40 / 99
七泊八日
.
しおりを挟む
「本来は御館様の命でなければ姿は出せないのですが……」
「ごめんね。どこにも出られないから……」
「何かお聞きになりたい事でも?」
「二人の名前は教えてもらえないんだよね?」
「申し訳ございません。ですが祭りの際に町民としていくので、その際は三郎・四郎と呼んでいただければ」
「わかった」
今話しているのが三郎、無口な少し体の大きい方が四郎と覚え、この狐の世界の地図を出して、一つ指を指す。
「ここなんだけど、これこの世界の世界地図じゃないよね?なんか大陸に見えるんだけど」
「それならば四郎の方が分かるかと」
「はい……この妖街は、その名の通り狐以外にも妖が住んでおります。その地図は狐のエリアの地図となり、雪翔様の仰っている大陸とは橋で繋がっております」
「狐エリア?他にもあるの?例えば犬エリアとか?」
「いえ、兎の妖は主に薬などを作っており、離れた小島に住んでおります。そこから問屋が買い付けなどして売っております。他は地図に書いていないだけで大陸で繋がっており、狸の里などあります。後は大抵妖怪が縄張りを持って住んでおりますが、行くことはないので地図に載っていないのでしょう」
「妖怪ってどんなの?」
「雪翔様がご存知かわかりませんが、ろくろ首にぬらりひょん、小豆洗いに河童に朧車。天狗は森の中におりまして、そこに覚(さとり)なども居ります」
「なんで地図に書いてないのかな?」
「三郎……」
「それは天狐様が禁止とされたからです。交流がないわけでも、行ってはいけない決まりも無いのですが、場所によっては入らない方がいい所もありますので」
「お祭りには来るの?」
「来ます。朧車も空を飛んでいるか、その変で誰かを乗せたりと稼ぎ時ですし、祭りはこの狐エリアが一番大きな祭りを各地の中ではしますので」
「みんな仲良くすればいいのにね?」
「昔の話ですが、この妖怪の世界といえばわかりやすいでしょうか……かなり大きな戦がありました。その時に結ばれた協定が、各地に干渉をしないとなり、時を経てかなり規則はゆるくなりましたが、出入りの際はやはり行くのも戻るのも厳しくなっております」
「兎さんとは仲いいんだよね?」
「兎は中立の立場ですので。それに、島自体が薬草の宝庫で、誰も手出しはしません」
「僕も兎になりたいよ……あれもダメこれもダメじゃみんな仲良く出来ないもん」
それからは行ったことはあるのかと聞いて、四郎が行ったことが有るというのでどんな街だったかと聞いたりして時間を過ごし、夕方になり冬弥と栞が部屋に来た時に二人が居たことに驚いていたが、そろそろ行くというので、社まで行きたいとごねて連れていってもらう。
「雪翔君、あっちで帰ってくるの待ってるわね」
「うん、着物も持って帰っていい?」
「良いわよ。私も畳み方くらい知ってるから」
「紫狐は連れていきますが、その二人からは絶対に離れないでください。三郎と四郎でしょう?私も何度か会いましたが、一族の中でも一番若い二人です。後周太郎と行動は共にしてくださいよ?それと、怪我と……」
「怪我しないもん。大丈夫だよ、みんな居てくれるから」
撫で撫で……
「兄にも色々と頼んでありますし、祭りには昴さんも来てくれるそうです。仲良くしてください」
「うん。昴さんて親戚のおじさんみたいだよね……」
「そんな感じですねぇ。でも頼りになる人ですから」
「二人共そんなに心配しないで?僕も気をつけるから」
「分かりました。では三郎、四郎。雪翔を任せました」
「はっ!」
「ごめんね。どこにも出られないから……」
「何かお聞きになりたい事でも?」
「二人の名前は教えてもらえないんだよね?」
「申し訳ございません。ですが祭りの際に町民としていくので、その際は三郎・四郎と呼んでいただければ」
「わかった」
今話しているのが三郎、無口な少し体の大きい方が四郎と覚え、この狐の世界の地図を出して、一つ指を指す。
「ここなんだけど、これこの世界の世界地図じゃないよね?なんか大陸に見えるんだけど」
「それならば四郎の方が分かるかと」
「はい……この妖街は、その名の通り狐以外にも妖が住んでおります。その地図は狐のエリアの地図となり、雪翔様の仰っている大陸とは橋で繋がっております」
「狐エリア?他にもあるの?例えば犬エリアとか?」
「いえ、兎の妖は主に薬などを作っており、離れた小島に住んでおります。そこから問屋が買い付けなどして売っております。他は地図に書いていないだけで大陸で繋がっており、狸の里などあります。後は大抵妖怪が縄張りを持って住んでおりますが、行くことはないので地図に載っていないのでしょう」
「妖怪ってどんなの?」
「雪翔様がご存知かわかりませんが、ろくろ首にぬらりひょん、小豆洗いに河童に朧車。天狗は森の中におりまして、そこに覚(さとり)なども居ります」
「なんで地図に書いてないのかな?」
「三郎……」
「それは天狐様が禁止とされたからです。交流がないわけでも、行ってはいけない決まりも無いのですが、場所によっては入らない方がいい所もありますので」
「お祭りには来るの?」
「来ます。朧車も空を飛んでいるか、その変で誰かを乗せたりと稼ぎ時ですし、祭りはこの狐エリアが一番大きな祭りを各地の中ではしますので」
「みんな仲良くすればいいのにね?」
「昔の話ですが、この妖怪の世界といえばわかりやすいでしょうか……かなり大きな戦がありました。その時に結ばれた協定が、各地に干渉をしないとなり、時を経てかなり規則はゆるくなりましたが、出入りの際はやはり行くのも戻るのも厳しくなっております」
「兎さんとは仲いいんだよね?」
「兎は中立の立場ですので。それに、島自体が薬草の宝庫で、誰も手出しはしません」
「僕も兎になりたいよ……あれもダメこれもダメじゃみんな仲良く出来ないもん」
それからは行ったことはあるのかと聞いて、四郎が行ったことが有るというのでどんな街だったかと聞いたりして時間を過ごし、夕方になり冬弥と栞が部屋に来た時に二人が居たことに驚いていたが、そろそろ行くというので、社まで行きたいとごねて連れていってもらう。
「雪翔君、あっちで帰ってくるの待ってるわね」
「うん、着物も持って帰っていい?」
「良いわよ。私も畳み方くらい知ってるから」
「紫狐は連れていきますが、その二人からは絶対に離れないでください。三郎と四郎でしょう?私も何度か会いましたが、一族の中でも一番若い二人です。後周太郎と行動は共にしてくださいよ?それと、怪我と……」
「怪我しないもん。大丈夫だよ、みんな居てくれるから」
撫で撫で……
「兄にも色々と頼んでありますし、祭りには昴さんも来てくれるそうです。仲良くしてください」
「うん。昴さんて親戚のおじさんみたいだよね……」
「そんな感じですねぇ。でも頼りになる人ですから」
「二人共そんなに心配しないで?僕も気をつけるから」
「分かりました。では三郎、四郎。雪翔を任せました」
「はっ!」
0
あなたにおすすめの小説
下宿屋 東風荘
浅井 ことは
キャラ文芸
神社に憑く妖狐の冬弥は、神社の敷地内にある民家を改装して下宿屋をやっている。
ある日、神社で祈りの声を聞いていた冬弥は、とある子供に目をつけた。
その少年は、どうやら特異な霊媒体質のようで?
妖怪と人間が織り成す、お稲荷人情物語。
※この作品は、エブリスタにて掲載しており、シリーズ作品として全7作で完結となっております。
※話数という形での掲載ですが、小見出しの章、全体で一作という形にて書いております。
読みづらい等あるかもしれませんが、楽しんでいただければ何よりです。
エブリスタ様にて。
2017年SKYHIGH文庫最終選考。
2018年ほっこり特集掲載作品
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる