせる。なるほど、そっちの意味か。
確かに周りを見ると、ルナをじっと見ている通りすがりがチラホラいる。やっぱ、ここまで可愛いと目立つもんな。本人はおそらく無自覚系だと思うし。おじいちゃんの判断は正しい気がした。
そんな事を考えていると、ルナがじっと俺の事を見ていた。
「な、なに?」
俺は慌てて顔をそらす。
「こうやって見ると、リクってカッコイイ顔してるよね。」
「え、そうかな…?」
「うん。前の世界でモテなかった?」
「モテないよ…。ルナこそ、モテるんじゃない?」
「うーん、好きって言われることは結構あるかな。でも、どの人の事もなんか好きになれなくて…。だから僕付き合ったことないよ。」
「そうなのか!?」
ちょっと意外だった。こんな可愛い子が一度も付き合ったことがないなんて。
街を闊歩しながらのルナとの会話は楽しかった。
ルナは陽気で可愛くて話も合う。
こんなに素敵な男の子を連れて街を歩けるなんて、なんだかそれだけで心が満たされていった。
----
「すっかり遅くなっちゃったね。」
「そうだね。」
俺がいた世界では売っていないような変わった模様や形の服があって、つい夢中になってしまった。
お金はルナがおじいさんから持たされていたが、俺はこの世界の金額単位を分からないから、気に入った服の費用感をルナに確認してもらった。
「リクは高いものばっかり選ぶよね」と却下され続けた事もあって余計に時間がかかってしまった。
俺は値段も知らないくせに高価なものにばかり目がいってしまっていたようだ。
そんなこんなで気付けば夕暮れになっていた。ルナとの時間があまりに楽しくて、あっという間だった。
それにしても、この街は日が暮れても風が温かい。それになんと言うか、強く吹き付けることの無い優しい風だった。
「ねぇ、お風呂行かない?」
俺が風を感じていると、少し前を歩くルナが俺の方を見て言った。俺は、風がなびかせたルナの髪の毛をなんとなくじっと見ていた。
「…聞いてる?」
「あ、ごめん。そういえば体が汗でベトついてるかも…ってお風呂!?」
「じゃあ決まりだね!すぐ近くにスパがあるんだ!」
ルナは嬉々として俺の手を引いて小走りをする。
「ちょ…、ルナ!風呂って、俺と一緒に入るってこと?」
「え、当たり前じゃん。」
嘘だろ。俺、こんな可愛い子と風呂入るのか?
戸惑いながらも連れられて走る俺の全身を風が切っていく。
おじいちゃんがこっちの通貨(紙幣はなくてコインだけらしい)をいくらか渡してくれて、「ルナと一緒に服でも買って来なさい。ルナ、午後はそんなに忙しくなさそうだから、リク君を案内してあげなさい。ただし、一人行動はしない事。」と言っていた。
こっちの世界で一文無しの俺にとっては本当に有難かった。
本当、ルナのおじいちゃんいい人だ。外見だけで怖いと思ってしまった事を猛省した。
「ルナ、おじいちゃんが言ってた、1人行動しないようにってどういう事なの?」
方向音痴とかなのかな?と思い、ルナと並んで歩きながら聞いた。
「あ、なんか僕が1人で歩くと危ないからって1人で街に行かせてくれないんだよね。平気なのに。」
ルナは唇を尖らせる。なるほど、そっちの意味か。
確かに周りを見ると、ルナをじっと見ている通りすがりがチラホラいる。やっぱ、ここまで可愛いと目立つもんな。本人はおそらく無自覚系だと思うし。おじいちゃんの判断は正しい気がした。
そんな事を考えていると、ルナがじっと俺の事を見ていた。
「な、なに?」
俺は慌てて顔をそらす。
「こうやって見ると、リクってカッコイイ顔してるよね。」
「え、そうかな…?」
「うん。前の世界でモテなかった?」
「モテないよ…。ルナこそ、モテるんじゃない?」
「うーん、好きって言われることは結構あるかな。でも、どの人の事もなんか好きになれなくて…。だから僕付き合ったことないよ。」
「そうなのか!?」
ちょっと意外だった。こんな可愛い子が一度も付き合ったことがないなんて。
街を闊歩しながらのルナとの会話は楽しかった。
ルナは陽気で可愛くて話も合う。
こんなに素敵な男の子を連れて街を歩けるなんて、なんだかそれだけで心が満たされていった。
----
「すっかり遅くなっちゃったね。」
「そうだね。」
俺がいた世界では売っていないような変わった模様や形の服があって、つい夢中になってしまった。
お金はルナがおじいさんから持たされていたが、俺はこの世界の金額単位を分からないから、気に入った服の費用感をルナに確認してもらった。
「リクは高いものばっかり選ぶよね」と却下され続けた事もあって余計に時間がかかってしまった。
俺は値段も知らないくせに高価なものにばかり目がいってしまっていたようだ。
そんなこんなで気付けば夕暮れになっていた。ルナとの時間があまりに楽しくて、あっという間だった。
それにしても、この街は日が暮れても風が温かい。それになんと言うか、強く吹き付けることの無い優しい風だった。
「ねぇ、お風呂行かない?」
俺が風を感じていると、少し前を歩くルナが俺の方を見て言った。俺は、風がなびかせたルナの髪の毛をなんとなくじっと見ていた。
「…聞いてる?」
「あ、ごめん。そういえば体が汗でベトついてるかも…ってお風呂!?」
「じゃあ決まりだね!すぐ近くにスパがあるんだ!」
ルナは嬉々として俺の手を引いて小走りをする。
「ちょ…、ルナ!風呂って、俺と一緒に入るってこと?」
「え、当たり前じゃん。」
嘘だろ。俺、こんな可愛い子と風呂入るのか?
戸惑いながらも連れられて走る俺の全身を風が切っていく。
0
あなたにおすすめの小説
レンレンは可愛い(*´×`*)四十路のおじさん♡Ωに覚醒しました!〜とにかく元気なおバカちゃん♡たぁくん爆誕です〜
志村研
BL
あるところに、高生さんという駄目なおじさんがおりました♡
このおじさん、四方八方に怒られてます。
でもちっとも懲りません。
自分らしさ炸裂にしか生きられなくて、分かっちゃいるけどやめられないんです。
でも、そんな人生だってソコソコ満喫してました。
\\\\٩( 'ω' )و ////
…何だけど、やっぱりね。
色々もの足りなくて、淋しくて。
…愛されたくて、たまらなかったんです。
そんな時、Ωに覚醒♡
高生さんの国では正斎子といいます。
これに成っちゃうと不幸になりがちです。
そんな訳で。
ろくな事をしない割に憎めないおじさんは、心配されてます。
だけど本人は気づきもせずに、ボケっとしてました。
そんなんだから、やらかしました。
そんな時に限って、不運を重ねました。
そんなこんなで、囚われました。
人生、終わった!
もう、何もかもドン底だ!
。・゜・(ノД`)・゜・。
いや、ここからですよ♡
とにかく元気なおバカちゃん♡
中欧のΩおじさん、たぁくん♡爆誕です!
\\\٩(๑`^´๑)۶////
優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―
無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」
卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。
一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。
選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。
本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。
愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。
※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。
※本作は織理受けのハーレム形式です。
※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください
リンドグレーン大佐の提案
高菜あやめ
BL
軍事国家ロイシュベルタの下級士官テオドアは、軍司令部のカリスマ軍師リンドグレーン大佐から持ちかけられた『ある提案』に応じ、一晩その身をゆだねる。
一夜限りの関係かと思いきや、大佐はそれ以降も執拗に彼に構い続け、次第に独占欲をあらわにしていく。
叩き上げの下士官と、支配欲を隠さない上官。上下関係から始まる、甘くて苛烈な攻防戦。
【支配系美形攻×出世欲強めな流され系受】
愛され少年と嫌われ少年
透
BL
美しい容姿と高い魔力を持ち、誰からも愛される公爵令息のアシェル。アシェルは王子の不興を買ったことで、「顔を焼く」という重い刑罰を受けることになってしまった。
顔を焼かれる苦痛と恐怖に絶叫した次の瞬間、アシェルはまったく別の場所で別人になっていた。それは同じクラスの少年、顔に大きな痣がある、醜い嫌われ者のノクスだった。
元に戻る方法はわからない。戻れたとしても焼かれた顔は醜い。さらにアシェルはノクスになったことで、自分が顔しか愛されていなかった現実を知ってしまう…。
【嫌われ少年の幼馴染(騎士団所属)×愛され少年】
※本作はムーンライトノベルズでも公開しています。
狼領主は俺を抱いて眠りたい
明樹
BL
王都から遠く離れた辺境の地に、狼様と呼ばれる城主がいた。狼のように鋭い目つきの怖い顔で、他人が近寄ろう者なら威嚇する怖い人なのだそうだ。実際、街に買い物に来る城に仕える騎士や使用人達が「とても厳しく怖い方だ」とよく話している。そんな城主といろんな場所で出会い、ついには、なぜか城へ連れていかれる主人公のリオ。リオは一人で旅をしているのだが、それには複雑な理由があるようで…。
素敵な表紙は前作に引き続き、えか様に描いて頂いております。
【BLーR18】箱入り王子(プリンス)は俺サマ情報屋(実は上級貴族)に心奪われる
奏音 美都
BL
<あらすじ>
エレンザードの正統な王位継承者である王子、ジュリアンは、城の情報屋であるリアムと秘密の恋人関係にあった。城内でしか逢瀬できないジュリアンは、最近顔を見せないリアムを寂しく思っていた。
そんなある日、幼馴染であり、執事のエリックからリアムが治安の悪いザード地区の居酒屋で働いているらしいと聞き、いても立ってもいられず、夜中城を抜け出してリアムに会いに行くが……
俺様意地悪ちょいS情報屋攻め×可愛い健気流され王子受け
【完結】顔だけと言われた騎士は大成を誓う
凪瀬夜霧
BL
「顔だけだ」と笑われても、俺は本気で騎士になりたかった。
傷だらけの努力の末にたどり着いた第三騎士団。
そこで出会った団長・ルークは、初めて“顔以外の俺”を見てくれた人だった。
不器用に愛を拒む騎士と、そんな彼を優しく包む団長。
甘くてまっすぐな、異世界騎士BLファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる