異世界転移したので旅してみました

松石 愛弓

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強くなれる滝?

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 〈全身茶色スーツ木の葉添え〉を着て リリちゃんと並んで森を歩いていると、
 ガサッ!と 枝葉をかきわけるような音がした。
 ウサギさんが通り過ぎただけだというのに、

「ヒィッ!!」
 と、丸くなって大樹の陰に隠れてしまう。この及び腰をなんとかしなければ。

「航さん、多分、もう少しです。がんばって!」
 リリちゃんの方が男らしく感じる今日この頃。

「この地図によりますとですね~・・あれっ?あちゃ~。遠回りしてたかも♪」
 てへっ、と笑うリリちゃん。かわいいけどぉ~!ちょっと命の危機かもよ?

「でも もうすぐです。この道をまっすぐ行けば・・あっ、水の音がする!」
「ほんと?!」
 僕は 全身茶色スーツ木の葉添え姿で猛ダッシュした!
 魔獣に会う前に 早く強くならなければ!

「あっ、航さん!そんなに走るから・・」
 後ろからリリちゃんの声が聞こえて 振り返る。
「何?」
「頭に乗せてた木の葉が落ちちゃってますよ?」
 ちゃんと付けときたいでしょ?と マジックテープ仕様のような木の葉を 僕の頭に貼りなおしてくれる。
 全身茶色スーツ木の葉添えの完成度よりも、今は滝を浴びることのほうが重要では~~っ?!
 と、心の中で叫びながら 僕は滝に駆け込みダイブした!

「これで・・これで強くなれるはず・・」
 僕はやっとホッとしていた。
 これでなんとかなるはず。
 リリちゃんも僕を追って走ってきた。
「航さん、言いにくいんですが・・隣の滝なんですけど・・」
「えっ?」
 そういえば、滝にしては水温が高いなと、気持ちいいなと思ったら・・
 僕の隣には 先から入浴していたらしい カピバラ親子がいた。
 もぉ~湯船に飛び込むなんてお転婆ねぇ~ と言いたそうな視線を飛ばしてくる。

 カピバラ温泉かいっ! 失礼しました~!
 そんなのんびりしたものに浸かっている場合ではない!
 僕は慌てて 隣の〈勇者が強くなれると言われている滝〉に飛び込んだ。
 温泉から冷水で、さっぶぅ~!
 でも、なんだか力が湧いてくるような気がする。
「航さん、大丈夫ですか?」
 リリちゃんが僕を心配そうに見てる。
「リリちゃんも滝に入ったら?強くなれるかもよ?」
「私、小さいから滝に流されないかしら・・」
「じゃあ、抱っこしてあげる。おいで」
 僕が手を伸ばすと、リリちゃんは素直に乗ってきた。かわいい。
「強くなれるといいね」
 この滝が、なんでもない滝じゃなかったらいいのだけど・・。

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