レモネードのように。

はる

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砂時計

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「ここ、僕の部屋ね。」

二階にあがり、ルナは俺を部屋へ招き入れてくれた。

「ありがとう。へぇ、綺麗にしてるんだね。」

ぬいぐるみとかが溢れているようなメルヘンな部屋を勝手に想像していたけど、まるで逆だった。白と黒を基調とした綺麗に片付いた部屋。物が置かれていない分、広く感じた。

ふと、窓際に置かれた、少し大きな砂時計に気付いた。陽の光を浴びたピンク色の砂がキラキラと輝いていてとても綺麗だったが、砂が下に流れずに上部に溜まったままになっていたのが気になった。

「この砂時計、動いてないの?」

「あーうん。壊れてるみたい。」

少し間を置いてルナが答えた。砂がちっとも下に流れないなんて不思議だなぁと思ったが、何故か俺はその砂時計から暫く目が離せなかった。

 
「本当に宿泊させて貰っていいのか?」

「いいってば。もう何回聞いてるの?意外と気遣い屋さんだよね、リクって。」

「意外とって…。」

「あはは、ごめんね。リク、服ないよね?僕の服じゃ多分小さいよね。リクって身長何センチくらい?」

そう言うと、ルナは俺に近付いて、手のひらを自分の頭の上に持ってきて、身長差を測るような仕草をした。

「お、俺は175センチくらい…かな。」

俺は動揺しながら答えた。だって、こんな美少年がいきなり接近してきたらそりゃ狼狽えるだろう。

「そっかー、僕は160センチくらいだよ。リクくらい身長あったらよかったなぁ。」

「160はあるんだ…。」

もっと小柄な気がしていたから、思った事がつい口をついて出てしまった。

「あー!もっと小さく見えたって事!?泊めてあげないよ?」

ふくれっ面をしながらそう言ったルナは、殺人的に可愛かった。

「ごめん。でもさ、ルナは小さくて可愛いと思うよ。」

これまた思った事がそのまま口から出てしまった。反論してくるかと思ったら反応がなかったのでルナの方を見ると、少し顔を赤らめながら「別に可愛くないもん…」と小さく言った。

待ってくれ、何なんだこの子の可愛さは。わざとなのか?だとしたら、あざと可愛すぎる。

「ルナってちょっとあざといキャラなの…?」

「あざといって何?」

またまた思った事が口から飛び出てしまったが、どうやら言葉の壁に阻まれたようだった。
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