妖古書堂のグルメな店主

浅井 ことは

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#12 新たな訓練

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 連れていかれた場所はコンビニ。 

 おにぎりにサラダ。ミネラルウォーターを買い近くの河川敷で食べる。

「こちらの食べ物は美味いな。向こうにはコンビニがないから新鮮でいい」

「あんなに発展してるのにないんですか?」

「こちらの真似をしてはいるが、工場などがないから無理だろう」

 食べた後に少し休憩して、ストレッチ。

 準備運動は丁寧にと言いながら、「思ったよりは柔らかいな」と言われ、バスケをしていた事を話す。

「なら、このぐらいで。起こしに行く前に距離を測ったが、今いるここから向こうに見える橋まで三キロ。自分のペースでまず走ってくれ」

「はぁぁぁぁ? いきなり?」

「始め!」

 ピッと笛を吹かれたら走らないわけにはいかない。

 体育館の往復ダッシュでもきついのに三キロ……初日からすでにハード。

 のんびりとまではいかないが、少し体が温まってきてスピードを上げ、何とか完走。

「キツっ」

「思っていたより早かったな。水だ。ゆっくり飲め」

「ありがとう……ございます」

 グビグビと飲んで一息つきたかったが、時計を見ているので待たずにすぐ何か始めるのだろう。

「よし、移動しよう」

「どこに——」

 連れていかれたのは川。

 河川敷の川上と気づいたが、こんな所で何をするんだろう?

「川の所々に岩があるだろう? 川に落ちずに俺の居るところまで渡ってこい」

「は? 岩が離れてる所なんて無理」

「大丈夫だ。落ちたら最初から」

 ふざけんなー! と言う前にもう見えなくなってしまったので、仕方なく一つ目の岩に足をかける。

「うわ、結構バランスが悪い」

 落ちないようにゆっくりと岩や石に足をかけていくものの、川下に降りて行けばいくほど次の場所まで人とびでいっくのが難しくなってきた。

 奥の方に人影が見えてきたので、そこがゴールなのだろうが、その前に落ちるのは嫌だ。

「あ、何か使ったらだめって聞いてないから、この剣使ってもいいのかな?」

 剣に手を伸ばし、釣り竿の時と同じようなイメージで、太めの棒……走り高跳びのようにしなるものを想像し、自分の身長に合わせる。

「よし、これを刺して……と。おりゃ」

 上手く渡れたので、それを軸にして渡りきり何とかゴール。

「ほう、武器をうまく使ったな」

「使ったらだめって事は聞いてなかったんで。反則ですか?」

「いや、いつ使うのか気になっていたが、俺は序盤で使うと思っていたから感心した」

 水分はたくさん撮った方がいいと言われ、やっと腰を下ろして飲んでいると、「そろそろお昼だが……こちらの食べ物で、ラーメンと言うのを食べてみたいんだが」と言われ、ペットボトルを落としそうになってしまった。
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