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二章 共に逝きる
第二十八話 過去へ道連れに
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地下室を目指しエトアルは再び糸を頼りに走り出した。近付いているのかすら分からないが止まない攻撃は静かにエトアルを蝕んでいた
「今度は糸単体…あのスピードなら触れたら切れるか」
器用に動き糸を避けていくが全て避けきることは出来なかった。永遠に終わらないかのように同じ事の繰り返し…空間がループしているようだった
「真っ直ぐ…次は右…屋敷の中で手の内を知ってる人と戦うのは初めてだなぁ…このまま操られてくれるかなぁ…」
ラルカの思い通りにエトアルは地下室へと着実に近付いて行った。しかし…
「蜘蛛の巣の中で憐れに藻掻く蝶みたい…あれ…フシール姉様のところに仕掛けていたトラップが使われた…」
「っ!屋敷を覆ってた殺気が消えた…どっち?リーベリア…勝ったよね…?」
「玄関ホールの映像は…フシール姉様…そっか。お疲れ様。私もちゃんと役目を終わらせるよ」
「…考えてる暇はない…これで【視える】んだ…すぐに終わらせてあげるよ…ラルカちゃん」
エトアルは迷いが無くなった様子で一直線に走り出した。ラルカの居る場所へ最短距離で向かったのだった
「こっちに近付いてる…でも居場所が分かったところで扉はどうやって見つける気ですか?」
「そんなの見つけないよ」
ガラガラガラ…!
「エトアルさん…!天井から…」
「地下室から操るなら糸が集まる抜け道がある…そこに力を加えれば簡単に崩れる。見つけたよ…ラルカちゃん」
「無数の糸がある中でたったの一か所を…?そんなの…普通出来るわけ…」
「そこら辺は企業秘密って事で」
エトアルはただ走りながら計算をしていただけだった。気配を辿って把握したラルカの位置から魔法石を通して自分を見て攻撃してくる…その僅かなズレを通ってきた全ての道で計算して小さな綻びを見つけていた
「相変わらず…化け物じみてますね」
「さて…この後はどうする?近接で私に勝てるかなぁ…」
「結構無理がありますよね…ならこうしようかな」
ガラガラガラ…!
「地下室が揺れてる…!?一体何をしたの!」
「別に…屋敷を支えていた糸を全て回収したまでです。元々古いお屋敷だったし今回の戦いの為に私の糸を通せるよう屋敷を弄ってたので完全にガタが来てましたから」
「…なるほどね…大人しくついてくる気は無いの?」
「ありませんよ。私はこの屋敷でフィロ兄様たちと生きています。命を賭けて戦っているのにここで終わらせるわけ無いでしょう。地下室が完全に崩れる前に終わらせましょうか…エトアルさん」
「…手加減はしないからね」
ラルカが後ろに下がり地下室の中に糸が広がる
「小細工はもうしないの?」
「必要ありませんから…そのまま失血死させてあげますよ。嫌なら捕まえてくださいね」
「お望み通り!」
近付こうとするが距離は一向に縮まらなかった
「無茶な動きばかりだと血が止まらなくなりますよ?」
「無茶な動きさせてるのはそっちでしょ?どうせ捕まえないと終わらないんだから」
「そうですか…ならもう終わりにしましょう」
ヒュン!
エトアルの体に糸が絡みつき地下室の中央、崩れかけている天井から吊るされた
「かはっ…」
「接近戦とはいえ…エトアルさんが私には勝てませんよ。もう時期ここも崩れます。瓦礫に埋もれたここから出ることすら不可能です。何故…こんな事をしたんですか」
「ハロス君と…約束…したから。貴女を連れ戻すと…私が…私達が…貴女を助けると…!出れる可能性が無くたって…それでも…ここで諦めるわけにはいかないの…!」
「ハ…ロス…?ぅ…つぅ…!」
ハロスの名前を聞いた瞬間ラルカは顔を歪ませて頭を押さえた。激しい頭痛が襲ってきて一瞬だけ糸が緩み隙が生まれた
「…もう…これしか…ラルカちゃん。…ごめんなさい」
「え…?」
グサッ
ラルカの脇腹に矢が刺さりその場に倒れる。毒矢の効果で気を失った…と思われた
「致命傷は避けれたよね…早くリーベリアのところに連れて行かないと」
「不意打ちなんて酷いなぁ…どうせ死ぬなら一緒に逝こうよ」
「…え?」
ラルカは血を吐きながら微笑み、指を静かに引いた。共鳴するようにエトアルの首に巻かれていた糸が動きエトアルの首を断ち切った
「これで…良いんですよね…フィロ兄様」
エトアルの首を抱えラルカは静かに目を閉じた。呼吸が少しずつ薄れていき地下室に二人の血が広がっていく。やがて鈍い音をたて天井が崩れ落ち地下室はその存在を失った
「今度は糸単体…あのスピードなら触れたら切れるか」
器用に動き糸を避けていくが全て避けきることは出来なかった。永遠に終わらないかのように同じ事の繰り返し…空間がループしているようだった
「真っ直ぐ…次は右…屋敷の中で手の内を知ってる人と戦うのは初めてだなぁ…このまま操られてくれるかなぁ…」
ラルカの思い通りにエトアルは地下室へと着実に近付いて行った。しかし…
「蜘蛛の巣の中で憐れに藻掻く蝶みたい…あれ…フシール姉様のところに仕掛けていたトラップが使われた…」
「っ!屋敷を覆ってた殺気が消えた…どっち?リーベリア…勝ったよね…?」
「玄関ホールの映像は…フシール姉様…そっか。お疲れ様。私もちゃんと役目を終わらせるよ」
「…考えてる暇はない…これで【視える】んだ…すぐに終わらせてあげるよ…ラルカちゃん」
エトアルは迷いが無くなった様子で一直線に走り出した。ラルカの居る場所へ最短距離で向かったのだった
「こっちに近付いてる…でも居場所が分かったところで扉はどうやって見つける気ですか?」
「そんなの見つけないよ」
ガラガラガラ…!
「エトアルさん…!天井から…」
「地下室から操るなら糸が集まる抜け道がある…そこに力を加えれば簡単に崩れる。見つけたよ…ラルカちゃん」
「無数の糸がある中でたったの一か所を…?そんなの…普通出来るわけ…」
「そこら辺は企業秘密って事で」
エトアルはただ走りながら計算をしていただけだった。気配を辿って把握したラルカの位置から魔法石を通して自分を見て攻撃してくる…その僅かなズレを通ってきた全ての道で計算して小さな綻びを見つけていた
「相変わらず…化け物じみてますね」
「さて…この後はどうする?近接で私に勝てるかなぁ…」
「結構無理がありますよね…ならこうしようかな」
ガラガラガラ…!
「地下室が揺れてる…!?一体何をしたの!」
「別に…屋敷を支えていた糸を全て回収したまでです。元々古いお屋敷だったし今回の戦いの為に私の糸を通せるよう屋敷を弄ってたので完全にガタが来てましたから」
「…なるほどね…大人しくついてくる気は無いの?」
「ありませんよ。私はこの屋敷でフィロ兄様たちと生きています。命を賭けて戦っているのにここで終わらせるわけ無いでしょう。地下室が完全に崩れる前に終わらせましょうか…エトアルさん」
「…手加減はしないからね」
ラルカが後ろに下がり地下室の中に糸が広がる
「小細工はもうしないの?」
「必要ありませんから…そのまま失血死させてあげますよ。嫌なら捕まえてくださいね」
「お望み通り!」
近付こうとするが距離は一向に縮まらなかった
「無茶な動きばかりだと血が止まらなくなりますよ?」
「無茶な動きさせてるのはそっちでしょ?どうせ捕まえないと終わらないんだから」
「そうですか…ならもう終わりにしましょう」
ヒュン!
エトアルの体に糸が絡みつき地下室の中央、崩れかけている天井から吊るされた
「かはっ…」
「接近戦とはいえ…エトアルさんが私には勝てませんよ。もう時期ここも崩れます。瓦礫に埋もれたここから出ることすら不可能です。何故…こんな事をしたんですか」
「ハロス君と…約束…したから。貴女を連れ戻すと…私が…私達が…貴女を助けると…!出れる可能性が無くたって…それでも…ここで諦めるわけにはいかないの…!」
「ハ…ロス…?ぅ…つぅ…!」
ハロスの名前を聞いた瞬間ラルカは顔を歪ませて頭を押さえた。激しい頭痛が襲ってきて一瞬だけ糸が緩み隙が生まれた
「…もう…これしか…ラルカちゃん。…ごめんなさい」
「え…?」
グサッ
ラルカの脇腹に矢が刺さりその場に倒れる。毒矢の効果で気を失った…と思われた
「致命傷は避けれたよね…早くリーベリアのところに連れて行かないと」
「不意打ちなんて酷いなぁ…どうせ死ぬなら一緒に逝こうよ」
「…え?」
ラルカは血を吐きながら微笑み、指を静かに引いた。共鳴するようにエトアルの首に巻かれていた糸が動きエトアルの首を断ち切った
「これで…良いんですよね…フィロ兄様」
エトアルの首を抱えラルカは静かに目を閉じた。呼吸が少しずつ薄れていき地下室に二人の血が広がっていく。やがて鈍い音をたて天井が崩れ落ち地下室はその存在を失った
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