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二章 共に逝きる
第二十四話 闇に溶け込む
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図書館内の全ての本棚に白い布が掛けられる。町中に夜を告げる鐘が鳴り響き青年は立ち上がった
「ハロス君もう向かう気?」
「準備は終わらせましたからね。日も沈みましたし」
「焦り過ぎ。俺達も行くから屋敷についてからの動きだけでも最後にもう一回確認するよ」
「…わかりました」
「ハロス君は黒髪の男が目的なんだよね?場所の目星はついてる?」
「聞いてる限りだと結構屋敷広いんでしょ?」
「妹の方が銃を使っていたしお互い自分の戦闘に干渉されるのを嫌っている感じがしたので離れた位置ですかね…」
「屋敷に行って誰が最初に出てくるかによるかな」
「最初に件の彼が出てきたら俺とエトちゃんが屋敷の奥に向かう感じかな…」
「逆ならハロス君だけでも先に進ませる形か…上手く行くといいけど」
「…とにかく行きましょう。時間は有限ですから」
「ちょ…ハロス君!」
ハロスが一足先に図書館を飛び出す。残された二人は静かにうなだれた
「完全に憎悪にのまれてる…」
「エトちゃんはどう動くつもり?」
「遠距離同士だと私とフシールちゃんじゃ確実に負けるだろうね…リー君の魔法に執着してるのもあるし私はラルカちゃんの方かな…」
「ラルカちゃんの戦い方なら屋敷の中に居るだろうね…」
「見つけるまでのリミットが心配かな」
「なるべく早くフシールちゃんとの戦闘を終わらせて殺気を解除させないとか…」
「とにかく追いましょう。性格的にフシールちゃんは玄関ホールに居るだろうから今のハロス君が一人でぶつかれば確実に負けるわ」
「そうだね。明日までに帰ってこれるといいけど」
「生きて帰れれば…だけどね」
リーベリアは立ち上がるとエトアルの手元に目を落とした
「エトちゃん…それ何だったの?話してる間にやってたみたいだけど」
「正位置で…塔。ハロス君…」
「最近は悪いカードばっかりだね」
「希望が少しでもあるならそれを掴むだけよ」
二人は図書館を施錠するとハロスを追い闇の中へ消えていった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本を読むラルカの前でフィロとフシールは日中の手合わせで使った武器の手入れをしていた
「雨に打たれたからちゃんとやらないと錆びるな…」
「あちゃぁ…装填用に持ってた弾全部湿気ってるよ…これじゃ使い物にならないな」
「なんでわざわざ悪天候の日にやるんですか…」
「血が流れるから掃除の心配しなくていいんだよな…あ、フシールそっちに置いてある拭い紙取って」
「え?あぁ…これか、はい。ん~…あと雨の日だと匂いが分かりにくくなるからってのもあるかな…」
「でもあんなに大雨だったのに夜になる頃には止みましたね。雲が晴れても月は結局見えませんけど…」
「それにしてもフィロ兄その刀いつから使ってるっけ?国出る前からだよね」
「クソみてぇな家のとはいえ受け継がれてきたものだしな。それにこいつが一番使い慣れてる」
「お二人の故郷ってどんな所なんですか?」
紅茶と茶菓子を準備しながらラルカが尋ねた
「あれ?結局話してこなかったんだっけ…」
「どんな所か…この国ほど広くはないな。同じように上に立つ人間はいたけどな」
「実力主義だけどみ~んな臆病wでも私は好きだよ?一言で言うなら簡単に人が死ぬ国」
「いつか行ってみたいですね」
「そうかぁ?俺はあんなところに連れて行きたくねぇな。ていうかまず帰りたくない」
「そうですか…まぁ私はフィロ兄様の意向に従うだけですから」
少し残念そうにしながらも静かに微笑みティーカップに口をつける。暫くするとフィロが手を止めた
「…フシール、ラルカ」
「どうしたの?」
「何かありましたか?」
「客人だ。森の中を真っ直ぐに屋敷へ向かってる」
「いつもの二人じゃないの?」
「いや…随分と懐かしい気配も一緒に来てるなぁ」
「戦闘になりますか?」
「あぁ…二人とも今日は本気で演じろ」
演じろ…フィロ兄様からの屋敷を使った本気の戦闘許可…
「久々の舞台か~楽しみぃ」
「でしたら私は準備に行かなくては行けませんね」
「さて…二人の相手は誰になることやら」
「誰が相手でも関係ないよ。観客に待つのはバッドエンドだけだからね」
「お二人のお相手が気の毒ですね…」
「それじゃ私は玄関ホールで開幕の合図でもしようかな」
「俺は道場に行くか…馬鹿の銃声も届かないだろうしあそこが一番落ち着くだろ」
「失礼な…」
道場と玄関ホール…なら罠も仕掛けやすいし…
「でしたら私は地下に行きましょうか」
「了解。屋敷内には不用意に入らないほうが良さそうだな…それじゃあ二人とも好きに殺れ」
「りょうか~いw」
「了解です」
フィロの合図で三人は敷地内に散った。数分後暗闇に包まれた屋敷に舞台の始まりを告げる銃声が鳴り響いた
「ハロス君もう向かう気?」
「準備は終わらせましたからね。日も沈みましたし」
「焦り過ぎ。俺達も行くから屋敷についてからの動きだけでも最後にもう一回確認するよ」
「…わかりました」
「ハロス君は黒髪の男が目的なんだよね?場所の目星はついてる?」
「聞いてる限りだと結構屋敷広いんでしょ?」
「妹の方が銃を使っていたしお互い自分の戦闘に干渉されるのを嫌っている感じがしたので離れた位置ですかね…」
「屋敷に行って誰が最初に出てくるかによるかな」
「最初に件の彼が出てきたら俺とエトちゃんが屋敷の奥に向かう感じかな…」
「逆ならハロス君だけでも先に進ませる形か…上手く行くといいけど」
「…とにかく行きましょう。時間は有限ですから」
「ちょ…ハロス君!」
ハロスが一足先に図書館を飛び出す。残された二人は静かにうなだれた
「完全に憎悪にのまれてる…」
「エトちゃんはどう動くつもり?」
「遠距離同士だと私とフシールちゃんじゃ確実に負けるだろうね…リー君の魔法に執着してるのもあるし私はラルカちゃんの方かな…」
「ラルカちゃんの戦い方なら屋敷の中に居るだろうね…」
「見つけるまでのリミットが心配かな」
「なるべく早くフシールちゃんとの戦闘を終わらせて殺気を解除させないとか…」
「とにかく追いましょう。性格的にフシールちゃんは玄関ホールに居るだろうから今のハロス君が一人でぶつかれば確実に負けるわ」
「そうだね。明日までに帰ってこれるといいけど」
「生きて帰れれば…だけどね」
リーベリアは立ち上がるとエトアルの手元に目を落とした
「エトちゃん…それ何だったの?話してる間にやってたみたいだけど」
「正位置で…塔。ハロス君…」
「最近は悪いカードばっかりだね」
「希望が少しでもあるならそれを掴むだけよ」
二人は図書館を施錠するとハロスを追い闇の中へ消えていった
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本を読むラルカの前でフィロとフシールは日中の手合わせで使った武器の手入れをしていた
「雨に打たれたからちゃんとやらないと錆びるな…」
「あちゃぁ…装填用に持ってた弾全部湿気ってるよ…これじゃ使い物にならないな」
「なんでわざわざ悪天候の日にやるんですか…」
「血が流れるから掃除の心配しなくていいんだよな…あ、フシールそっちに置いてある拭い紙取って」
「え?あぁ…これか、はい。ん~…あと雨の日だと匂いが分かりにくくなるからってのもあるかな…」
「でもあんなに大雨だったのに夜になる頃には止みましたね。雲が晴れても月は結局見えませんけど…」
「それにしてもフィロ兄その刀いつから使ってるっけ?国出る前からだよね」
「クソみてぇな家のとはいえ受け継がれてきたものだしな。それにこいつが一番使い慣れてる」
「お二人の故郷ってどんな所なんですか?」
紅茶と茶菓子を準備しながらラルカが尋ねた
「あれ?結局話してこなかったんだっけ…」
「どんな所か…この国ほど広くはないな。同じように上に立つ人間はいたけどな」
「実力主義だけどみ~んな臆病wでも私は好きだよ?一言で言うなら簡単に人が死ぬ国」
「いつか行ってみたいですね」
「そうかぁ?俺はあんなところに連れて行きたくねぇな。ていうかまず帰りたくない」
「そうですか…まぁ私はフィロ兄様の意向に従うだけですから」
少し残念そうにしながらも静かに微笑みティーカップに口をつける。暫くするとフィロが手を止めた
「…フシール、ラルカ」
「どうしたの?」
「何かありましたか?」
「客人だ。森の中を真っ直ぐに屋敷へ向かってる」
「いつもの二人じゃないの?」
「いや…随分と懐かしい気配も一緒に来てるなぁ」
「戦闘になりますか?」
「あぁ…二人とも今日は本気で演じろ」
演じろ…フィロ兄様からの屋敷を使った本気の戦闘許可…
「久々の舞台か~楽しみぃ」
「でしたら私は準備に行かなくては行けませんね」
「さて…二人の相手は誰になることやら」
「誰が相手でも関係ないよ。観客に待つのはバッドエンドだけだからね」
「お二人のお相手が気の毒ですね…」
「それじゃ私は玄関ホールで開幕の合図でもしようかな」
「俺は道場に行くか…馬鹿の銃声も届かないだろうしあそこが一番落ち着くだろ」
「失礼な…」
道場と玄関ホール…なら罠も仕掛けやすいし…
「でしたら私は地下に行きましょうか」
「了解。屋敷内には不用意に入らないほうが良さそうだな…それじゃあ二人とも好きに殺れ」
「りょうか~いw」
「了解です」
フィロの合図で三人は敷地内に散った。数分後暗闇に包まれた屋敷に舞台の始まりを告げる銃声が鳴り響いた
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