黄泉津役所

相棒

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事故処理というものが終わり、みんなで家に帰ってからは首輪が付いていないこともあってか、「近くに神社があるから捨てられたのかねぇ」と祖母が言ったものだから、そこから祖父も父も毛並みもいいし鳴かないしなどと母を見ると「縁かもしれないわね」と言ったので、「俺、俺が育ててもいい？」と元気に挙手！

みんな笑っていたが、家族の一員になるのならと明日は病院に連れていき、必要なものを買い揃えるのに祖父が着いてきてくれることになり、問題は名前。

「名前なぁ」

「今夜ゆっくり考えなさい」と言われ、まだ開いていた薬局でドッグフードとトイレシートだけ買ってきた父が、「今夜は丈史の部屋に居させるといい」と置いていったので、「お前、トイレとかできる？」とシートを一枚敷くと、ちゃんとシートの上でおしっこをしたので撫でてあげる。

「偉いぞ！」

それでもちょこちょこと歩くので、出しっぱなしの漫画とか服とかを片付け、水を入れて来た容器を置く。

床に座り、「本当にお前が来るとはな。名前何がいい？」とスマホで犬の名前を調べる。

「結構、オスでもメスでも分からない名前が多いな」とわんこをひっくり返して、立派なものが着いているのを確認し、「うーん」と悩みまくる。

「お、名前診断でも結構いい名前あるぞ？風太ってどうだ？」

「あうっ」

「風太」

「あうあうっ！」と喜んでいるのか周りをちょこちょこ。

「よし、今日からお前は井筒風太だ。自分の名前覚えろよ？」

赤ちゃんだからまだまだ寝るだろうと座布団とひざ掛けを出して置くと、クンクンと匂いを嗅いで小さな体で隅に引っ張っていく。

「ここでいいんだよ？」

それでも持っていくので隅っこに座布団とお水、トイレシートを置いて、ベッドから眺めながら、明日はおもちゃや、おやつ、必要なものを買うのに休みを貰わないととぐっすり寝ていたのに、夜中にクンクンと鳴かれ、ダメだと思いつつベッドの上に。

布団の中に入ってくるので一緒に寝て、起きてすぐ「トイレ行ってこい」と下におろす。

ちゃんとできたのを確認してから、ご飯はみんなで食べようと階段を降りて、名前は風太にしたと伝える。