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全ての始まりと終わり
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「兄上は壊滅的に料理ができないんですから、座っててくれるのが一番の手伝いですよ」
「そう言うな……」
「ほらほら、雪翔は迎えが来るので早くしてください。私も行きたいのですが、那智が行くと聞かないのでねぇ」
「だから機嫌が悪いのか」
「私がお父さんなのに」
「お、お、お……」
「お?」
「お父さん!」
「はい!」とキラキラとした目で見てくるがその後の言葉が続かない。
「えーと、僕がもし……」やり返したらと言いそうになりやめる。
「いいですよ?ただ、相手が手を出してきた時のみですからね?」
「なんでわかったの?」
「お父さんだから!」
みんなが起きてきたので一旦話は終わり、迎えが来たので学校へと向かう。
「那智さんおはようございます」
「ああ。お前が出てからみんなに説明するそうだ」
「聞いてないよ……」
「隠しても仕方ないだろう?」
「そうだけど」
「おはよう雪翔君。この子が専門の子で寺内 優。17歳だけど、れっきとした捜査員の一員だから」
「よろしくお願いします」
「よろしく」
早くついたので学校にはまだ誰も来ておらず、二手に分かれて行動することになった。
普段使っているエレベーター。その横の階段に教室。一通り見ていたが、優はずっとパソコンをいじっていて、説明が終わると階段で写真を撮らせて欲しいと言ってきたので、その時の場所に移動する。
心臓がドキドキして冷や汗が出て止まらず、手が震えだした頃に、もういいよと言われホットする。
「ごめんね?一応データに入れたかったから……」
「だ、大丈夫です」
「大丈夫じゃないわよ!優、私は聞いてないわよ?」
「ごめん雪乃ちゃん……」
「私の弟みたいなものなの。許してね?」
「いえ」
「後は車椅子の傷なんだけど、遠くからとアップからと遠目の場所からで撮りたいんだ。立てる?」
「捕まれば立てます」
そう言って手すりに掴まって立とうとすると、膝がガクッと折れてしまう。
「いつも立てるのに……」
「精神的なものね。椅子に座りましょう」
教室から椅子を持ってきてもらって座り、写真が撮れたのでと返してもらう。
「この車椅子最新のだね。でも、少し右側が傾いてる」
「そうなの?」
「雪翔君違和感ない?」
「ボタンが少し押しにくいかな?でも普段もあんまり変わらないと思ってたから」
「違和感があるのは捻挫のせいもあるかもしれないけど、タイヤの向きが少しずれてる。相手に直させれるよね?」
「そうね。大体こういったのは示談が多いし。でもそれでまたイジメが酷くなる事が多いのも特徴の一つだわ」
「僕、前を見ていなさいって言われたんです。下を向いてたらいけない、見えるものも見えないって」
「いい事よ?」
「だから、誰にされたかとかちゃんと言います」
「とても……勇気のいることよ?」
「はい。前も黙ってて酷いことになって、折角お父さんになってくれたのに心配させて……下宿のみんなも助けてくれて。今度も逃げたら同じことの繰り返しになっちゃう。でも、もし僕が反抗すれば他の子がイジメられるかもって思ったら迷うけど、僕が強くならないと周りに迷惑掛かっちゃうし」
「十分君は強いよ。俺は手助けしかできないけど」
「分かったわ。ここが終わったから、下に行きましょうか!」
「何処に?」
「いい所!」
ついた先は校長室。全然いいところではない……
入ると弁護士と那智、刑事の青井がいて、校長は今までと違う顔をしていた。
「当校で今まで大きなイジメはなかったので黙認と言いますか……してきました。今回は分かっています。生徒と保護者の呼び出しをすぐに。ですので示談の方向で……」
「校長?一つ大切なことを忘れていませんか?」
「な、なんです?」
「彼はまだ15歳の高校生なんです。心の傷はそう簡単には治りません。前の事件もまだ終わってません。どれだけの傷を作るおつもりですか?」
「いや、それはその……」
「青井さん、ありがとうございます。多分クラス替えもないと思うし、担任の先生も変わったばかりだし、見えないところでいじめは続くと思ってます」
「雪翔?」
「僕、それでも学校辞めません!校長先生の顔見ればわかります。僕の方が問題児だと思ってますよね?退学してくれてらいいのにって。だから、辞めません!イジメられたら、沢山証拠を残して警察に訴え続けるつもりで学校に来ます。昨日のことも、僕、勝手に落ちてません。落とされました……調べてもらうのには警察に言わないといけないと聞きました。僕はまだ子供だから、叔父さんやお父さんに言って一緒に警察に行ってもらいます。そして調べてもらいます」
「そう言うな……」
「ほらほら、雪翔は迎えが来るので早くしてください。私も行きたいのですが、那智が行くと聞かないのでねぇ」
「だから機嫌が悪いのか」
「私がお父さんなのに」
「お、お、お……」
「お?」
「お父さん!」
「はい!」とキラキラとした目で見てくるがその後の言葉が続かない。
「えーと、僕がもし……」やり返したらと言いそうになりやめる。
「いいですよ?ただ、相手が手を出してきた時のみですからね?」
「なんでわかったの?」
「お父さんだから!」
みんなが起きてきたので一旦話は終わり、迎えが来たので学校へと向かう。
「那智さんおはようございます」
「ああ。お前が出てからみんなに説明するそうだ」
「聞いてないよ……」
「隠しても仕方ないだろう?」
「そうだけど」
「おはよう雪翔君。この子が専門の子で寺内 優。17歳だけど、れっきとした捜査員の一員だから」
「よろしくお願いします」
「よろしく」
早くついたので学校にはまだ誰も来ておらず、二手に分かれて行動することになった。
普段使っているエレベーター。その横の階段に教室。一通り見ていたが、優はずっとパソコンをいじっていて、説明が終わると階段で写真を撮らせて欲しいと言ってきたので、その時の場所に移動する。
心臓がドキドキして冷や汗が出て止まらず、手が震えだした頃に、もういいよと言われホットする。
「ごめんね?一応データに入れたかったから……」
「だ、大丈夫です」
「大丈夫じゃないわよ!優、私は聞いてないわよ?」
「ごめん雪乃ちゃん……」
「私の弟みたいなものなの。許してね?」
「いえ」
「後は車椅子の傷なんだけど、遠くからとアップからと遠目の場所からで撮りたいんだ。立てる?」
「捕まれば立てます」
そう言って手すりに掴まって立とうとすると、膝がガクッと折れてしまう。
「いつも立てるのに……」
「精神的なものね。椅子に座りましょう」
教室から椅子を持ってきてもらって座り、写真が撮れたのでと返してもらう。
「この車椅子最新のだね。でも、少し右側が傾いてる」
「そうなの?」
「雪翔君違和感ない?」
「ボタンが少し押しにくいかな?でも普段もあんまり変わらないと思ってたから」
「違和感があるのは捻挫のせいもあるかもしれないけど、タイヤの向きが少しずれてる。相手に直させれるよね?」
「そうね。大体こういったのは示談が多いし。でもそれでまたイジメが酷くなる事が多いのも特徴の一つだわ」
「僕、前を見ていなさいって言われたんです。下を向いてたらいけない、見えるものも見えないって」
「いい事よ?」
「だから、誰にされたかとかちゃんと言います」
「とても……勇気のいることよ?」
「はい。前も黙ってて酷いことになって、折角お父さんになってくれたのに心配させて……下宿のみんなも助けてくれて。今度も逃げたら同じことの繰り返しになっちゃう。でも、もし僕が反抗すれば他の子がイジメられるかもって思ったら迷うけど、僕が強くならないと周りに迷惑掛かっちゃうし」
「十分君は強いよ。俺は手助けしかできないけど」
「分かったわ。ここが終わったから、下に行きましょうか!」
「何処に?」
「いい所!」
ついた先は校長室。全然いいところではない……
入ると弁護士と那智、刑事の青井がいて、校長は今までと違う顔をしていた。
「当校で今まで大きなイジメはなかったので黙認と言いますか……してきました。今回は分かっています。生徒と保護者の呼び出しをすぐに。ですので示談の方向で……」
「校長?一つ大切なことを忘れていませんか?」
「な、なんです?」
「彼はまだ15歳の高校生なんです。心の傷はそう簡単には治りません。前の事件もまだ終わってません。どれだけの傷を作るおつもりですか?」
「いや、それはその……」
「青井さん、ありがとうございます。多分クラス替えもないと思うし、担任の先生も変わったばかりだし、見えないところでいじめは続くと思ってます」
「雪翔?」
「僕、それでも学校辞めません!校長先生の顔見ればわかります。僕の方が問題児だと思ってますよね?退学してくれてらいいのにって。だから、辞めません!イジメられたら、沢山証拠を残して警察に訴え続けるつもりで学校に来ます。昨日のことも、僕、勝手に落ちてません。落とされました……調べてもらうのには警察に言わないといけないと聞きました。僕はまだ子供だから、叔父さんやお父さんに言って一緒に警察に行ってもらいます。そして調べてもらいます」
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