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秋の国
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「重次の狐ならば何かあれば気づくと思うんですけどねぇ」
腕を組んで考えている冬弥の横で、漆と翡翠はいちごクッションで遊んでおり、琥珀は下に降りてゆっくり走り出した馬車の後方から荷馬車を見ている。
「檪、もしだけど、これを貼ったのが式だったら気づく?」
「気づきはすると思う……ただ、気配も匂いも消してしまわれていたら無理だろう。その重次の狐がいくら優秀でもだ」
「やっぱり風の一族の狐って特別なの?」
「そうですねぇ。普通の民たちの狐よりは敏感で動きもかなり素早いです。それがどうかしましたか?」
「冬弥さん、式を蛇にしたら分かんないよね?」
「あ!その手がありました。それなら気づかなくても仕方ないかも知れません。やはり三郎か四郎をつけた方がいいんじゃないですか?那智でもいいですけど」
「なんで那智さんなの?」
「俺も行くって騒いでましたよ?雪翔に散々立派なことを言っておいて気になるんでしょうねぇ」
「那智さんに、平気だからって伝えておいて。それより今夜の宿はどうするの?金たちじゃまだ小さいから見張り中に寝ていきそうだし、白と黒なら見張りしてくれると思うんだけど」
ひょいっと琥珀が馬車に飛び乗ってきて、「私が見張っておくとしようかねぇ。雪翔は白龍と黒龍をそばにおいて置かないといけないよ?」
「でも……」
「なに、私が興味あるだけだから気にしなくていい。向こうに帰ったらたっぷりとお神酒でも貰うとするから、揚でも用意してくれたらいい」
冬弥が青狐・朱狐も荷馬車に隠れさせると言っていて、今日の街の手前の宿と明日の中心街の宿での見張りは決まった。
「そうと決まればそろそろ着きますよね?このあたりの宿でいい所は……あ、街のはずれと言っても山菜汁を食べさせてくれる店があったと思います。何処でしたかねぇ……」
「来たことあるの?」
何度かあるという冬弥に宿は任せて、しきりに見せろと言ってくる琥珀に杖と本の解読が済んだ紙を見せる。
「琥珀さん興味あったの?」
「全然?ただねぇ、どこかで見たことがあるような無いような……かなり昔だからはっきりとは覚えてないんだけどねぇ……ちょっと漆!あんたもこっちに来て見なよ。翡翠とは後で遊べばいいだろう?」
「うるさい婆さんになったもんだ。その杖と紙がどうしたって?」
「聞いてたんだろう?」
「この剥がしてきた札の臭いと、この杖に付いている残り香がよく似ておるな」
「そうなんだよ。その匂いの元が気になってねぇ。覚えてないかい?」
「暫く考えさせてくれ。冬弥よ、お前は覚えておらんか?」
「匂いと言われましてもねぇ。私よりあなた達の方が嗅覚は優れているでしょう?」
「本当に微かなんだが、琥珀に言われるまで気付かない程度だ。ここから旅に出て、今の社に着くまでに行った場所……思い出せ」
「そう言われましても……今と街もかなり違いますし、その頃は山と海しかありませんでしたよ?街以外は」
腕を組んで考えている冬弥の横で、伏せ状態でずーっと杖を見ている漆。
琥珀は器用に前足でページをめくって解読した紙を読んでいる。
ガタガタと少し揺れたと思ったら、宿につきましたがと重次に言われ、「そうそう、ここです!山菜汁!」と冬弥が喜び、ニコニコしながら受付をしている。
「もうしまって良いぞ?」と言われ、杖などを全てしまうが、翡翠は漆と一緒にいたいというので、遠くに行かないことを約束させて漆に面倒を見てもらう事にした。
腕を組んで考えている冬弥の横で、漆と翡翠はいちごクッションで遊んでおり、琥珀は下に降りてゆっくり走り出した馬車の後方から荷馬車を見ている。
「檪、もしだけど、これを貼ったのが式だったら気づく?」
「気づきはすると思う……ただ、気配も匂いも消してしまわれていたら無理だろう。その重次の狐がいくら優秀でもだ」
「やっぱり風の一族の狐って特別なの?」
「そうですねぇ。普通の民たちの狐よりは敏感で動きもかなり素早いです。それがどうかしましたか?」
「冬弥さん、式を蛇にしたら分かんないよね?」
「あ!その手がありました。それなら気づかなくても仕方ないかも知れません。やはり三郎か四郎をつけた方がいいんじゃないですか?那智でもいいですけど」
「なんで那智さんなの?」
「俺も行くって騒いでましたよ?雪翔に散々立派なことを言っておいて気になるんでしょうねぇ」
「那智さんに、平気だからって伝えておいて。それより今夜の宿はどうするの?金たちじゃまだ小さいから見張り中に寝ていきそうだし、白と黒なら見張りしてくれると思うんだけど」
ひょいっと琥珀が馬車に飛び乗ってきて、「私が見張っておくとしようかねぇ。雪翔は白龍と黒龍をそばにおいて置かないといけないよ?」
「でも……」
「なに、私が興味あるだけだから気にしなくていい。向こうに帰ったらたっぷりとお神酒でも貰うとするから、揚でも用意してくれたらいい」
冬弥が青狐・朱狐も荷馬車に隠れさせると言っていて、今日の街の手前の宿と明日の中心街の宿での見張りは決まった。
「そうと決まればそろそろ着きますよね?このあたりの宿でいい所は……あ、街のはずれと言っても山菜汁を食べさせてくれる店があったと思います。何処でしたかねぇ……」
「来たことあるの?」
何度かあるという冬弥に宿は任せて、しきりに見せろと言ってくる琥珀に杖と本の解読が済んだ紙を見せる。
「琥珀さん興味あったの?」
「全然?ただねぇ、どこかで見たことがあるような無いような……かなり昔だからはっきりとは覚えてないんだけどねぇ……ちょっと漆!あんたもこっちに来て見なよ。翡翠とは後で遊べばいいだろう?」
「うるさい婆さんになったもんだ。その杖と紙がどうしたって?」
「聞いてたんだろう?」
「この剥がしてきた札の臭いと、この杖に付いている残り香がよく似ておるな」
「そうなんだよ。その匂いの元が気になってねぇ。覚えてないかい?」
「暫く考えさせてくれ。冬弥よ、お前は覚えておらんか?」
「匂いと言われましてもねぇ。私よりあなた達の方が嗅覚は優れているでしょう?」
「本当に微かなんだが、琥珀に言われるまで気付かない程度だ。ここから旅に出て、今の社に着くまでに行った場所……思い出せ」
「そう言われましても……今と街もかなり違いますし、その頃は山と海しかありませんでしたよ?街以外は」
腕を組んで考えている冬弥の横で、伏せ状態でずーっと杖を見ている漆。
琥珀は器用に前足でページをめくって解読した紙を読んでいる。
ガタガタと少し揺れたと思ったら、宿につきましたがと重次に言われ、「そうそう、ここです!山菜汁!」と冬弥が喜び、ニコニコしながら受付をしている。
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