下宿屋 東風荘 2

浅井 ことは

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記憶

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「あ、まい」

「良かったわ、いいの選んだのよ?それにしても、機械が増えましたねぇ。飲み物だけですごい数ですよ?」

「儂もみてこようかの?」

「き、おつけて……」

「なに、ちょっと見てくるだけじゃよ」

そう言って出ていき、何を話したらいいのか困っていると、痛み止めの注射をされ、そのまま寝てしまう。

夢の中で僕は高校生で、学校で勉強している。
お弁当を食べ……

「あ、ぁ……」と目が冷めてしまう。

「雪翔?えっと、深呼吸ね。落ち着いて、ここは病院よ?」

「僕、がっこ、う、いって、た」

「夢見たの?すごい汗。体拭きましょう。着替えを貰ってくるわね」

拘束具がついているので、すべてマジックテープで止める寝間着だったので、体を拭いてもらい着替えさせてもらう。

「だいじ、な、なにか。でも分からない」

ガチャガチャと繋がれているのを外そうと抵抗する。足は動かない。せめて腕だけでも自由になりたい!

「じゆう……?」

「雪翔?」

「離して、これ、取って、よ!取ってぇぇぇ」

「落ち着いて、ほら深呼吸ね?」

「ああ"……いやーーーーー!と、って、離し、てよ!あぁぁ……」

カシャン__

「うわぁぁぁ!あ、ぁ"ぁ"」

「どうした?」

「なにか思い出したみたいにいきなり……」

「他の狐も呼ぶしかないな」

収集をかけ、音が漏れにくいようにみんなで結界を軽く貼り、周りに聞こえにくいようにするだけで、看護婦たちにはわかるように細かく術を貼っていく。

「どうすれば収まるんじゃ?これをずっと栞さん一人で?」

「交代はいましたが、こうなったのは昨日でして。後はお話した通りです。私は彼らを許しません。例えこの子に恨まれても……」

「聡い子と聞いておった。そこまで心を殺したのかそいつは」

「はい」

「儂が出向く!」

「なりません!あくまで介護の申し出です!」

「じゃが……」

そう言って雪翔を抱きしめる。

「お、じい、ちゃん?」

「そうじゃ、おまえの爺ちゃんだ」

「う、うわぁ、あーん。」

「泣け、好きなだけ泣け。泣いたらその分笑え」

「うあ、あーーーー!」

出ましょうと、みんなに声をかけて二人きりにする。

「いいのか?爺さんと二人にして」

「今は頼るしかありません。秋彪はあったことがあるのでしょう?」

「前に妖街に行った時に世話になったけど……」

「他の方々は?」

「私は何度か。その、見合い相手という事でお話を……」

「玲だけですか……」

「なんだよ!まぁ、住んでるところも違ったからな。でも話には聞いてるぞ?偉い大名って聞いてる」

「あらやだ。うちそんなに有名なの?」

「知る人ぞ知る……ですよ?」

「普通の家なんですけどねぇ?私ちょっと様子みてくるわね。お爺さんだけじゃ心配だから」

そう言って病室に戻ったのを見届け、ホールでこれからのことを話し合う。

「なぁ、城に行けば冬弥さんに会えるんじゃない?」

「無理だろう。天狐への面会は呼ばれるか、掛け合っても三ヶ月はかかると言われている」

「じゃあどうすんだよー!」

「玲様……確か仙の方とお知り合いだったかと」

「あ、まぁな」

「その方に、冬弥様へ伝言など頼めないのですか?」

「そっか!分かった。今からちょっと行ってくる。そんなに上手くいかないかもしれねーけど、伝言ぐらいなら伝えてくれるかもしれないから頼んでくるわ」

「俺も行こうか?」

「秋彪は、俺の狐の世話頼む。二つの社の方に置いてくから」

「分かった」

そのまま病院を出ていったので、後は任せるしかない。

「栞さん、下宿の奴らに話したの?」

「ええ、色々と話したけど、拘束って言ったらみんな黙ってしまって。だけど、大学生の子達はみんな交代できてくれるって。食事や掃除も当番制にしたし、那智様が言った通りになりました」

「俺は少し助言しただけだ」
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