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陰陽の守り神
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寝たり起きたりしながら一日過ごし、結局胃が痛くてご飯が食べられないまま、一日二日と過ぎていく。
「雪翔君おはよう、今日からまた病院の日だけど、今日は診察だから……」
もぞもぞと布団に潜って「行かない」とごねていると、冬弥が布団を捲り「はい、準備準備!」と無理やり起こしてくる。
仕方なく歩行器に捕まり、顔を洗って身支度を整えると、玄関の前に車が止まっていて、隆弘が「おっす!」と来てくれていた。
「ほら、乗って。話は聞いてるし、病院で車椅子借りれると思うぞ?」とおんぶしてくれる。
「うぇぇぇ……」
「泣くなって。足も見てもらおうな?飯もこれ以上食わなかったら冬弥さんのことだからまた強制に入院させられるぞ?そんなの嫌だろ?」
コクンと頷き、車の後ろに乗せてもらってみんなで病院に行く。
「待ってて。車椅子借りてくるから」
栞が車椅子を取りに行って、いいのが借りれたのと新しい車椅子に座らされ、冬弥が押してくれる。
「冬弥さん、車借りてていい?大学に顔だしておきたいんだけど」
「ええ、終わったら電話します」
「了解!」
受付に診察券を出して順番が来るのを待ち、その間に処置室で血圧や体重、身長など測られる。
「身長伸びてた?」
フルフルと首を横に振り、親もそんなに高くなかったので自分も低いままなんだろうと、身長は諦めていた。
「まだ伸びますよ。20歳くらいまで伸びるんでしたっけ?」
「今の子は成人すぎても伸びる子いるらしいですよ?」
「今、164.8ですか。170cmくらいいきそうですけどねぇ」
「みんな小さかったから伸びないよ……」
「関係ないですよ。海都のご両親も低めでしたけど、タケノコみたいに育ってきてますから、伸びますよ」
早乙女さーんと呼ばれ、三人で診察室に入る。
一旦、あちらの世界でとは言わずに、足を怪我したことと、こちらの祭りでの事を冬弥が話、一旦二人が診察室を出てからベッドに横になって足を診てもらう。
「うん、骨には異常はないけど腫れがあるから湿布だしておくね。他に変わったことは無い?」
「少しだけ……3歩くらいだけど、歩けました」
「本当に?リハビリも頑張ってるし、この調子で頑張ろうね。でも無理は禁物だよ?焦らなくていいからね」
「僕……いつまで車椅子乗ってるんだって言われて……壊されちゃったし……」
グスッとまた涙が出てしまい、ごめんなさいと言う。
「雪翔君、車椅子に乗ってても、君は一人でいろんなところに行こうと努力したよね?中にはまだ車椅子に対応してないところだってあるんだ。でも、君は外に出ようと頑張って、病院にも一人で来れるようになったし、買い物にも行けてる。今はそれでいいと思えないかな?」
「早く歩かなくちゃって……そう思ってしまって。高いところに手も届かないし、いつも助けてもらってばかりで」
「いいかい、大人でも助けが必要な人は沢山いるんだよ?それに、君は先生が思ってるよりもたくさんのことが出来てる。お風呂やトイレは勿論一人で出来てるし、家の手伝いもしてるよね?」
「はい、でもそれは大工の棟梁が机を作ってくれたから……」
「でも出来てる!もっと自信を持っていいと思うよ?今はできることを頑張る。それだけでいいからね?」
「はい……」
「じゃあ、雪翔君は今年初めてのリハビリ室に行こうか。今年の目標は?」
「勉強したい……です」
「学校ってことかな?」
「お祭りで……無理だってわかって。前の学校の子にあって心臓はバクバクするし、怖くて……通信制の高校に……月二回くらい行けばいいって。ネットで調べて……」
「そうだね。だったらやってみたらいい。先生からもお父さん達に話してみるから」
「いいんですか?」
「その代わり無理はしないこと!わかった?」
「はい!」
「じゃあ、看護師さんについて行って、リハビリ頑張ってこよう」
※※※※※※
「先生……」
「かなり自分に自信が無いようです。それに感情にも波がありますし、なんと言ってもまだ15歳です。ふてくされているとは思わずに、見守ってあげることも大事です。本人はその間、サボっていたり怠けているのではなく、苦しんでいると考えてあげてください」
「はい……でも、食事も中々摂らないことがあって」
「テーブルや冷蔵庫になにか入れておいてあげてください。彼の場合余計に部屋から出なくなることもありそうなので。それと学校について話が出ました。通信制の学校です」
「今からでは留年という形になりませんか?」
「私も詳しくはわからないのですが、彼の勉強したいと言う勤勉さはみんな知っています。なので、一度通信制でもやらせて見るのはどうでしょう?」
「年齢が違う人がいると聞きましたけど」
「それぞれ事情が違いますから。もしかしたらいい刺激になるかもしれませんよ?」
「分かりました。話し合ってみます」
「ただですね、通信制でも三年間通うタイプの高校もあるんです。そこは同年代の子もいますので……」
「はい」
「足に関しては湿布を出しておきました。骨にも異常はありませんし、歩けたと教えてくれました。もっと筋力が付けばいいのですが、元々線の細い子ですし、リハビリ内容を少し変えてみようと思います」
「それはおまかせします」
※※※※※※
「雪翔君おはよう、今日からまた病院の日だけど、今日は診察だから……」
もぞもぞと布団に潜って「行かない」とごねていると、冬弥が布団を捲り「はい、準備準備!」と無理やり起こしてくる。
仕方なく歩行器に捕まり、顔を洗って身支度を整えると、玄関の前に車が止まっていて、隆弘が「おっす!」と来てくれていた。
「ほら、乗って。話は聞いてるし、病院で車椅子借りれると思うぞ?」とおんぶしてくれる。
「うぇぇぇ……」
「泣くなって。足も見てもらおうな?飯もこれ以上食わなかったら冬弥さんのことだからまた強制に入院させられるぞ?そんなの嫌だろ?」
コクンと頷き、車の後ろに乗せてもらってみんなで病院に行く。
「待ってて。車椅子借りてくるから」
栞が車椅子を取りに行って、いいのが借りれたのと新しい車椅子に座らされ、冬弥が押してくれる。
「冬弥さん、車借りてていい?大学に顔だしておきたいんだけど」
「ええ、終わったら電話します」
「了解!」
受付に診察券を出して順番が来るのを待ち、その間に処置室で血圧や体重、身長など測られる。
「身長伸びてた?」
フルフルと首を横に振り、親もそんなに高くなかったので自分も低いままなんだろうと、身長は諦めていた。
「まだ伸びますよ。20歳くらいまで伸びるんでしたっけ?」
「今の子は成人すぎても伸びる子いるらしいですよ?」
「今、164.8ですか。170cmくらいいきそうですけどねぇ」
「みんな小さかったから伸びないよ……」
「関係ないですよ。海都のご両親も低めでしたけど、タケノコみたいに育ってきてますから、伸びますよ」
早乙女さーんと呼ばれ、三人で診察室に入る。
一旦、あちらの世界でとは言わずに、足を怪我したことと、こちらの祭りでの事を冬弥が話、一旦二人が診察室を出てからベッドに横になって足を診てもらう。
「うん、骨には異常はないけど腫れがあるから湿布だしておくね。他に変わったことは無い?」
「少しだけ……3歩くらいだけど、歩けました」
「本当に?リハビリも頑張ってるし、この調子で頑張ろうね。でも無理は禁物だよ?焦らなくていいからね」
「僕……いつまで車椅子乗ってるんだって言われて……壊されちゃったし……」
グスッとまた涙が出てしまい、ごめんなさいと言う。
「雪翔君、車椅子に乗ってても、君は一人でいろんなところに行こうと努力したよね?中にはまだ車椅子に対応してないところだってあるんだ。でも、君は外に出ようと頑張って、病院にも一人で来れるようになったし、買い物にも行けてる。今はそれでいいと思えないかな?」
「早く歩かなくちゃって……そう思ってしまって。高いところに手も届かないし、いつも助けてもらってばかりで」
「いいかい、大人でも助けが必要な人は沢山いるんだよ?それに、君は先生が思ってるよりもたくさんのことが出来てる。お風呂やトイレは勿論一人で出来てるし、家の手伝いもしてるよね?」
「はい、でもそれは大工の棟梁が机を作ってくれたから……」
「でも出来てる!もっと自信を持っていいと思うよ?今はできることを頑張る。それだけでいいからね?」
「はい……」
「じゃあ、雪翔君は今年初めてのリハビリ室に行こうか。今年の目標は?」
「勉強したい……です」
「学校ってことかな?」
「お祭りで……無理だってわかって。前の学校の子にあって心臓はバクバクするし、怖くて……通信制の高校に……月二回くらい行けばいいって。ネットで調べて……」
「そうだね。だったらやってみたらいい。先生からもお父さん達に話してみるから」
「いいんですか?」
「その代わり無理はしないこと!わかった?」
「はい!」
「じゃあ、看護師さんについて行って、リハビリ頑張ってこよう」
※※※※※※
「先生……」
「かなり自分に自信が無いようです。それに感情にも波がありますし、なんと言ってもまだ15歳です。ふてくされているとは思わずに、見守ってあげることも大事です。本人はその間、サボっていたり怠けているのではなく、苦しんでいると考えてあげてください」
「はい……でも、食事も中々摂らないことがあって」
「テーブルや冷蔵庫になにか入れておいてあげてください。彼の場合余計に部屋から出なくなることもありそうなので。それと学校について話が出ました。通信制の学校です」
「今からでは留年という形になりませんか?」
「私も詳しくはわからないのですが、彼の勉強したいと言う勤勉さはみんな知っています。なので、一度通信制でもやらせて見るのはどうでしょう?」
「年齢が違う人がいると聞きましたけど」
「それぞれ事情が違いますから。もしかしたらいい刺激になるかもしれませんよ?」
「分かりました。話し合ってみます」
「ただですね、通信制でも三年間通うタイプの高校もあるんです。そこは同年代の子もいますので……」
「はい」
「足に関しては湿布を出しておきました。骨にも異常はありませんし、歩けたと教えてくれました。もっと筋力が付けばいいのですが、元々線の細い子ですし、リハビリ内容を少し変えてみようと思います」
「それはおまかせします」
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