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第22話 峠の団子屋5
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紫陽花の花が咲く頃になって、凍夜は茂助にお使いを言いつけられた。柏原の金物屋に注文している品があると言う。それを取りに行くだけの簡単なお使いだ。だが佐平次にも藁を頼まれたので、しのぶも一緒に行くことになった。藁を買っている農家もついでに覚えて来いということだ。
金物屋は驚くほど枝鳴長屋に近かった。三郎太に何も言わずに出て来てしまったことが凍夜の胸の奥で疼いた。三人から貰った硯と筆のことも気になっていた。しかし今更行くことは許されない。自分はもう凍夜ではなく鬼火なのだから。
金物屋で品物を受け取って外に出たとき、一瞬誰かの視線を感じた。チラリとそちらを盗み見ると、お恵が「あっ」という口のままで固まっていた。凍夜は何気ない仕草で視線を逸らし、そのまま歩き始めた。
「次は藁だよな」
「あの子ずっとこっち見てるけど、知り合い?」
「同じ長屋に住んでた子だよ」
「ふうん。上出来じゃない。表情一つ変えずに目を逸らすなんて、あんたこの仕事に向いてるよ」
そのまま一度も振り返らずに角を曲がった。本当は振り返りたかった。会ってお恵と話がしたかった。だがそれが許されないのなら、完全に他人を決め込むのが一番だ。
帰りは来た道とは違う道を通った。農家に藁を買いに行くためだ。
「この道覚えてね。今度は鬼火が一人で来ることになるかもしれないから」
こっちの道の方が楽しかった。街中と違って田んぼ道を歩くので青々とした稲が風にそよぐのが涼し気だ。気の早い蒲が青い蕾をつけている。
凍夜が蒲を見ているのに気づいたのか、しのぶがふふっと笑った。
「秋になったらここの蒲の粉取りに来ようよ」
「粉?」
「そう。蒲の穂って二段になるの知ってる? 上の方が粉を作る花で、下の方が種を作る花なの。上の方の粉が風で舞って下の花に着くと種ができるって寸法」
「へえ。じゃあ上の花だけ採るの?」
「上の花の黄色い粉を取って小麦粉や米粉と混ぜて焼くと美味しいんだよ。玉蜀黍みたいな味がするんだ。毎年おっ母さんと一緒に取りに来るんだけど、今年からは鬼火と一緒に来ようかな。ほら、そこに数珠玉も生えてる。実が黒くなったらそれも採るの。おっ母さんが古着でお手玉を作ってくれるから、それを町に売りに行くんだ」
しのぶは側の葉っぱを取って草笛を鳴らした。
「本業だけじゃおまんま食えないのか?」
「違うよ。本業の方で儲けた金は本業に使うんだってお爺ちゃんが言ってた」
お爺ちゃん。不思議な響きだ。
「なあ、おっ母さんとかお爺ちゃんって言うけどさ、血のつながりはねえんだろ?」
「うん、赤の他人だよ」
「なんで実の親でもねえのにおっ母さんなんて呼べるんだ?」
しのぶは「鬼火は頭が固いね」と笑った。
「じゃあ言うけど、あんたの本当の名前は鬼火なんかじゃないでしょ?」
「しのぶがつけたんじゃないか」
「そう。あたしだって本当のおっ母さんがつけてくれた名前はある。だけどお藤さんがあたしにしのぶってつけたんだからあたしはしのぶ。お藤さんもおっ母さんてのが名前だと思えばいい。茂助さんだってお爺ちゃんって名前だと思えばいいの」
茂助さんとお藤さんとしのぶは親子三代ということになっているのだ。だからそうやって割り切るしかないのだ。
「お爺ちゃんがね、鬼火をあたしの従兄弟ってことにしたらいいんじゃないかって言ってた。この辺で人に見られても、町で一緒に歩いていても従兄弟なら違和感ないでしょ。今から兄弟にするには少し無理があるから。もう少し慣れたら言うつもりだったらしいけど、もういいよね。従兄弟ってことで」
「うん、おいらは構わねえ」
「あっ、『おいら』禁止したはずだよ。『俺』って言わなきゃ。町で誰かに会った時も元の自分を悟られちゃダメなんだからね」
「あ、そっか」
「そんなことを言ってもこれだけ綺麗な男の子なんて滅多にいるもんじゃないから、ごまかしきれないかもしれないけどね」
そんな話をしている間に藁を買う農家に着いた。凍夜はしのぶに従兄弟として紹介され、藁を背負って家路についた。
帰って来ると、茂助が金物屋から受け取って来たものをそのまま凍夜に持たせた。
「これはお前のために作ってもらった楔だ」
「おい……俺のため?」
おいらと言いそうになって慌てて言い直したのを見て茂助は笑った。
「そうだ。刺す、引き裂く、穴を掘る、削る、他にもいろいろできる。楔の尻の方に輪っかがついているのは、ここに紐を通せるようにするためだ。しのぶに手本を見せて貰って、あとは自分で工夫して使いこなしな」
初めての自分の獲物だ。凍夜は舞い上がった。
「ありがとうございます、お頭」
「おめえは爺ちゃんと呼べ。しのぶの従兄弟なんだ」
なるほど、茂助の言うことには一理ある。
「いいか、ありがとう爺ちゃん、だ」
凍夜はそのまま繰り返して見せた。茂助は満足したように頷くと、しのぶを呼んで手本を見せてやれと言った。しのぶは凍夜の手の中の楔を見てニヤリと笑った。
金物屋は驚くほど枝鳴長屋に近かった。三郎太に何も言わずに出て来てしまったことが凍夜の胸の奥で疼いた。三人から貰った硯と筆のことも気になっていた。しかし今更行くことは許されない。自分はもう凍夜ではなく鬼火なのだから。
金物屋で品物を受け取って外に出たとき、一瞬誰かの視線を感じた。チラリとそちらを盗み見ると、お恵が「あっ」という口のままで固まっていた。凍夜は何気ない仕草で視線を逸らし、そのまま歩き始めた。
「次は藁だよな」
「あの子ずっとこっち見てるけど、知り合い?」
「同じ長屋に住んでた子だよ」
「ふうん。上出来じゃない。表情一つ変えずに目を逸らすなんて、あんたこの仕事に向いてるよ」
そのまま一度も振り返らずに角を曲がった。本当は振り返りたかった。会ってお恵と話がしたかった。だがそれが許されないのなら、完全に他人を決め込むのが一番だ。
帰りは来た道とは違う道を通った。農家に藁を買いに行くためだ。
「この道覚えてね。今度は鬼火が一人で来ることになるかもしれないから」
こっちの道の方が楽しかった。街中と違って田んぼ道を歩くので青々とした稲が風にそよぐのが涼し気だ。気の早い蒲が青い蕾をつけている。
凍夜が蒲を見ているのに気づいたのか、しのぶがふふっと笑った。
「秋になったらここの蒲の粉取りに来ようよ」
「粉?」
「そう。蒲の穂って二段になるの知ってる? 上の方が粉を作る花で、下の方が種を作る花なの。上の方の粉が風で舞って下の花に着くと種ができるって寸法」
「へえ。じゃあ上の花だけ採るの?」
「上の花の黄色い粉を取って小麦粉や米粉と混ぜて焼くと美味しいんだよ。玉蜀黍みたいな味がするんだ。毎年おっ母さんと一緒に取りに来るんだけど、今年からは鬼火と一緒に来ようかな。ほら、そこに数珠玉も生えてる。実が黒くなったらそれも採るの。おっ母さんが古着でお手玉を作ってくれるから、それを町に売りに行くんだ」
しのぶは側の葉っぱを取って草笛を鳴らした。
「本業だけじゃおまんま食えないのか?」
「違うよ。本業の方で儲けた金は本業に使うんだってお爺ちゃんが言ってた」
お爺ちゃん。不思議な響きだ。
「なあ、おっ母さんとかお爺ちゃんって言うけどさ、血のつながりはねえんだろ?」
「うん、赤の他人だよ」
「なんで実の親でもねえのにおっ母さんなんて呼べるんだ?」
しのぶは「鬼火は頭が固いね」と笑った。
「じゃあ言うけど、あんたの本当の名前は鬼火なんかじゃないでしょ?」
「しのぶがつけたんじゃないか」
「そう。あたしだって本当のおっ母さんがつけてくれた名前はある。だけどお藤さんがあたしにしのぶってつけたんだからあたしはしのぶ。お藤さんもおっ母さんてのが名前だと思えばいい。茂助さんだってお爺ちゃんって名前だと思えばいいの」
茂助さんとお藤さんとしのぶは親子三代ということになっているのだ。だからそうやって割り切るしかないのだ。
「お爺ちゃんがね、鬼火をあたしの従兄弟ってことにしたらいいんじゃないかって言ってた。この辺で人に見られても、町で一緒に歩いていても従兄弟なら違和感ないでしょ。今から兄弟にするには少し無理があるから。もう少し慣れたら言うつもりだったらしいけど、もういいよね。従兄弟ってことで」
「うん、おいらは構わねえ」
「あっ、『おいら』禁止したはずだよ。『俺』って言わなきゃ。町で誰かに会った時も元の自分を悟られちゃダメなんだからね」
「あ、そっか」
「そんなことを言ってもこれだけ綺麗な男の子なんて滅多にいるもんじゃないから、ごまかしきれないかもしれないけどね」
そんな話をしている間に藁を買う農家に着いた。凍夜はしのぶに従兄弟として紹介され、藁を背負って家路についた。
帰って来ると、茂助が金物屋から受け取って来たものをそのまま凍夜に持たせた。
「これはお前のために作ってもらった楔だ」
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おいらと言いそうになって慌てて言い直したのを見て茂助は笑った。
「そうだ。刺す、引き裂く、穴を掘る、削る、他にもいろいろできる。楔の尻の方に輪っかがついているのは、ここに紐を通せるようにするためだ。しのぶに手本を見せて貰って、あとは自分で工夫して使いこなしな」
初めての自分の獲物だ。凍夜は舞い上がった。
「ありがとうございます、お頭」
「おめえは爺ちゃんと呼べ。しのぶの従兄弟なんだ」
なるほど、茂助の言うことには一理ある。
「いいか、ありがとう爺ちゃん、だ」
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