カラーメモリー『Re・MAKECOLAR』

たぬきち

文字の大きさ
44 / 124
本のマモノ編

44色 キミは誰?

しおりを挟む
 わたしたちはシアンのお見舞いの品を手にシーニの研究室の前に来た。 そして、インターホンを鳴らし、しばらくしてドアが開けられ、中からシーニが出てきた。

「あ、アカリにクウタくん、それにフウムちゃん、どうしたの?」

 シーニが驚きながらいう。

「シアンが体調が悪いってきいたからお見舞いにきたんだ」
「これみっくんの好きなメロンパンとみずまんじゅうです」
「それに風邪に効くといわれる飲み物も持ってきましたわ」
「くう……ミズキはなんていいトモダチをもったんだ」

 わたしたちが口ぐちにいうとシーニは涙を流しながら受け取る。

「せっかくきたなら、ミズキにあっていく?」
「え? いいんですの?」
「うん、体調が悪いっていっても風邪じゃないから大丈夫だと思うよ」
「え?」

 わたしたち三人はシーニの言葉に驚いた。

 研究室に入るとベッドのようなところでカラダに機械のようなナニかを付けられたシアンが体調が悪そうに寝ていた。

「シアン!?」

 わたしたちはシアンにかけよる。

「みっくん、大丈夫!?」
「これはどういうことですの?」

 口ぐちに驚いていると、シーニが説明してくれる。

「恐らくだけど、魔力の乱れによる体調不良だと思う」

 シーニが真剣な顔で説明する。

「え?どういうこと?」
「ワタクシは魔力がないので、知識でしか知りませんが、成長期などにみられるカラダの成長と共に魔力量が変化する時に魔力が増え過ぎてカラダに収まりきらない時に起こるといわれる症状ですわね」 

 フラウムがさらに説明してくれた。

「その症状が出ると魔力量が多いいということで、人によっては喜ばしいという人もいますわね」
「だけど、ナニか『違う』気がする」

 フシギそうにするフラウムと違ってクロロンは確信めいたようにいう。

「クウタくんもそう思う?」
「え?どういうこと?」

 シーニもなにかわかっているか、頷いた。

「確かに天海さんの成長期は終わっているはずですので、時期外れですわね」
「それもそうなんだけど」

 クロロンは言葉を続ける。

「ぼくも何回かなったことがあるけど……うまくいえないけど、ナニか違うんだ」
「ナニかとは?」

 なんかフシギな感じを上手く言葉にできないクロロンはあたふたと言葉を繋ぐ。

「なんというか、ぼくの場合は中に収まろうって感じだったけど……みっくんのこの感じ、ナニかに『引っ張られている』感じがするんだ」
「引っ張られる?」
「わたしもそう思うよ」

 シーニが真剣な顔でいう。

「昨日まで全然元気だったのに、今日の朝方から苦しみだしたんだ」
「今日から?」
「ねえ、もしかしてだけど関係してるのかな?」
「ワタクシも同じことを考えましたわ」

 クロロンとフラウムは互いをみて険しい顔をした。

「なにかしってるの?」
「えっと、関係しているか分からないんですけど……実は……」

「みつけたぞ」

「!?」

 突然、声がして、わたしたちは後ろを振り返ると、メガネの青年が立っていた。

「レータ!?」

 研究所の入り口にレータが立っていたので、わたしは驚く。

「メガネ!人の家に勝手に入ってくるとは失礼ですわよ!」
「きのせさんまって!」

 フラウムはレータに文句をいいに歩いて行こうとしたけど、クロロンがフラウムの前に立つ。

「緑風さん?」
「クロロン?どうしたの?」

 わたしとフラウムはクロロンをフシギに思いみるけど、クロロンはレータをみて険しい顔をしていた。

「キミは誰?」
「え!?」

 クロロンの言葉にわたしたちは眼を見開いて驚き、レータをもう一度みる。

「え!? やっぱりメガネ変えた!?」
「変えたかもしれないけど、たぶん違うと思う」
「…………」

 レータはなにもいわずにこっちに歩いてくる。

「止まって!」

 それをシーニがなぜか杖を構えて静止させる。

「ねえ、もしかしてだけど、ミズキにナニかようかな?」

 シーニはいつものやさしい感じじゃなくて、危ない人を目の前にしたような真剣な目を向ける。

「………」

 レータはなにも答えない。

「なんのようかだけ教えてくれたりしない?」

 シーニはやさしく問いかけるけど、かなり警戒した感じで聞く。

「それを聞いてどうする」 
「答えによってはキミを防衛の為に攻撃しないといけないからさ」
「そうか……なら」

 レータは「ふっ…」と小さく笑うと答える。

「そいつのカラダを『奪い』にきた」

 え? 『奪う』? どういうこと?

「正直な子はおねえさん好きだけど、それを聞いちゃ黙ってられないね」

 シーニは杖を構え直して魔法を放つ。

「バインド!」

 杖の先から紐が飛び出してレータを捕らえようとしたけど、レータは一瞬で姿を消した。

「はやい!?」

 シーニはレータを探すが、すぐに目の前に姿を現した。

「おそいな」
「なっ!?」

 守りの態勢にはいろうとしたけど間に合わない!

「黄瀬流格闘術弐ノ型『旋風脚』!!」

 バシーン! という風を切るような音が鳴り響き、フラウムがレータにむかって強烈な蹴りを噛ました。

 しかし、

「…………」

 フラウムの蹴りを左腕で受け止めていた。 それをみて眼を見開く。

「そんな!? メガネのクセにワタクシの蹴りを止めるなんて!?」

 フラウムは得意の蹴りを止められてしまい困惑する。

「お前『魔力なし』か」
「!?」

 レータの言葉にフラウムのカラダがビクリと反応するのと同時に、レータはカラダから衝撃波を放ってシーニとフラウムを飛ばした。

「うわあ!」
「きゃあ!」
「シーニ!」
「きのせさん!」

 シーニは飛ばされた衝撃で地面を転がってしまう。 フラウムはクロロンが咄嗟に受け止めたので、すこし飛ばされたけど、衝撃を抑えることができたようだ。

「ぐう……!」
「シーニ!」

 シーニに駆け寄る。

「大丈夫! それよりフウムちゃんは!?」

 わたしはシーニにいわれフラウムをみると、二人は床に倒れていたけど、クロロンがフラウムをなんとか受け止めていた。

「大丈夫!? きのせさん?」
「はい、なんとか……それより……すみません緑風さん」
「ぼくは全然大丈夫だよ」

 なんとか大丈夫みたいだ。 わたしはほっとして胸を撫で下ろす。

「ちっ……このカラダはこの程度しかチカラが出せんのか」
「え?」

 あんなすごい技をだして本気じゃないってこと? ん? 『このカラダ』? どういうこと? レータだよね?

「はやく我が半身を手に入れなければ話にならん……」

 もしかして、『レータじゃない』?

「それって……」
「ミズキが半身ってこと!?」
「正しくは一部とでもいっておこうか」

 え!? シアンが半身? 一部? どういうこと?

「それを聞いちゃ、なおさら、キミにミズキを渡す訳にはいかないね」

 シーニはヨロヨロと立ち上がり杖を構える。

「シーニさん達は逃げてください!」
「!?」

 フラウムは叫ぶようにいうと、レータにむかってもう一度蹴りをいれた。 しかし、かわされてしまう。  

「フウムちゃん!?」
「せめてもの時間稼ぎですわ! 今のうちに助けを呼びにいってください!」

 フラウムの鋭い蹴りをまるで止まってみえているといわんばかりに最小限の動きでかわす。
 かかと落としや回し蹴り、跳び蹴り、払い蹴り、浴びせ蹴り、沢山の技をだすけど避けられてしまう。

「クソ……すばしっこいですわね!」
「しつこいな」

 フラウムはカラダを捻り素早い回し蹴りをする。 しかし、足を捉まれてしまった。

「な……!? この! 放しやがれですわ!」
「この足を黙らせるか」
「!?」
 
 その言葉を聞いたフラウムの顔が青くなる。 そして、レータは腕にチカラをいれる。

「グウゥ!!!」

 フラウムが痛みで顔を歪める。

「フラウム!!」
「フウムちゃん!!」
「やめろぉ!!」 

 隣にいたクロロンは叫ぶと、一瞬、姿が消えた気がした。 だけど、次の瞬間にレータの目の前に姿を現して腕を振り上げる。

「!?」

 そして、レータの背後にもうひとつの人影が手にしていた棒を振りかざす。

「なに!?」

 レータは咄嗟にフラウムの足を放して、両手を使って前後にバリアを張る。

 前後からバチン! と火花が散ったような音がした。

「新手か」

 レータはそういうと距離をとった。

「すまん、遅くなった」
「もうちょっとはやくきてほしかったな」

 黒髪の青年が現れてそれをみたシー二はうれしそうに笑う。



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢と入れ替えられた村娘の崖っぷち領地再生記

逢神天景
ファンタジー
とある村の平凡な娘に転生した主人公。 「あれ、これって『ダンシング・プリンス』の世界じゃない」 ある意味好きだった乙女ゲームの世界に転生していたと悟るが、特に重要人物でも無かったため平凡にのんびりと過ごしていた。 しかしそんなある日、とある小娘チート魔法使いのせいで日常が一変する。なんと全てのルートで破滅し、死亡する運命にある中ボス悪役令嬢と魂を入れ替えられてしまった! そして小娘チート魔法使いから手渡されたのはでかでかと真っ赤な字で、八桁の数字が並んでいるこの領地収支報告書……! 「さあ、一緒にこの崖っぷちの領地をどうにかしましょう!」 「ふざっけんなぁあああああああ!!!!」 これは豊富とはいえない金融知識と、とんでもチートな能力を活かし、ゲーム本編を成立させれる程度には領地を再生させる、ドSで百合な少女の物語である!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

スライム退治専門のさえないおっさんの冒険

守 秀斗
ファンタジー
俺と相棒二人だけの冴えない冒険者パーティー。普段はスライム退治が専門だ。その冴えない日常を語る。

チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。 交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。 そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。 その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。 だが、それが不幸の始まりだった。 世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。 彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。 さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。 金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。 面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。 本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

合成師

盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。 そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。

処理中です...