下宿屋 東風荘 3

浅井 ことは

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新たなる出会い

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朝起きるとほとんど痛みがなくなっていたので、下宿に行って少し手伝いをしてからご飯を食べて、森に行く。
これが日課になってしまったが、木に触ると中心部分が暖かくなっているような気がしてきているので、お昼まで頑張り家に戻る。

「ただいまー」

「おかえりなさい。森の方はどうですか?」

「まだ分からないけど、本に書いてあるとおりにしてるよ?」

「何が出てくるんでしょうねぇ」

「昨日観た映画では白と黒の大きいのが出てたけど……僕、小さいのがいいなぁ」

「こればかりは私も分からないので……」

「金銀が分かるといいんだけど、知らないって言うから……」

「書物には何も?」

「そこまでは……読めないことは無いんだけど、言い回しが難しくて。それで昨日借りに行ったんだ」

書物が古すぎて敗れてしまいそうで怖いのもあり、所々薄くなって読めない箇所もあると伝え、お昼ご飯を待つ。
その間にパソコンでパジャマを選んで冬弥に見せ、それでいいと言われたので注文する。

ご飯を食べたら出かけたいと言ったら、近くならいいと言われたので、小型のホームセンターへと行く。

「しーちゃん、人型になるのも慣れたね?いろんな年齢になれるって羨ましいかも」

「今日は犬を買いに来たんですか?それなら紫狐は大人にならないといけません」

「違うよ?犬も見るけど、買うのは翡翠の服。多分一番小さいので合うと思うんだ」

「お洋服ですか?」

「しーちゃん達は色違いの半纏着てるでしょ?あれは冬弥さんが買ってくれたの?」

「はいー。みんな大切に着てます」

「金と銀はいきなり平安時代みたいな格好で出てきたから。気に入ってるみたいだし。自分でも妖術とかいうので作れるの?」

「服くらいなら簡単に。でも、維持するよりは楽なので大抵なにか着るものを貰ってます」

「そうなんだ。金と銀て狐っぽくないからなぁ。幼稚園児みたいな顔してるし……」

やはり種が違うからだと思うと言われ、ついた先で子犬を見てから、犬用の洋服を選ぶ。

「女の子だからなぁ……」

何色が好きなのかもわからなかったので、クリーム色に水玉模様の服と、桃色にフードのついたモコモコの可愛い服二着と、よく似た色の保温マットに小さな毛布を買う。

「ほんとにこれでいいのかな?」

「他の子は囲炉裏の前で寝てた位だから、平気と思いますよ?」

「二人来ると僕、寝返りできないんだよ?」

「だってお布団はフカフカで気持ちがいいのを覚えてしまって。つい……」

「夏は暑いから嫌って言ってたよね?」

「くっつくと暑いけど、あの冷房と言うのに慣れないので、影のが心地いいです」

「それ、我儘だよ?」

「ううっ!それを言われると……」

「でも前に藍ちゃんもよく似たこと言ってたよ?しーちゃんと変わった時に、布団に入ってきて夜中に暑い!って布団の上に出てたけど、暑さとかあまり感じないんじゃなかったっけ?」

「そうです。冬弥様達は強いんです。紫狐達はなるべく影の中にいるので、たまに用事で外に出ると暑いんです。それ以外は真冬以外は平気ですよ?」

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