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二章 共に逝きる
第十七話 【大切】の意味
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暫しの歳月が流れラルカはひたすらに修練を繰り返していた。屋敷を訪ねるリーベリアとエトアルはハロスの相手の他にラルカの相手もしていた。日差しが徐々に暖かくなってきた春の昼頃…その日も森の中を走る三つの人影があった
「さっきから木に隠れて…また射程範囲から出たな。リー君!そっち行ったよ」
「捉えてる。これで終わり…って危な!」
あ、避けられちゃった…残念
「上手く隠したと思ったのに今のも見つけちゃうんですか?」
足下の糸をリーベリアが避けたのを視認すると、残念そうにラルカが木の枝から飛び降りて来た。あれから五年…時間はあっという間に流れていきラルカは十九歳になっていた
「完全にラルカちゃんの庭だね~そこら中に罠仕掛けてあるじゃん」
「相変わらず器用だよね。どうやってこの量の糸を思い通りに操っているんだか…」
「お前ら一回戻ってこい。そろそろ昼だし飯にしようぜ」
木の陰から出てきたフィロが座って休んでいた三人に声をかけた
「フィロ兄様気配消して来ないでください」
「フィロさんいつからいたのよ…」
「リーベリアさんがラルカのトラップに引っ掛かりそうになった所らへんかな?」
「待って?フィロさんそれ見てたの!?うっわマジかぁ…恥ず」
「お前ら少しずつ屋敷に近づいて来てただろ?部屋に居てもエトアルさんの弓の音が聞こえたからな」
「え?あっホントだ…いつの間にこっちの方まで来てたんだ」
木々の間から僅かに屋敷が見えていた
「ラルカの事追い掛けてたんだから当たり前だろ。誘導されたんだよ」
フィロ兄様にはバレてたか
「もう疲れました…お二方の攻撃を避けた上で反撃しろってフィロ兄様鬼ですか?」
「鬼だよ?良い練習になるだろ」
「私達はラルカちゃんと遊びに来ただけなんだけどなぁ」
「フィロさんに良いように利用されてる気がするね」
「実際利用してますからねwラルカ、先に屋敷に戻ってフシール探しといて」
「わかりました。皆さんも早めに戻って来て下さいね」
木々を渡りながら屋敷へ最短距離で帰るラルカを横目に三人は話し始める
「それで?ラルカちゃんを先に帰らせたって事は俺達だけになんか話したい事でもあったんですか?」
「あの少年の事が気になってな、二人が育ててるんだろ?最近はどうなんだ」
「私達は普通に交流してるとはいえ君等と彼は敵なんだよ? そう簡単に教えちゃ駄目でしょ~」
「まぁそりゃそうだw俺等だってラルカには手の内を見せ過ぎないように言ってるからな」
「フィロさんはそこまでしてあの二人を戦わせたいの?」
「俺は暇つぶしの玩具が欲しかっただけですよ?」
「本気でやる気なの?」
凍てつくような重い空気が三人の間を流れていく
「…はぁ…二人共殺気しまって。昼間っから殺し合いでも始める気?」
「…わかってる、やらないよ。言ってる事はムカつくけどフィロさんと殺り合うのは愚策でしょ?そんな命知らずな真似はしたくない」
「まぁ少なくとも五年も一緒に居るんだからフィロさんもラルカちゃんに少しは情が芽生えたんじゃない?」
「…さぁ…?どうだろうなwまぁ俺もフシールもラルカが大切だよ?」
「ここまで信じられない言葉もあるんだね」
「そうだね…十年も関わってて君等の気持ちはわからないやw取り敢えず屋敷に戻ろう?二人が待ってる」
「そうだな」
話を終えた三人が屋敷へ入ると慌てた様子でラルカが階段を降りてきた
「皆様戻られたんですね、すいません急な事なんですけど今日の昼食はみんなで中庭で食べませんか?」
「全然良いけど…何かあったの?」
流石に起こったことをそのまま言うのは…
「いえ、今日は良い天気なので気分転か…」
「ちょっと食堂が使えなくなっちゃったからさ~外で食べる事にしたの」
フシールがラルカの言葉を遮って後ろから声をかけてきた
「ちょ…フシール姉様!」
「またなんかやらかしたの?」
「馬鹿な玩具を躾けただけだよ」
「わざわざ食事をする場でか?」
あぁもう…こうなるから今は言わないようにしたのに!
「お二人共落ち着いてください!」
「また何かやらかしたのかしら」
「フシールちゃん何があったの?」
「ラルカちゃんの食器にだけ毒塗ってた馬鹿がいたから殺っただけ」
そう言うと右手を銃の形にしながら自分の頭に突き立て小声で「バーン」と言いながら撃つ仕草をした
「は?なにそれ。そいつもう死んだの? そんな命知らずなら俺も少し話したいんだけど」
あぁ…全部言っちゃった…
「一撃でしたね…でも!お兄様達のお陰で一通りの毒は平気なんですよ?」
「主人に楯突くのが問題だろ」
「あのやり取り見てるとなんだかんだ言いながら大切にしてるんだと思うよね」
「そうだね。取り敢えずあの二人は後からラルカちゃんが連れてくるだろうから先行こうか」
「うん」
玄関ホールで騒ぐ兄妹を置いて二人は中庭へ向かった。五人の交流は続いており未だに戻らないラルカの記憶を置き去りにして最初の舞台へと歯車は廻っていく。黄金は崩れ白は赤へと染まる…鳥が飛び立った窓際に一枚の羽が落ちてきた
「さっきから木に隠れて…また射程範囲から出たな。リー君!そっち行ったよ」
「捉えてる。これで終わり…って危な!」
あ、避けられちゃった…残念
「上手く隠したと思ったのに今のも見つけちゃうんですか?」
足下の糸をリーベリアが避けたのを視認すると、残念そうにラルカが木の枝から飛び降りて来た。あれから五年…時間はあっという間に流れていきラルカは十九歳になっていた
「完全にラルカちゃんの庭だね~そこら中に罠仕掛けてあるじゃん」
「相変わらず器用だよね。どうやってこの量の糸を思い通りに操っているんだか…」
「お前ら一回戻ってこい。そろそろ昼だし飯にしようぜ」
木の陰から出てきたフィロが座って休んでいた三人に声をかけた
「フィロ兄様気配消して来ないでください」
「フィロさんいつからいたのよ…」
「リーベリアさんがラルカのトラップに引っ掛かりそうになった所らへんかな?」
「待って?フィロさんそれ見てたの!?うっわマジかぁ…恥ず」
「お前ら少しずつ屋敷に近づいて来てただろ?部屋に居てもエトアルさんの弓の音が聞こえたからな」
「え?あっホントだ…いつの間にこっちの方まで来てたんだ」
木々の間から僅かに屋敷が見えていた
「ラルカの事追い掛けてたんだから当たり前だろ。誘導されたんだよ」
フィロ兄様にはバレてたか
「もう疲れました…お二方の攻撃を避けた上で反撃しろってフィロ兄様鬼ですか?」
「鬼だよ?良い練習になるだろ」
「私達はラルカちゃんと遊びに来ただけなんだけどなぁ」
「フィロさんに良いように利用されてる気がするね」
「実際利用してますからねwラルカ、先に屋敷に戻ってフシール探しといて」
「わかりました。皆さんも早めに戻って来て下さいね」
木々を渡りながら屋敷へ最短距離で帰るラルカを横目に三人は話し始める
「それで?ラルカちゃんを先に帰らせたって事は俺達だけになんか話したい事でもあったんですか?」
「あの少年の事が気になってな、二人が育ててるんだろ?最近はどうなんだ」
「私達は普通に交流してるとはいえ君等と彼は敵なんだよ? そう簡単に教えちゃ駄目でしょ~」
「まぁそりゃそうだw俺等だってラルカには手の内を見せ過ぎないように言ってるからな」
「フィロさんはそこまでしてあの二人を戦わせたいの?」
「俺は暇つぶしの玩具が欲しかっただけですよ?」
「本気でやる気なの?」
凍てつくような重い空気が三人の間を流れていく
「…はぁ…二人共殺気しまって。昼間っから殺し合いでも始める気?」
「…わかってる、やらないよ。言ってる事はムカつくけどフィロさんと殺り合うのは愚策でしょ?そんな命知らずな真似はしたくない」
「まぁ少なくとも五年も一緒に居るんだからフィロさんもラルカちゃんに少しは情が芽生えたんじゃない?」
「…さぁ…?どうだろうなwまぁ俺もフシールもラルカが大切だよ?」
「ここまで信じられない言葉もあるんだね」
「そうだね…十年も関わってて君等の気持ちはわからないやw取り敢えず屋敷に戻ろう?二人が待ってる」
「そうだな」
話を終えた三人が屋敷へ入ると慌てた様子でラルカが階段を降りてきた
「皆様戻られたんですね、すいません急な事なんですけど今日の昼食はみんなで中庭で食べませんか?」
「全然良いけど…何かあったの?」
流石に起こったことをそのまま言うのは…
「いえ、今日は良い天気なので気分転か…」
「ちょっと食堂が使えなくなっちゃったからさ~外で食べる事にしたの」
フシールがラルカの言葉を遮って後ろから声をかけてきた
「ちょ…フシール姉様!」
「またなんかやらかしたの?」
「馬鹿な玩具を躾けただけだよ」
「わざわざ食事をする場でか?」
あぁもう…こうなるから今は言わないようにしたのに!
「お二人共落ち着いてください!」
「また何かやらかしたのかしら」
「フシールちゃん何があったの?」
「ラルカちゃんの食器にだけ毒塗ってた馬鹿がいたから殺っただけ」
そう言うと右手を銃の形にしながら自分の頭に突き立て小声で「バーン」と言いながら撃つ仕草をした
「は?なにそれ。そいつもう死んだの? そんな命知らずなら俺も少し話したいんだけど」
あぁ…全部言っちゃった…
「一撃でしたね…でも!お兄様達のお陰で一通りの毒は平気なんですよ?」
「主人に楯突くのが問題だろ」
「あのやり取り見てるとなんだかんだ言いながら大切にしてるんだと思うよね」
「そうだね。取り敢えずあの二人は後からラルカちゃんが連れてくるだろうから先行こうか」
「うん」
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