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新たなる出会い
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「凄い……ここから手縫いで作るんだよね」と栞の母に聞くと、お婆ちゃんでいいわと言われ照れてしまう。
「お婆ちゃん……」
「やだ、照れるわねぇ」
「は?」
「羨ましかったのよ?冬弥さんの家族が楽しそうで。うちにも遠慮なく遊びに来てね!そうだ、雪翔君にも着物作ってあげましょうか?」
「でも、僕歩けないし」
「関係無いわよ!何色が好き?」
「み、緑色とか」
「若いからねぇ……柄物もいいわよねぇ」
「何しとるんだ」
「あら、お父さん。雪翔君に着物をと思ってね」
「緑か……ならばこの若草色はどうじゃ?」
「老けて見えません?もっと薄い色は?」
「ならこれは……」
そう言って二人で反物を合わせてくる。
「雪翔よ、わしの事は爺さんでいい。栞の子だからの。それよりほれ、好きなのを言うてみぃ」
「この、淡い緑とか好きです」
「おお、これなら薄く柄もあるしいいかもな。羽織はこの藍色のはどうじゃ?」
「今は白地が流行ってるんですよ?でもこれに白はねぇ」
「その白に近い緑のはダメですか?」
「ふむ、肩が白くて下に段々と濃くしていくか。よし、縫ったら着物に合わせて染抜きにしよう。式までに間に合わせるから待っておれ」
「ありがとうございます」
「良い良い、後は足袋と草履じゃな」
細かいものをいくつか合わせてもらい、やっと決まったところで、帰るぞーと御機嫌のおじいちゃんが顔を覗かせた。
「何じゃ?着物か?」
「ええ、雪翔君に」
「良かったな!それなら儂の羽織もひとつ頼む。色はいつもとよく似たのでいい」
「ならこの生地は?」
「もう少し濃いと有難い。ほかの着物にも合わせやすいからのう、ここでみんな作っておるから、適当に合わせてくれ」
「分かったよ」
「じゃあ、式でな!」
その後はいくつか挨拶に行き、籍だけ入れるというのでついて行く。
「前より賑やかだね」
「そうですねぇ、なにか芝居でも来てるのかも知れませんねぇ」
「でもこの通りには芝居小屋はないですよ?」
「気になりますが、役場に行きましょう」
役所につき、必要なことを書いて終わり。その書類を城に出さないといけないと、京弥さんを呼んで送ってもらう手続きをする。
「おめでとう」
「ありがとうございます。城にはいつ届きます?」
「明日には。天狐からと印が有るから優先される。浮遊城には行かないのか?」
「みんなで行こうと思いまして申請中です」
「それは楽しみだ!で?あちらでは新婚旅行とか言うものがあるんだろう?」
「そうみたいですが、下宿の子に聞いてからにします」
「その間雪翔はこっちに遊びに来るといいよ。決まったら知らせてくれ」
その後は時間も時間だったので下宿まで冬弥の力で飛んでもらい、市役所に婚姻届を出す。既に養子になっていたので、出すだけで済んだが、何故か二人はみんなにどう言おうかと悩んでいるようだった。
「お婆ちゃん……」
「やだ、照れるわねぇ」
「は?」
「羨ましかったのよ?冬弥さんの家族が楽しそうで。うちにも遠慮なく遊びに来てね!そうだ、雪翔君にも着物作ってあげましょうか?」
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「若いからねぇ……柄物もいいわよねぇ」
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「あら、お父さん。雪翔君に着物をと思ってね」
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「この、淡い緑とか好きです」
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「今は白地が流行ってるんですよ?でもこれに白はねぇ」
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「ふむ、肩が白くて下に段々と濃くしていくか。よし、縫ったら着物に合わせて染抜きにしよう。式までに間に合わせるから待っておれ」
「ありがとうございます」
「良い良い、後は足袋と草履じゃな」
細かいものをいくつか合わせてもらい、やっと決まったところで、帰るぞーと御機嫌のおじいちゃんが顔を覗かせた。
「何じゃ?着物か?」
「ええ、雪翔君に」
「良かったな!それなら儂の羽織もひとつ頼む。色はいつもとよく似たのでいい」
「ならこの生地は?」
「もう少し濃いと有難い。ほかの着物にも合わせやすいからのう、ここでみんな作っておるから、適当に合わせてくれ」
「分かったよ」
「じゃあ、式でな!」
その後はいくつか挨拶に行き、籍だけ入れるというのでついて行く。
「前より賑やかだね」
「そうですねぇ、なにか芝居でも来てるのかも知れませんねぇ」
「でもこの通りには芝居小屋はないですよ?」
「気になりますが、役場に行きましょう」
役所につき、必要なことを書いて終わり。その書類を城に出さないといけないと、京弥さんを呼んで送ってもらう手続きをする。
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「ありがとうございます。城にはいつ届きます?」
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