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探し物
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祭りが終わり、吸い込まれるように来た場所は人間界であることに変わりはなかったが、奥深い山の中にある滝。
それしか何もわからず、どうしたものかと川を眺める。
「このような所に来る者がおるとは。いつぶりの事かの?」
背後から声がし振り向くと、杖をついた老人だった。
「あなたは?」
「儂はここの森に住んでおる狐じゃよ。千年の鳥居を超えたものと見受けるが?」
「ええ」
「ならば、声が聞こえたであろう?天狐になるために飛ばされたのじゃよ」
「ここはどの辺なんですか?」
「北の果てと言っておこうかの。空から見たらわかるじゃろう。今からお主がすることは、虹色の珠を3つ見つけてここに持ってくることじゃ」
「場所などは……教えてくれませんよねぇ?」
「ヒントはある。が、精神を集中させれば、簡単に見つかるじゃろう」
「今まで成功したものは?」
「今の天狐様くらいじゃろうて」
その後いくつかのヒントを言い残し、老人は姿を消した。
ただの連絡係のようなものだろう。
それから一月程で二つの珠は見つかったが、残り一つがなかなか見つからない。
青き森の奥深く。高くそびえる、山の雪__
その後の言葉を聞き取る前に老人は消えてしまったため、青木ケ原樹海だろうと思い来てからかなりの時間が経ったように思う。
木の上からも散々みて方向を確認しながら進んだというのに、一向に社のヤの字も見つからずイライラとしていた。
「二つは奥深くではあったのに、ちゃんと小さな社があった……今度はどこだ!」
進めど進めど、見たくないものばかりを見、たまに見つけた道を通るとだいたい行き止まり。
川に沿っていくと湖には出るものの、それらしきものはひとつも見つからない。
考えろ……我慢しろ……そう言い聞かせながら一日探すものの、いつも途中で体の感覚がおかしくなってしまうのがもどかしい。
方向など磁石なども効かないと聞いたことがあるので、そのせいかとも思ったが、気を強く持たないとこちらが引っ張られてしまう。
普段は指で跳ねるだけで消えてしまうモノも、ここではかなり強力となっていて、常につきまとってくる。
「もう一度上から見てみるしかないか……」
木の上に飛び乗り、意識を集中する。
かなり集中すれば少し感じの違うところはあるが、近付こうとすると何かに阻まれ、先に進むことが出来ない。
「結界……?それにしては穴だらけと言うか……」
日が登りだしキラキラと光る部分を見つけ、木上を渡って近づく。
絶対にここだと思うものの、周辺を探ってもどこからも入れず時間だけが過ぎていく。
「早くしないとみなさんの夕餉が気になるんですけどねぇ」
ひとまず休みながら、どうしようかと横になりうとうととする。
「冬弥、そろそろ急いだ方がいいのではないのか?」
「漆……何度もみんなで探しましたよねぇ?少し休ませてくださいよ」
「分かっておるが、お前の体が持たぬ」
「分かってます!静かにして……ん?」
「気づいたか?」
「なぜ先に言わないんですか?」
それしか何もわからず、どうしたものかと川を眺める。
「このような所に来る者がおるとは。いつぶりの事かの?」
背後から声がし振り向くと、杖をついた老人だった。
「あなたは?」
「儂はここの森に住んでおる狐じゃよ。千年の鳥居を超えたものと見受けるが?」
「ええ」
「ならば、声が聞こえたであろう?天狐になるために飛ばされたのじゃよ」
「ここはどの辺なんですか?」
「北の果てと言っておこうかの。空から見たらわかるじゃろう。今からお主がすることは、虹色の珠を3つ見つけてここに持ってくることじゃ」
「場所などは……教えてくれませんよねぇ?」
「ヒントはある。が、精神を集中させれば、簡単に見つかるじゃろう」
「今まで成功したものは?」
「今の天狐様くらいじゃろうて」
その後いくつかのヒントを言い残し、老人は姿を消した。
ただの連絡係のようなものだろう。
それから一月程で二つの珠は見つかったが、残り一つがなかなか見つからない。
青き森の奥深く。高くそびえる、山の雪__
その後の言葉を聞き取る前に老人は消えてしまったため、青木ケ原樹海だろうと思い来てからかなりの時間が経ったように思う。
木の上からも散々みて方向を確認しながら進んだというのに、一向に社のヤの字も見つからずイライラとしていた。
「二つは奥深くではあったのに、ちゃんと小さな社があった……今度はどこだ!」
進めど進めど、見たくないものばかりを見、たまに見つけた道を通るとだいたい行き止まり。
川に沿っていくと湖には出るものの、それらしきものはひとつも見つからない。
考えろ……我慢しろ……そう言い聞かせながら一日探すものの、いつも途中で体の感覚がおかしくなってしまうのがもどかしい。
方向など磁石なども効かないと聞いたことがあるので、そのせいかとも思ったが、気を強く持たないとこちらが引っ張られてしまう。
普段は指で跳ねるだけで消えてしまうモノも、ここではかなり強力となっていて、常につきまとってくる。
「もう一度上から見てみるしかないか……」
木の上に飛び乗り、意識を集中する。
かなり集中すれば少し感じの違うところはあるが、近付こうとすると何かに阻まれ、先に進むことが出来ない。
「結界……?それにしては穴だらけと言うか……」
日が登りだしキラキラと光る部分を見つけ、木上を渡って近づく。
絶対にここだと思うものの、周辺を探ってもどこからも入れず時間だけが過ぎていく。
「早くしないとみなさんの夕餉が気になるんですけどねぇ」
ひとまず休みながら、どうしようかと横になりうとうととする。
「冬弥、そろそろ急いだ方がいいのではないのか?」
「漆……何度もみんなで探しましたよねぇ?少し休ませてくださいよ」
「分かっておるが、お前の体が持たぬ」
「分かってます!静かにして……ん?」
「気づいたか?」
「なぜ先に言わないんですか?」
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