下宿屋 東風荘 6

浅井 ことは

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再び

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「あぁ、気持ち悪い変態男でしたからねぇ。二度と会いたくないです」

「そいつってどんな奴なの?」

「うーん、バス停であった時は普通のサラリーマンみたいで、車椅子押してくれたり優しい人だなぁって思ってたんだけど、特徴がなくって顔とかあまり覚えられない感じ?影の薄い先生の名前が覚えられないのと同じ」

「あー、居るな。そんな先生」

「出来ました!冬弥様すぐにご自宅にお戻りください!」

「慌ててどうしたんです?」

解読した紙を見せてもらうと、やはり図面のような模様が書いてあり、真ん中に『侑弥』と書いてあった。

「あの熱もしかして……」

「兄上、雪翔を頼みます。雪翔、今日はここにいなさい。学校もダメです!私が迎えに来るまで那智や兄上のそばから離れてはいけませんよ?周太郎は雪翔の世話をお願いします」

それだけ言って窓から走って飛び降りて行ってしまったので、つい「待って!」と言ってしまったが、天狐の力を使ったのか既に姿は消えていた。

「よし、俺も見てこよう。あいつ飛び出して行ったが、雪翔の薬とかいるんだよな?とってくるついでにこの周りも影に見張らせよう」

「それは俺達が……」

「いや、もしもの時の戦力は欲しいから、那智たちの狐は温存しといてくれ。京弥は守りのが得意だろ?四郎と周太郎は格闘だから本体。となれば夏樹が後方からの攻撃。はい、決まり!」

「昴さん、俺の事忘れてません?」

「那智は自分の息子と甥っ子を守らにゃならんだろ?」

じゃあ行ってくると言って、昴もベランダから飛び降りて行ってしまい、お狐様たちは本当に玄関から出入りするって知らないの?と真面目に言ってしまった。

「たまには玄関から入るが、面倒だからな」

「私は玄関ですねぇ」

「京弥さんはそうだろうけど、兄貴は……玄関だな……」

「当たり前だ。お前ぐらいのもんだぞ?二人共真似しないようにな」

航平と二人で「はい!」と夏樹に元気に返事をした後に、那智にひと通りの着替えはここにあると言われ、前も使って部屋がそのままだからそこを使うようにと言われた。

その後もう一度紙を見せてもらい、木の札ごと壊していいのか、白と黒を呼ぶ。

出てきた白たちに気の札を見せ、それがやはり術であることを確認して壊して欲しいと言うと、ポケットにしまってあった『破』の札で壊せると言われる。

「強く念じてください。そうすれば壊れます」

「白達がしてくれたらいいのに」

「御命令には背きませんが、雪殿の力も使わねば我々にも力が回ってこなくなります」

「そうなの?」

黒を見ると知らん顔して違う方を見ているが、見回ってくると出ていったので、白に側にいてもらい、ベランダで札を出して壊れろ!と念じると、ボッと火が上がり跡形もなく燃えてしまった。

「なんで燃えたの?」

「その術式に火が組み込まれていたのでしょう」

「これで侑弥は大丈夫?」

「ちらっと見ただけですが、この札には病の気が出ていましたので恐らくはもう元気になっていると思います」

「うん」

その後媒介になる物、白たちが影にいることが出来ないのかを話、影に入ると自分の力の制御ができなくなる可能性があるとのことで、暫くは外に出て見張りをするということになった。

「慣れているものといえばあのキーホルダーだと思います。初めて力を使ったのもそれですから。ただ、荷物を取られた時と言われるのであれば、短時間ならば影に入ることもできます。雪の力の制御を檪がしてくれるのであれば」

「檪、出来る?」
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