107 / 124
ひと夏の思い出編
107色 期待と不安
しおりを挟む
「……よし、こんなものですわね」
夏休みに入って数日が経った日の夜、明日に迫ったリゾート地のプレオープンへ行く準備を終えたワタクシは一息付いた。
「ついに明日ですわね」
ワタクシは自室の机に置いてあるタブレットを手に取り画面を確認する。
「…………」
タブレットの画面をスライドさせてサイト内のボタンを指でタップすると、画面が切り替わり、そのサイトの説明を再度読む。
『リゾート地生産のコーヒー豆で仕立てた自慢の濃厚コーヒーゼリー』
ワタクシが友人達を……いえ、『彼』をこのリゾート地に招待したかった理由はこのメニューを彼と一緒に味わいたかったからだ。 そして、彼の喜ぶ顔がみたいから。
正直、このリゾート地の不可解な事件のことで誘うのは危ないと気が引けてしまいましたが、こんなチャンス滅多にないと思い切って決断しました。
「……本当に何事もなければいいのですが」
そんな不安を抱いていると、ワタクシの部屋のドアがノックされ低い音がなった。
「はい、入っていいですわ」
ワタクシが許可をすると、「失礼します」という挨拶の後、ワタクシと歳の変わらない執事姿の青年が入ってきた。
「お嬢様、準備でしたら私に申しつけて頂ければ良かったものを」
青年はワタクシに一礼しながらも部屋の状況を確認したのか、ワタクシに向けいう。
「いいですわよ、このくらいできなきゃ只の箱入り娘ですわ。 それよりイブキ貴方こそ準備はできたんですの?」
「はい……ですが、私如きがお嬢様の護衛ならともかく『ご招待』を受けてしまっていいのでしょうか?」
イブキは申し訳なさそうにいい、ワタクシはそれをみて溜息をつく。
「イブキ、余り主人に恥をかかせるものではありませんわよ。 それにこれは『ワタクシのことはいいからもっと青春を謳歌しなさい』という命令を聞かないアナタへの『罰』ですわ」
「なんとお優しい『罰』でしょうか」
イブキの声から困惑の色が伺えるがワタクシは無理やり話を進める。
「とにかく、貴方は明日から数日間、ワタクシのことは考えずにリゾート地を満喫しなさい、これは『命令』ですわ」
「かしこまりました。 お嬢様の命令を命に代えても全うしてみせます」
「固いですわね」
イブキの言葉に苦笑しながらもワタクシも心の中で明日を待ち遠しくなっていた。
夏休みに入って数日が経った日の夜、明日に迫ったリゾート地のプレオープンへ行く準備を終えたワタクシは一息付いた。
「ついに明日ですわね」
ワタクシは自室の机に置いてあるタブレットを手に取り画面を確認する。
「…………」
タブレットの画面をスライドさせてサイト内のボタンを指でタップすると、画面が切り替わり、そのサイトの説明を再度読む。
『リゾート地生産のコーヒー豆で仕立てた自慢の濃厚コーヒーゼリー』
ワタクシが友人達を……いえ、『彼』をこのリゾート地に招待したかった理由はこのメニューを彼と一緒に味わいたかったからだ。 そして、彼の喜ぶ顔がみたいから。
正直、このリゾート地の不可解な事件のことで誘うのは危ないと気が引けてしまいましたが、こんなチャンス滅多にないと思い切って決断しました。
「……本当に何事もなければいいのですが」
そんな不安を抱いていると、ワタクシの部屋のドアがノックされ低い音がなった。
「はい、入っていいですわ」
ワタクシが許可をすると、「失礼します」という挨拶の後、ワタクシと歳の変わらない執事姿の青年が入ってきた。
「お嬢様、準備でしたら私に申しつけて頂ければ良かったものを」
青年はワタクシに一礼しながらも部屋の状況を確認したのか、ワタクシに向けいう。
「いいですわよ、このくらいできなきゃ只の箱入り娘ですわ。 それよりイブキ貴方こそ準備はできたんですの?」
「はい……ですが、私如きがお嬢様の護衛ならともかく『ご招待』を受けてしまっていいのでしょうか?」
イブキは申し訳なさそうにいい、ワタクシはそれをみて溜息をつく。
「イブキ、余り主人に恥をかかせるものではありませんわよ。 それにこれは『ワタクシのことはいいからもっと青春を謳歌しなさい』という命令を聞かないアナタへの『罰』ですわ」
「なんとお優しい『罰』でしょうか」
イブキの声から困惑の色が伺えるがワタクシは無理やり話を進める。
「とにかく、貴方は明日から数日間、ワタクシのことは考えずにリゾート地を満喫しなさい、これは『命令』ですわ」
「かしこまりました。 お嬢様の命令を命に代えても全うしてみせます」
「固いですわね」
イブキの言葉に苦笑しながらもワタクシも心の中で明日を待ち遠しくなっていた。
0
あなたにおすすめの小説
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜
カイ
ファンタジー
主人公の沖 紫惠琉(おき しえる)は会社からの帰り道、不思議な店を訪れる。
その店でいくつかの品を持たされ、自宅への帰り道、異世界への穴に落ちる。
落ちた先で紫惠琉はいろいろな仲間と穏やかながらも時々刺激的な旅へと旅立つのだった。
異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。
【あらすじ】
異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。
それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。
家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。
十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。
だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。
最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。
この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。
そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。
そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。
旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。
☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。
☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。
世紀末ゾンビ世界でスローライフ【解説付】
しおじろう
SF
時は世紀末、地球は宇宙人襲来を受け
壊滅状態となった。
地球外からもたされたのは破壊のみならず、
ゾンビウイルスが蔓延した。
1人のおとぼけハク青年は、それでも
のんびり性格は変わらない、疲れようが
疲れまいがのほほん生活
いつか貴方の生きるバイブルになるかも
知れない貴重なサバイバル術!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収
ソラ
ファンタジー
毎日20時更新予定。
【あらすじ】
追放された『貸与者』は、不条理な世界を監査(清算)する
「お前のようなゴミはいらない」
勇者パーティの荷物持ちソラは、魔王討伐を目前に非情な追放を言い渡される。
だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。
彼らの力はすべて、ソラの規格外のステータスを『借りていた』だけの虚飾に過ぎないことを。
「……わかった。貸していた力(資産)、すべて返還(清算)してもらうよ」
契約解除。勇者たちは凡人へと転落し、ソラはレベル9999の万能感を取り戻す。
しかし、彼が選んだのは復讐ではない。
世界に蔓延る「不条理な負債」を暴き、正当な価値を再定義する**『監査官』**としての道だった。
才能なしと虐げられた少女ミィナを助け、ソラは冷徹に告げる。
「君の絶望は、私が買い取った。利息として……君を最強にしてあげよう」
「因果の空売り」「魂の差し押さえ」「運命の強制監査」
これは、最強の『貸与者』が、嘘まみれの英雄や腐敗した領地を、帳簿の上から「ざまぁ」する物語。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる