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第二章
秋晴れの空、遠く。
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今日も青色の空が広がる秋晴れ。
登校する生徒や、出勤する大人たちが皆、前を向いてせかせかと歩く。
「おっはよ、奏!」
後ろから肩を叩かれ振り向くと、千夏が息を切らしていた。
「おはよう、千夏。走ってきたの?」
「うん、奏が見えたから!なんか、のんびり空なんか見上げてるしさぁ。どうしたのかと思っちゃう」
朝の忙しい時間に、のほほんと足を止めて空を見上げるのは私くらいだろうか…なんて、苦笑いする。
「昨日ね、帰りに小林先輩とバッタリ会っちゃって」
「え…、いや、それって待ち伏せされてたんじゃないの?」
「そうとも言う」
笑う私に、千夏は意外そうな顔を向けた。
「話したの?」
「うん、〝やっぱり好き〟って言われた」
マジか!と言わんばかりの変顔をする千夏。
「千夏、顔、顔!おかしいから!」
「おかしくもなるって!小林先輩、ちょっと都合良すぎない?」
千夏がそう言うのも無理はない。
私もそう思っていたのだから。
「よりを戻すとか、そんな気は全くないの。ただ、気は晴れた」
千夏は〝なるほど…〟と頷く。
「…気持ち、信用出来ないからって言ったらさ、信用してもらえるまで返事待つって言われた…」
「えっ?…どうしたの?小林先輩…」
「だよね」
そう言って、千夏と二人で笑った。
「かーなーでーちゃん、おはよ」
そう言って、小走りで追い抜いていく響。
「おはよ…」
私が言葉を返した時には、既に少し前に居る。
響は、一度振り向くと、
「あ、千夏先輩もおはよー!」
「こらぁ!ついでみたいな言い方するなー」
千夏の言葉に笑いながら、響は行ってしまった。
いつもなら、途中で会ったら学校まで一緒に歩いて行くのに…。
…急いでたのかな?
そんな私の心の声を、表情で読み取ったのか、千夏が心配そうに覗き込む。
「奏…、もしかしてさっきの会話聞かれたんじゃない?」
「えっ…」
有り得る。
前に響に言われたんだっけ…
〝もう、小林先輩と連絡取っちゃだめだよ〟って。
また私が傷付くことになると、心配してくれたのに…
連絡を取ったわけではないけれど、会って話したのは事実だ。
それが偶然だったとしても、響の忠告を無視したことになる…。
「…それか、この前私が言ったこと気にしてんのかな…」
「え?何?」
「ううん、何でもない」
うーんと何やら考え込んでいる千夏を不思議に思いながらも、校門近くまで来た時だった。
何故か陽菜が校門付近から歩いてくる。
「陽菜ちゃん…」
「奏先輩!」
また会っちゃうなんて。
なんでこうタイミング悪いんだろう…。
「どうしたの?」
「今、そこで響にお弁当渡して来たんです」
「そのために、わざわざうちの学校まで?」
「はい。お弁当、響に食べてほしくて」
その言葉に、目の奥がじんわり熱くなっていく。
「わっ、遅刻しちゃう!奏先輩すみません、また」
そう言って、陽菜は走って行った。
なんて、出来た彼女なんだろう。
なんて、可愛いんだろう。
響は、こんなに彼女に愛されていて…
なんて、幸せ者なんだろう。
あはは…、敵うわけないやぁ…
だって私はあんなに素直じゃない。
私はあんなに可愛く振る舞えない。
「…奏?」
私の様子を心配した千夏が、顔を覗き込んだ。
ねぇ、千夏。
私、今どんな顔してる?
きっと物凄く酷い顔してるよね?
だって、ほら。
千夏が抱きしめて顔を隠してくれる。
もう、後戻り出来ないくらいに好きになってしまった。
忘れなきゃって、これ以上好きになっちゃいけないって、気付いていたのに。
この想いに気付いた時から、私は既に失恋していた。
だけど、少しでも望みがあるのならと期待してたのも確か。
辛い。
秋晴れの空がやけに遠く感じた。
登校する生徒や、出勤する大人たちが皆、前を向いてせかせかと歩く。
「おっはよ、奏!」
後ろから肩を叩かれ振り向くと、千夏が息を切らしていた。
「おはよう、千夏。走ってきたの?」
「うん、奏が見えたから!なんか、のんびり空なんか見上げてるしさぁ。どうしたのかと思っちゃう」
朝の忙しい時間に、のほほんと足を止めて空を見上げるのは私くらいだろうか…なんて、苦笑いする。
「昨日ね、帰りに小林先輩とバッタリ会っちゃって」
「え…、いや、それって待ち伏せされてたんじゃないの?」
「そうとも言う」
笑う私に、千夏は意外そうな顔を向けた。
「話したの?」
「うん、〝やっぱり好き〟って言われた」
マジか!と言わんばかりの変顔をする千夏。
「千夏、顔、顔!おかしいから!」
「おかしくもなるって!小林先輩、ちょっと都合良すぎない?」
千夏がそう言うのも無理はない。
私もそう思っていたのだから。
「よりを戻すとか、そんな気は全くないの。ただ、気は晴れた」
千夏は〝なるほど…〟と頷く。
「…気持ち、信用出来ないからって言ったらさ、信用してもらえるまで返事待つって言われた…」
「えっ?…どうしたの?小林先輩…」
「だよね」
そう言って、千夏と二人で笑った。
「かーなーでーちゃん、おはよ」
そう言って、小走りで追い抜いていく響。
「おはよ…」
私が言葉を返した時には、既に少し前に居る。
響は、一度振り向くと、
「あ、千夏先輩もおはよー!」
「こらぁ!ついでみたいな言い方するなー」
千夏の言葉に笑いながら、響は行ってしまった。
いつもなら、途中で会ったら学校まで一緒に歩いて行くのに…。
…急いでたのかな?
そんな私の心の声を、表情で読み取ったのか、千夏が心配そうに覗き込む。
「奏…、もしかしてさっきの会話聞かれたんじゃない?」
「えっ…」
有り得る。
前に響に言われたんだっけ…
〝もう、小林先輩と連絡取っちゃだめだよ〟って。
また私が傷付くことになると、心配してくれたのに…
連絡を取ったわけではないけれど、会って話したのは事実だ。
それが偶然だったとしても、響の忠告を無視したことになる…。
「…それか、この前私が言ったこと気にしてんのかな…」
「え?何?」
「ううん、何でもない」
うーんと何やら考え込んでいる千夏を不思議に思いながらも、校門近くまで来た時だった。
何故か陽菜が校門付近から歩いてくる。
「陽菜ちゃん…」
「奏先輩!」
また会っちゃうなんて。
なんでこうタイミング悪いんだろう…。
「どうしたの?」
「今、そこで響にお弁当渡して来たんです」
「そのために、わざわざうちの学校まで?」
「はい。お弁当、響に食べてほしくて」
その言葉に、目の奥がじんわり熱くなっていく。
「わっ、遅刻しちゃう!奏先輩すみません、また」
そう言って、陽菜は走って行った。
なんて、出来た彼女なんだろう。
なんて、可愛いんだろう。
響は、こんなに彼女に愛されていて…
なんて、幸せ者なんだろう。
あはは…、敵うわけないやぁ…
だって私はあんなに素直じゃない。
私はあんなに可愛く振る舞えない。
「…奏?」
私の様子を心配した千夏が、顔を覗き込んだ。
ねぇ、千夏。
私、今どんな顔してる?
きっと物凄く酷い顔してるよね?
だって、ほら。
千夏が抱きしめて顔を隠してくれる。
もう、後戻り出来ないくらいに好きになってしまった。
忘れなきゃって、これ以上好きになっちゃいけないって、気付いていたのに。
この想いに気付いた時から、私は既に失恋していた。
だけど、少しでも望みがあるのならと期待してたのも確か。
辛い。
秋晴れの空がやけに遠く感じた。
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